税理士の戯言

大阪市中央区の税理士法人代表ブログです

JALは離陸できるのか…?

2010年01月13日 | コラム

 ダッチロール状態だった日本航空は、
会社更生法という透明性の高い法的整理で
一応の決着に向かっているようです。

 不透明な私的整理よりはるかにいい方向になったと思います。
年金問題もOBから何とか3分の2の賛成をとりつけたという報道がありました。
株主は100%減資で責任をとり、
銀行も一部債権放棄に応じる、
OBも年金の減額を受け入れると、
ステークホルダー(利害関係人)がそれぞれ痛みを分かち、
まずは再生へ向けてのスキームは固まったというところでしょうか。

 しかし、そもそも日航の高コスト体質は、債務免除や一部の路線廃止くらいで
おさまるのでしょうか?
 航空業界は国際線でローコストキャリア(LCC)という、
格安航空会社による熾烈なコスト競争になっており、
日航は国際線で後塵をはいしています。
例えば大阪―札幌の航空運賃より、
その何倍もの距離の海外への運賃が変わらないというのは、
皆さんもよくご存知でしょう。

 国内はANAとの寡占状態ですから、規制もあり長年安穏としていたわけです。
その代わりに、政治家がこれでもかとばかりに作った地方空港へも乗り入れる
という政治とのなれ合いもありました。

 デルタ航空やアメリカン航空と提携したところで、
早々何かが変わるものではありません。
パイロットをはじめとして従業員の高コストを大幅にカットできないことには、
再生は厳しいと思います。

日航は複数の労働組合があることでも有名です。
そこに大ナタを奮う(世界の同業他社並みへの給与カット)ことができる経営者がでてきて、
従業員側も再建に向け、茨の道を歩む覚悟で一丸とならないことには、
本当の「離陸」は難しいでしょう。

 そもそも利用者からすれば、別に日の丸の航空会社でなくても、
安全でかつ安い航空会社であればどこの航空会社でもいいわけです。
 実際に、地方の方は、不便な成田や関空経由より、
地元の空港から韓国の仁川(インチョン)国際空港経由、
大韓航空で海外へ行くことを選択しているという現実を直視すべきです。





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