景気低迷の影響を受けて、赤字決算を余儀無くされる会社が増えています。
多くの会社は、何とか利益を計上すべく懸命に経費削減に取組んでいますが、
接待交際費がなかなか減らない会社もあります。
中小企業の接待交際費は、ほぼ社長の意思に関係します。
『売上や利益と接待交際費には相関関係がない』
というのが、私の持論です。
昨年のリーマン・ショックによる世界同時不況にいたるまで、
ここ数年、お金が余っていることもあり、銀行は貸出に積極的でした。
投資をして拡大を目指す会社には追い風でしたが、
やっかいなのは中小企業の社長さんの中には、
「借りたお金」と「儲けたお金」が混同される方がしばしばおられることです。
そうです、「借りたお金」で飲食、ゴルフにお金を使っているのです。
前向きな投資なら、将来戻ってくることがありますが、
接待交際費は、残念ながら多くの場合、「浪費」なのです。
そして、この浪費癖はなかなか治らないのです。
一方、死ぬまでに使いきれないほどのお金を持っていても、
決して無駄遣いをしない人がいます。
定期的に、個人の税務相談を行っていますが、
相談者の多くは70歳を過ぎた高齢者です。
その相談は、ご自身が亡くなったあとの相続税のことです。
今まで、一生懸命に休まず頑張って、冗費を節約してお金を残してきて、
死んでからの税金のことが今、心配なのです。
60歳を過ぎても貯金をする国民は、世界的にみて非常に珍しいそうです。
少し目減りしたとは言え、日本の個人金融資産は1,400兆円を越え、
その多くを65歳以上の高齢者が保有しています。
どこか間違っていますね…
先日、お客様を訪問した際、創業者(故人)の奥様に久しぶりにお会いしました。
今の社長のお義母さまで、御年96歳です。
「家に居てるとボケてしまうから」と、毎日会社に来られて
経理の帳簿の一部をつけておられます。
先日の「ユズリハ」でお話したような、いつまでも後継者に譲らずに、
自分がやるという類では決してありません。
ちゃんと、経営のことやお金のことは後継者に引継いでおられます。
さすがに、少し耳は遠くなられていますが、
決算の話を中心に、会社の問題点を社長と専務にお話するのを
横で頷きながら聞いておられます。
失礼ながら、「どこまで判っておられるのかな…?」と思いつつ
話を進めていましたが、途中で的確な質問をされたり、
あとで感想をおっしゃったり、ちゃんと判っておられました。
長年経理をされてきたこともあり、数字に大変強く、
孫ほど年の離れた私が言うのも何ですが、
『笑顔がかわいいとても素敵な方』です(笑)。
会社は設立して今年で42年目。
会社の平均寿命は10年ともいわれる昨今の厳しい経済環境のなか、
一丸となって課題に取組んでおられます。
まだまだ私も頑張らねば!と、またお客様にパワーを頂いた一日でした。
先週はさすがに、連休疲れがありましたが、
今日から元気一杯フル稼働です!
昨年も連休期間中に、松下幸之助さんに関する本(同行二人)を読みましたが、
http://blog.goo.ne.jp/nmc-zeirishihoujin/e/9fef54c0f937443b87198b3995411ef7
今年もたまたま書店で、『雨が降れば傘をさす』(-中博著-)
という本を手に取り、いっきに読みおえました。
幸之助さんが、部下であった中氏に、
「君いくつになった?」
「×歳です。」
「若くていいな。君、年貸してくれ」というくだりがあります。
連休をダラダラ過ごしていた私は、頭をハンマーで殴られた思いでした。
晩年、幸之助さんは、社会的に成功をおさめられても、
この国の将来を憂えて、私財をなげうち松下政経塾を設立し、
将来の人材育成のために、休む間もなく、
活発に活動されておられました。
幸之助さんの言葉には、本当に時間が足りないという
痛切な思いが込められて重みがあります。
仕事が忙しいといってもまだまだ無駄な時間があります。
本当に今すべきこと、
会わないといけない人、
急ぎではないが考えないといけないことetc…
個人的には、大学受験の高校3年生のときが、
勉強しながら、もっとも読書もしたし、色々考えることも多かったです。
「あの頃に比べたら体力も知力も劣えた。」と自身に言い訳している
自分がいます。
まだまだ時間はある、もっと一生懸命やらなければ、
有効的に使わなければいけないと反省ひとしきりです。
駅まで歩くのに、爽やかで気持ちのいい季節です。
この時期、新緑、若葉がとても美しいです。
「ユズリハ」という植物があります。
「楪」「交譲木」又は「譲葉」と漢字では書くようです。
春になって枝先に若葉がでるときに、去年の葉が新しい葉に譲るように
落葉することからその名があると聞きました。
そのタイミングは絶妙で、自然は本当に素晴らしいと思います。
税理士という仕事をしていて、「事業承継」ということによく
立ち会います。
親から子、創業者から従業員や取引先など、ケースは色々ありますが、
なかなか、うまく譲られないことがあります。
無理に譲ることを迫る後継者もいれば、
なかなか譲らない創業者etc…
自然に見習いたいものですね。
個人的には、譲るに早すぎることは、決してないと思います。