我 老境に入れり

日々の出来事をエッセイと写真でつづる

実家と言う名の古里

2024-02-23 05:33:13 | 家族及び親戚

         姫島(故郷の海岸から50キロほど離れた小島)

私が生まれた実家は妹夫婦が住んでいる、

家系は長男である兄が継いだが

実家を離れて自分の家を持った、

その兄も亡くなって

また一つ里帰りの目的が失われた、

❝古里は遠きにありて思うもの❞

となりつつある、

さびしい限り、

だが実家には妹夫婦の住んでいるので

帰省する宿には困らない、

古里を離れた友人や知人の多くは

代替わりした実家には宿泊しがたく

帰省してもホテルに泊まると聞く、

自分の実家に気兼ねなく宿泊できるのも

親や兄弟が元気なうちであろう、

兄嫁とか甥、姪の代になれば

そうはいかない、

この度の兄の葬儀でも妹の世話になった、

最早血を分けた肉親は妹だけになった、

だんだん古里が遠ざかる、

だんだん古里は

心の中だけのものとなる、

それが究極の古里なのかもしれない。


「思い出は美しすぎて」

2024-02-09 04:58:47 | 家族及び親戚

こんなタイトルの映画が有った気がする、

確かに美しいものはさらに美しく

辛かった出来事はさらに辛く着色されて

思い出すのが思い出である、

6歳違いの兄との思い出は

何と言っても帰省する度に連れて行ってもらった

カラオケであろう、

民謡教室を主宰する兄は声が良かった、

それはカラオケを歌っても共通する、

私と比べて高音部が楽に出るし

声の伸びの違いは羨ましいほどであった、

それだけに民謡調の声を張る福田こうへいや

細川たかし的な歌を得意にしていた、

ある時例によって兄が私を誘った、

いつもは義弟や兄嫁、

私の妻なども同伴するのだが

その時は二人きりであった、

カラオケの店は隣町の閑静な畑の中にあった、

行きつけの店らしく行くなりマスターが

兄を先生呼ばわりする、

他にも客は5,6人ほどいた、

その中に一週間後に

九州地区のカラオケチャンピオン大会に出場すると言う

若い女性がいた、

兄も顔見知りらしく私に紹介した、

歌の実力は自分でもそこそこ歌えるとは

思っていたが彼女の歌を聞いて

これは敵わないと思った、

声の良さはもちろん、

明快な発声に加えて声に艶が有り

不安定な要素が全くない、

全国区のレベルを思い知らされた、

それが自分の歌う番が来る度に

何となく劣等感に近いものを感じながら

歌わなければならないのが辛かった、

そんな中でも兄は高揚した気分を

楽しむかのように歌っていた、

どれほどの時間歌ったであろうか?

家に帰るなり妹が烈火のごとく怒りをあらわにぶっつけてきた、

それもそのはず

その日は母の供養で遠来の客もまだいて

主人たる兄が抜け出ること等

❝もってのほか❞

の状況だったのである、

それを2,3曲軽く歌ってくる程度に出かけたのだが

思いがけずもカラオケ自慢に行き会ったことから

興に乗ってしまったのである、

それ以来我ら二人のカラオケ通いは

妹の口からは非難の的となって出る、

兄の死はそんな楽しみさえ奪ってしまった。


孫の運動会

2023-10-14 15:35:52 | 家族及び親戚

孫の運動会を見に行った、

同じ市内に住む孫は現在小学校4年生、

その妹は幼稚園でこちらも運動会だと言う、

そこで息子から応援の要請が来た、

8時同居人と出かける、

学校の駐車場が狭いことから息子の自宅に

車を停め歩いて小学校に向かう、

歩いて10分

近づくにつれてスピーカーの声が

大きくなってくる、

早くも始まっているようだ、

息子が敷物で場所を確保してあった、

孫の通う小学校は高崎駅から2.5Kmほどで

ほぼ高崎市の中心部にありながら

生徒数は全学年合わせて120名ほど

と極めて少ない、

学年単独では競技が成り立たず

2学年共同で行う競技がプログラムの

半数を占めていた、

それにしてもあのような場で見る

子供たちは妙に凛々しく見えて

感動する、

そこで一句

 

