国防と劣情

2006年07月19日 | Weblog
北朝鮮政府のミサイル発射に関して、猫も杓子も国防論がかまびすかしい。マスメディアでは政治家や評論家を総動員して、喧々諤々である。

いまさら、国防ねえ・・・

沖縄が実質アメリカの植民地になってから(沖縄在住の方には申し訳ないが、私はそう思っている。)在日米軍に所属する軍人、軍属により、これまでどれだけの凶悪犯罪が行われたのか。
72年の沖縄本土復帰以降の米兵犯罪は約五千件に達し、そのうち10%以上は凶悪犯罪であり、(殺人は13件)。沖縄県議会による統計では68年から98年まで、この期間の日本国内での米兵による殺人、強盗、婦女暴行などの凶悪犯罪は百二十九件、そのうち約50%、六十七件が沖縄で起きている。95年には当時小学6年生だった少女が米軍のジープに乗って、計画的に犯行を実行した3人の米兵に無残にも暴行された。この事件は記憶している人も多いだろう。しかし、犯人たちは日米地位協定に守られて、日本の警察はおざなりの捜査しか出来ず、彼らは今ごろ、のうのうと本国で暮らしている。他にも似たような事件はいくらでもある。

当時も今も日米地位協定ひとつ、まともに変えようとした政治家がどれだけいたのか。国防の『国』の字は国民の『国』の字ではないんだろう。

北朝鮮や金正日なら、いくらでも批判できるし、叩ける。劣情満載でテレビのワイドショーでいくら、激烈な言葉を吐いても許される。そう、みんな生贄が欲しいのだ。つい、この間までは、光市母子殺人事件の犯人がその劣情の生贄だった。あの犯人を死刑にするのが世論なら、米軍人で日本の国内で殺人や少女暴行を犯した連中も死刑にするように世論を喚起したらどうだ。日米地位協定を本気で改訂したらどうだ。政治家よ、タレント弁護士よ、あんたらにそれが言えるか。

国民を守る気のない連中が『国防』を語る。