西京極 紫の館

サッカー観戦、映画や音楽鑑賞、読書などなど、
日々のなんやらかんやらを書いてみようかな、と♪

ししりばの家  澤村伊智/著  角川書店

2021年09月17日 22時03分45秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
おかしいのはこの家か、わたしか  夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。家に招かれ、彼の妻や祖母と交流し癒される果歩だが、平岩邸はどこか変だった。さああという謎の音、部屋中に散る砂。しかし平岩は、異常はないと断ずる。一方、平岩邸を監視する1人の男。彼は昔この家に関わったせいで、脳を砂が侵食する感覚に悩まされていた。そんなある日、比嘉琴子という女が彼の元を訪れ…?

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
比嘉姉妹のお姉ちゃん琴子の子供時代に端を発する『ぼぎわんが、来る』の前日譚。いわゆる「お化け屋敷モノ」ですが、今回も結婚生活の不安やストレスと怪異が結びつく展開です。ストーリーは、主人公となる笹倉果歩という女性と琴子の幼馴染み五十嵐哲也の2つの視点を交互に切り替え、時系列を微妙にずらしつつテンポよく進む。怖さという点では『ぼぎわん~』に劣るも、怪異のアイデアや伏線回収の見事さは健在

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任務の終わり(上・下)  スティーヴン・キング/著  文藝春秋

2021年08月29日 15時04分03秒 | 西京極の本棚
     
【紹介文】
その病室には殺人鬼が眠る。彼の名はブレイディ。大量殺人の実行を阻止され、その際に脳に負ったケガで昏睡状態にあった。そして今、ブレイディの凶行の生存者が自殺を遂げる事件が頻発する。単なる自殺ではないと直感した退職刑事ホッジズは真相を追いはじめる。しかし病室では、新たな殺人計画がひそかに進められていた。『ミスター・メルセデス』『ファインダーズ・キーパーズ』に続くビル・ホッジズ三部作、ここに完結!(白石朗:訳)

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
ミスター・メルセデス』がハードボイルドミステリー、『ファインダーズ・キーパーズ』がサスペンスならば、スーパーナチュラルの要素が加わった本作はオカルトホラーか?ミステリーとしてのリアリティはないけど、キングのお得意分野なので「やっぱりキングはこうだよね」と思いました。シリーズ完結にもなるので『ミスター・メルセデス』を読んだ人は必読です。

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ROAD TO J1 2021 京都サンガF.C.前半戦 エル・ゴラッソ編集部/編 三栄書房

2021年08月27日 17時11分45秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
サッカー新聞エル・ゴラッソ電子版サービス『エルゴラ+J2版』の記事から京都サンガF.C.の前半戦の闘いを総集編としてまとめた一冊。第1節~第21節までのプレビューおよびマッチレポートと表紙をオールカラーのスクラップ調で掲載。巻頭の曺貴裁監督とピーター・ウタカ選手のロング・インタビューなど、サポーターにとって読み応え十分の永久保存版ムックです。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
  実用性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
明日8/28の東京ヴェルディ戦、ホーム亀岡サンガスタジアムにて販売予定との事ですので、半月ほど前に個人的に購入読了済みですが、販促をかねて紹介しておきます。まず大前提として、サンガサポーターにしか必要のない本です。裏を返せばサンガのファンなら必読です。なにせこの本を読んでいたらもうJ1昇格が決まった様な錯覚に陥れますw麻薬みたいな内容。唯一難を挙げるなら、エルゴラの記事をまとめたページの文字が小さく読みづらい事。エルゴラの1/2縮小版だからね。是非、明日はスタジアムでお買い求め下さい!あ、サンガサポなら、ですよwwwあと、本のサイズがB4サイズとデカいので買おうと思っている人はでっかいカバンをご持参アレ!

※ちなみにこの「ROAD TO J1 2021」、新潟版も出てます。本を編集した時点で昇格圏内の2チームだからこうなったのでしょうが、果たして「後半戦」も出版してもらえるのでしょうか?「後半戦」も読めるといいな~

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信長 空白の百三十日  木下昌輝/著  文藝春秋

2021年06月27日 18時25分10秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
織田信長には、知られざる「空白」の期間があった!130日に及ぶ「天正八年の空白」、合戦で前線に立たなくなった「合戦の空白」、謎多き「本能寺の変の空白」。気鋭の歴史小説家が『信長公記』をベースに大胆に推理する。

【総合評価】 ☆☆★★★(満点は☆5つ)
  実用性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆★★★
 読み易さ ☆☆☆★★

【西京極の読後感想】
『宇喜多の捨て嫁』の著者が『信長公記』を元に、織田信長という英雄の人物像を分析した新書。一番のウリである「130日の空白」が信長のうつ病発症であるという結論は特に目新しくはなく、がっかり。それよりも著者の信長に縁のある有名戦国武将の分析の方が面白かった。「後継者を決めずに死んだ武田信玄は経営者としてイマイチだ」とか「思いつきで大軍を動かした上杉謙信には長期的視野が欠落している」などかなり辛辣。「鷹狩りばかりにうつつをぬかし、怒りっぽくて粘着質」な信長より人心掌握に長けた秀吉の方が著者の評価は高そうだ。最終章で「信長を討ったのは明智光秀ではない」という衝撃の標題を書いているがその内容は…言いがかりじゃんか、そんなの(苦笑)

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ヒトごろし(上・下)  京極夏彦/著  新潮社

2021年06月03日 20時43分57秒 | 西京極の本棚
    
【紹介文】
血飛沫。焔に包まれる宿場町。土方歳三は少年時代より死に魅入られていた。長じて浪士組の一員として上洛する。佐幕、攘夷、そんなことに関心はない。刀を存分に振るえる身分が欲しいだけだ。歳三は人外、人殺しなのだから。近藤勇、土方歳三、沖田総司。京都を争闘の巷に変えた新選組隊士たち。彼らはなぜ芹沢鴨を殺害したのか。心に深き翳を宿す剣鬼の生を鮮烈に描く、傑作時代長篇。

【総合評価】 ☆☆☆☆☆(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆☆☆
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
子母澤寛の新選組三部作に始まり、司馬遼の『燃えよ剣』、最近では北方謙三の『黒龍の柩』まで、土方歳三を主人公にした名作エンタメ小説は数多あったが、ここまでダークなキャラ設定の土方はなかった様に思う。本作の土方は、人を殺したくて仕方がない異常者で、本人もその異常さを自覚している。その上でその昏い欲望を満たす為に、殺人を合法化する為に新選組という組織を創ろうとする。まさにダークヒーローであり、ピカレスクロマンである。小説はほとんどが対話シーンの連続であり、ほぼ土方の心象表現で埋め尽くされていて、あたかも犯罪者の供述書のようだ。読者は読み進める内に、土方の異常な殺人の美学に共感し始め、やがて美学なき大量殺人である近代戦争への批判へと導かれる。その構成の巧みさ、周到さに脱帽。また一つ新選組小説に名作が生まれた。

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