ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

2次元エレクトロニクスの新しい材料

2012-08-26 | 報道/ニュース

グラフェンのような単分子層で構成される材料で電子回路が作れれば、これまで予想もしなかったことが実現出来るであろう。なにしろ厚さが薄いため全く人間の目には見えない。ディスプレイを内蔵したガラス窓や一様に光を出す壁を実現することも容易であるという。もちろん半導体チップに代わるものが作れれば、演算速度を速めさらには材料費ならびに消費電力を削減出来るであろう。

グラフェンをトランジスタやメモリなどエレクトロニクスに利用しようとする試みは多くなされてきた。しかしながら、グラフェンは禁止帯の幅が0であるのが欠点である(HP2.2A1参照、グラフェンに関するブログ記事の所在も含む)。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、2層の硫化モリブデン(MoS2)を用いてトランジスタを作り出し、さらにそれを組み合わせてスイッチやメモリなどの集積回路を作成することに成功している。この物質の禁止帯の幅は1.8電子ボルトで、シリコンの禁止帯の幅より大きくトランジスタとしての性能も優れているという。また機械的にも強い。
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2次元エレクトロニクスへの本格的な第一歩として興味深い。