ナノテクノロジーニュース

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最高分解能のカラープリント

2012-08-15 | 報道/ニュース

カラープリントのピクセル(画素)の大きさは光の波長の約半分程度、250nm、すなわち1インチあたり100,000がリミットである。現在のレーザープリンターやインクジェットではそのリミットの十分の1程度にしか達していない。リミットに近いピクセルが実現すると、プリントの分解能を上げることが出来るだけではなく、ディスプレイやデータストレージにも利用できそうである。

シンガポールの研究グループは、プラズモニックス(11/17,18,12/21, 1/23,3/9参照)を利用してリミットに近い分解能を持ったカラープリントに成功した。彼らが作成したピクセルは4本の直径100nm程度の柱を金銀合金の反射板の上に立てたものである。柱の上にプラズモンを発生する円柱状の金銀合金が載せられている。その直径と柱間の距離によって反射する光の色が変わるという。
http://www.abc.net.au/science/articles/2012/08/13/3564362.htm
http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=highest-possible-resolution-color-images-achieved

色素ではない種々の色を出せる新しい材料を開発したもので非常に興味深い。色素と違ってプリントの安定性も高いという。アメリカのABCテレビや一般向け科学雑誌Scientific Americanにも報じられている。