❝ビリ走る 孫愛おしき 運動会❞

 

孫の名誉のために書き添えておく、

ビリではなかったが句にする字数の関係で

ビリを選択した、

8時に始まってすべてのプログラムは

11時には終わった。


ニジマス釣り

2023-08-14 17:51:29 | 家族及び親戚

釣り堀に行った、

❝牛に曳かれて善光寺参り❞

ならぬ

❝孫に曳かれて釣り堀参り❞である、

夏休みで孫が泊りがけで遊びに来た、

来る度に遊びの目標を抱えてくる、

昨年はブドウ狩りだった、

今年は釣り堀に行きたいと言う、

来た当日は近くのプールへ行った、

そして翌日隣町(藤岡市)になるが

わが家から30キロほど離れた

「赤久縄」(あかぐな)と言う釣り堀に行った、

なんせ山奥である、

手前10キロ地点までは2車線だが

それから先は曲がりくねった山道の1車線、

対向車が有れば道を譲り合わなければ進めない、

テレビの人気番組「ポツンと一軒家」の

取材対象になってもおかしくない、

ただ釣り堀だけではなく宿泊も食事もできる

設備を備えているので❝1軒家❞ではないので

選ばれないのであろうか?

子供が夏休みと言う事もあって

敷地内には車があふれていた、

東京や埼玉、神奈川ナンバーを付けた車も

少なくない、

関東圏では秘境感あり伝統も人気もある

釣り堀だとは分かっていたが

これほどまでとは想像してなかった、

客の中にはこの釣り堀で管理する

渓流に行ってルアーフィッシングをやる客もいれば

数ある釣り堀の中で時間釣りする客、

俺たちがやったのは目方釣り、

これは竿代もエサ代も無料、

釣った魚の目方で料金の決まる設定、

練り餌を針につけて溢れんばかりに泳ぐ

イワナの中に放り込むとたちまち食いついてくる、

だが食いつきが浅いと途中で落ちる、

そんなくり返し、

孫は釣り上げる度に大喜び、

餌付けも針から外す役は

専ら私の役目、

そんなこんなで2時間近く

釣果は8匹、

料金:1,900円也り、

楽しく遊んで

大満足の時間を過ごした。


母の日

2023-05-15 05:05:29 | 家族及び親戚

              シラネアオイの白と紫

朝 同居人が

❝午後 息子が孫たちを連れてくるんだって❞と言う、

❝ふぅ~ん 何しに来るの?❞と俺、

❝決まってるじゃない 

 母の日のプレゼントを持ってくるんでしょ❞

 と怒りをあらわに言う、

❝そうかぁ 今日は母の日なんだ❞

毎年のことながら俺の中では

母の日を祝う習慣などない、

もっとも夫が妻を労う日ではないので

当然と言えば当然だが、

だから気にも留めてない、

貧しい農家の家庭に育てば

よっぽどのことでもなければ祝い事など

論外である、

いや そんな時代だったように思う、

嫁はママ友と女子会なんだとか、

てっきりランチを共にする女子会だと思って

残された孫たちは冷や飯を食わされるに

違いないと思った、

そこで昼前に来て昼食を一緒に食べようと

連絡した、

相談して返事をすると言う、

11時半に行くと言う返事が来た、

同居人が隣町に美味しいパスタ屋さんが出来たので

そこなら孫たちも喜ぶに違いないと言う、

約束の時間に息子の車が到着、

なんと 嫁が乗ってるではないか!

女子会もわざわざ1時間遅らせたんだとか、

現金なものだ、

もちろん 嫁を疎外する気などないけれど

想定外だったのは残された孫たちが

冷や飯を食う羽目になっては

可愛そうと外食を決めたのだが

お陰で

❝はなぶさ❞に歌いに行く時間が

遅くなってしまった。