西京極 紫の館

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八本目の槍  今村翔吾/著  新潮社

2022年06月28日 23時47分58秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
石田三成とは、何者だったのか。加藤清正、片桐且元、福島正則ら盟友「七本槍」だけが知る真の姿とは……。「戦を止める方策」や「泰平の世の武士のあるべき姿」を考え、「女も働く世」を予見し、徳川家に途方もない<経済戦>を仕掛けようとした男。誰よりも、新しい世を望み、理と友情を信じ、この国の形を思い続けた熱き武将を、感銘深く描き出す正統派歴史小説。吉川英治文学新人賞受賞。

【総合評価】 ☆☆☆☆☆(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆☆☆
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
従来の定説では豊臣家に対して忠節は尽くしたが戦下手で多くの豊臣家子飼い武将らと不仲だったとされる石田三成。その三成を加藤清正や福島正則ら所謂賤ケ岳の七本槍の面々の各視点から描き、そこに独自解釈を加味する事によって、新たな三成像を直木賞作家が紡ぎ出した本作。まず史実とフィクションのバランスが絶妙。そしてなにより三成をはじめ七本槍の面々の人物造形が見事で魅力的。文体は平易なので歴史小説初心者にも読み易いと思いますが、むしろ戦国時代の歴史に詳しいほどより楽しめる  そんな小説です。今村翔吾…これはどえらい才能の歴史小説家が出て来たな。今後の活躍が楽しみ。

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