我 老境に入れり

日々の出来事をエッセイと写真でつづる

花の中の華

2024-06-04 14:40:30 | 友人、知人及び同級生

        オトギリソウの花と実

 

高校の同級生 Hさん、

地元でケーキ屋のオーナーと聞いている、

昔から頭の回転が良くて小奇麗である、

数年前にHさんの提案で

ラインのグループを結成した、

名付けて「やすらぎ」

故郷とそれぞれの居住地との

情報交換、

高齢者となった今日

病気の話題がよく出る、

孫の話題、

旅行の話題、

食べる話題に続いて

花の話題も登場する、

いつも話題の中心にいるHさんが

花の話題になるとなりを潜める、

そこで私は聞いた、

❝Hさん 

 花の話題になると投稿がないね?❞

Hさん曰く

❝花はあまり好きではないの

 だから私は知らないの❞

これは意外だった、

見目麗しき彼女の口から

花は好きではない、

等という言葉を聞こうとは!

男なら無関心であることに違和感はない、

だから話題に上ることなどない、

花の好きな私など

例外中の例外、

私は軽いショックを受けた、

そして彼女が何故

花を好きではないなどと言うのか

しばらく考えた、

老いてなお

Hさんは美形を保っている、

顔だちもスタイルも崩れていない、

父親は大学教授だったことなどもあり

出自は上流クラスだ、

勿論それを鼻にかけることなど無い、

行きついた結論、

恐らく

幼少のころから賢くしかも可愛くて

彼女はいつも話題の中心に居た、

だから

彼女自身が華で

花にはライバル心を抱いていたに相違ない。


不治の病

2024-05-09 06:11:40 | 友人、知人及び同級生

友人のKさんが

ムギナデシコ(麦撫子)を持ってきてくれた、

昨日 Kさんを夕食に招待した、

彼は自分で栽培している花を持ってきて

わが家のカカ様を喜ばせてくれる、

花瓶もKさんが作った作品、

サイズを熟知しているので

持ってくる花に余分も不足もない、

言ってみれば活けた花は

器から花までKさんの作品だ、

彼はこのブログに何回も登場しているが

ひとり暮らし、

不治の病を抱えていると言う事が

なんとも切ない、

おまけに娘は遠方で所帯を持っている、

わが家とは古い付き合いだから

あまり神経は使わない、

❝夕食に招待❞と言っても

特別なもので饗応する訳ではない、

わが家で普段食べている食事の

量を増やして一緒に食べるだけだ、

彼は口八丁手八丁

友人も少なくないし

やることは色々あって昼間は

退屈しているようには見えない、

だが酒を飲まない彼が不治の病を抱えて過ごす

夜の孤独感は計り知れない、

先日風呂から上がって寛いでいたら

彼から電話がかかってきた、

取り留めもない内容に気づいて

しみじみと彼の侘しさ感じた、

そしてそれは

他ならぬ

自分自身の近い将来にも

繋がることになるのだろうと思った。


アンコウ鍋

2024-04-19 04:47:28 | 友人、知人及び同級生

先日(4月17日)

アンコウ鍋を食べに

茨城県まで行った、

事の発端は

3月の中頃だったと思うが

あるカラオケの会で

食べ歩きの話が出た、

私が茨城県の奥久慈で高校の同級生たちと

泊まりでゴルフをした時に

夕食にアンコウ鍋を食べた話をした、

是非とも食べに行きたいと言う事になり

日程を調整した、

6人全員が乗れる車はと言うと

4月の半ばでないと都合がつかないと言う、

目星をつけてあったひたちなか市の料理屋さんに

連絡をすると

何とか都合をつけると受けてくれた、

そんなことで

老老男女6人

雨の予報もいとわずに出かけた次第、

8時半にKさん宅に集合して出発、

北関東自動車道を休憩もしながら2時間疾走、

水戸大洗インターを下りてからは

ナビの案内に従って11時頃に

目当ての料理屋(なかや)さんについた、

付近一帯は「海の幸」を専門にする

料理屋の看板で溢れていた、

ネットで選んだ店は

写真付きの立派な店構えの料理屋は避けて

ありふれた暖簾1枚が下がった

居酒屋風の店だった、

おかみさんに案内された和室には

2つのテーブルが並べられ2つの鍋が

準備されていた、

お茶の接待を受けながら

一通りの世間話に花を咲かせた後

女将さんの

あんこう鍋とは一味違う

❝あんこうのどぶ汁❞料理が始まった、

これはアンコウの肝をすりつぶして

鍋の基本味にする料理、

濃厚な味が野菜や魚の切り身に沁み込んで

美味い !

