我 老境に入れり

日々の出来事をエッセイと写真でつづる

スナックのママ

2022-08-09 21:45:14 | うたごえ、カラオケ、他音楽

スナックに行った、

私にとって

スナックは飲む所でも食べる所でもない、

歌う所だ、

その店は隣町にあり目立たない質素な店だった、

ママは見た目50代のなかなかの美人、

結婚前はどこかのアナウンサーだったとかで

さすがに話し方から立ち居振る舞いを見る限り

水商売は素人っぽい、

この日知人に誘われてお昼前に行った、

そして昼食にラーメンを注文した、

美人ママが作ったものとは思えないほどうまかった、

その日のお客さんは私を含めて6人、

見るからに年金暮らしで行くところもないので

退屈しのぎと言う感じ、

いやいや若しかしたら飲む、食べる、歌うが目的ではなく

こんな美人ママと時間を共有できるのであれば

こんな幸せなことはないと思って来てるのかもしれない、

幸いママさんは人生に疲れた気弱な男たちを

手玉に取るような強い個性の女性でもない、

それぞれが

退屈することのないように気を配ってくれる、

その気配りが嬉しい、

歌うと声はいいしちょっと粗削りながらそこそこ上手い、

どこかで歌を習っているとは言っていた、

この日4時間ほど居て6,7曲歌った、

楽しい時間であった。


松柏100句選より(4)

2022-08-09 05:17:57 | 俳句、短歌、及び文芸

 

友よ

許せ

前回から日延べになってしまった、

暑さに負けて頭を使う気分になれなかった、

パソコンは立ち上げてもついついユーチューブで歌を歌っていた、

パソコンと言えど時にはスナックやカラオケボックスに

行かなくても私の場合充分楽しめる、

さて余談になってしまったが本題に入ろう、

 

(27) 夕焼けも 朧で燕 低く飛ぶ

ふ~ん そう言うものであろうか?

夕焼けはしているものの霞んでいるので燕が低く飛んでいる、

気象歳時記的な話で聞いたことが有るような気もするが事実は知らない、

句の出来うんぬんよりも私は作者の詞書きに興味を持った、

句のできた背景を綴った文章だ、

ーー夕焼けはしているものの低気圧が近づいているためか

  西の空には雲が忙しく流れ、空気は湿気を帯びていた、

  天気は崩れそうである、燕が低く飛んでいる、

  このような天気の夕がたは餌となる虫たちは

  湿気がついて羽が重くなるため高く飛べないためらしい。ーー

百数十の句それぞれにこのような背景文をつけた

作者の根気には驚きと言うよりも敬意しかない、

 

(31) 暑き日を より暑くする 蝉の声

近年関東地方でもクマゼミの鳴き声を耳にするようになった、

これも温暖化の影響であろう、

真夏の九州地方ではクマゼミの鳴き声はすざましい、

将に❝より暑くする❞のである、

 

(33)蜩が 鳴いて感じる 秋近し

同感、どうかん、

私も暑さに弱いから蜩の声を聴くとホッとする、

句としての出来をさておけば季節感あふれる一節(?)に

共感してしまう、

 

(36) お年玉 揃えて孫待つ 年の明け

じいちゃんの心情そのままで微笑ましい、

きっとお年玉の袋それぞれに孫の名前を書き終えて

やれやれと微笑んでいるのであろう、

 

(42) 升席で 見る花火 豪華なり

余りにもそのままで句になっていない、

升席で等見る機会の滅多にない読み手は

それがどのように豪華なのかを知りたいし味わいたいのだ、

それを豪華の言葉で片づけてしまえば味も素っ気もない、

ここに頭を使ってこそ句になる、

 

(48) 廃線の 土手の土筆 今もありや

作者の生い立ちを知る者にしか理解しえない句であろう、

これは読み手の理解より作者の記憶を形に残したい

気持ちが優先した句と解したい、

廃線は言わずと知れた耶馬渓線、

作者はことのほか土筆の卵とじが好きらしい、

 

(52) 遠浅で カブトガニ見しは 昔なり

う~ん

私にとっても懐かしい記憶、

わが家は遠浅の海岸まで歩いて20分ほど、

カブトガニなどまだ絶滅危惧種には指定されてもいなかったので

獲ってきて食べたこともある、

身は皆無であるが出汁は出る、

こんな句にしてみた、

❝遠浅で カブトガニ見し 周防灘❞

❝昔なり❞は無くても❝見し❞でわかる、

どれほど昔なのかは読者の想像に任せよう、

今回はここまで

遅くなったのはお詫びする。

8月9日 べんけい拝