最後に残ったお汁にご飯を入れて

おじやにするのだが

これがまた さいこうにうまい !

ネットの評判を見て選んだ店ではあった、

女将さんの巧みな話術にも乗せられて

あっという間の2時間だった。


Kさんの作った花瓶

2024-03-06 07:02:56 | 友人、知人及び同級生

花瓶をもらった、

先日ひな祭りの夕方、

わが家にはひな祭りを祝う姫はいない、

せめていなり寿司でもと妻が腰を上げた、

多めに出来たので

一人暮らしをするKさんを呼んだ、

その彼が自作の花瓶を手土産に呉れた、

なかなかの出来栄え、

彼は自宅の敷地内に陶磁器を焼く釜を持っている、

かと言って陶芸家ではない、

現役の頃作った作品を祭りの会場などで

販売して小遣いを稼いでいた、

手先の器用さでは人後に落ちない、

その彼も数年前に奥方に先立たれて一人暮らし、

奥方がうちの連れ合いと大の仲良しで

親しく交流していた、

それが突然

❝亭主を頼む❞

とでも言うかのようにあっけなく旅立った、

と言うのは

彼らには二人の娘がいる、

だが二人とも遠隔地に家庭を持つ、

一人は千葉、

一人は中東のドバイ、

勿論事あるたびに帰って来ては

父親を慰めてはいる、

だが普段の寂しさは埋められない、

悲しいことにKさんは

不治の病を抱えて病院通いを欠かせない、

今のところ普通の生活は出来ているが

いつ何時何が起きるか分からない

不安はあると言う、

見るに忍びない、

時々声をかけて食事を共にする、

若い頃から交流のあるグループもあって

先のことは考えても仕方がないので

❝今を楽しむ❞を合言葉に

ドライブやバーべキュウ、

お茶会や食事会、

カラオケなどを集まって

楽しんでいる。

        庭先の梅と椿を差してみた


悲報

2024-02-27 04:04:44 | 友人、知人及び同級生

            日光白根山から男体山と中禅寺湖

また一人

身近な友人が亡くなった、

山登りの友人で

❝うたごえ❞も楽しむ仲だった、

彼女は自分からは登山歴など

語ることなど無かったが

それを知ると驚くばかり、

彼女の名前は山高さん、

歴史に名を刻む業績こそないが

その内容は素人離れしている、

例えば

危険な山の代名詞にも例えられ

男でさえ登ることを躊躇う

剣山(つるぎさん)には3回登ったとか、

南アルプスをテントを背負って

二泊で縦走したとか、

極めてアクセスの困難な

東北の名峰

朝日連峰の縦走や

飯豊連峰の縦走とくれば

もはや名のある登山家の業績には聞くが

普通の主婦の実績としては

聞いたことがない、

但し

これらは単独登山ではない、

血を分けた肉親以上に親しく行動を共にした

Oさんの存在を抜きには語れないことも

付け加えておく、

ある時彼女は私に

❝山登りはやりきった❞

と言う思いはあると言った、

さもあらん である、

何かの話の中で関東一円はもとより

上信越あたりの山の名が出ると

決まって

❝登ったことがる❞

という答えが返ってきた、

そんな彼女❝たち❞と私は

仕事を辞めてからの付き合いだから

10年にも満たないが

時には危険を共有する遊びでもあり

弁当を分け合う仲だったりで

他にはない親しみを感じていた、

ここ数年はお互いに先がないので

悔いを残さないようにと

月に2,3回程は一緒に出掛けていた、

それも一昨年まで、

昨年の2月にすい臓がんが見つかり

療養していた、

療養中も落ち込んだ素振りは見せないで

うたごえ教室にも顔を出した、

それが突然の訃報である、

何よりも彼女が一番の趣味である山登りに

❝やり切った❞

と言えるほどの満足感を抱いて

あの世へ行った事が

私にはせめてもの救いである。

            冬の浅間山

           金峰山頂上の五丈岩と八ヶ岳方面