西京極 紫の館

サッカー観戦、映画や音楽鑑賞、読書などなど、
日々のなんやらかんやらを書いてみようかな、と♪

禁忌装置  長江俊和/著  角川書店

2019年01月14日 17時23分03秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
受け取った人が次々と謎の自殺を遂げるというメールが高校2年生の津田楓のもとに届いた。直後に親友・希美が投身自殺を図る。血を流して倒れる希美の手には、件のメールが表示された携帯が握られていた。一連の自殺に興味を持ったテレビディレクターの岡崎零子は、ニュース番組の特集企画として取材を始める。やがて、メールの数列は暗号であることがわかってきて  。大人気、「禁止」シリーズ著者の小説家デビュー作!

【総合評価】 ☆☆★★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆★★★
 読み易さ ☆☆★★★

【西京極の読後感想】
どんでん返しが妙味の「禁止」シリーズ。その作者の小説デビュー作なので読んでみたのですが…文章は拙く、不要な描写も多く、ページ数の割には読み進めにくい。さらにラストのどんでん返しもない。設定的には長江版の『リング』、あるいは映画『フラットライナーズ』っぽいので、失礼ながらもっと面白く描けたのでは…と思いました。逆に言えば、著者は文章力、ストーリーテリング、アイデア共にその後大きく成長されたという証でもありますね。

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イン・ザ・ミソスープ  村上龍/著  幻冬舎

2018年12月31日 12時20分03秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
夜の性風俗ガイドを依頼してきたアメリカ人・フランクの顔は奇妙な肌に包まれていた。その顔は、売春をしていた女子高生が手足と首を切断され歌舞伎町のゴミ処理場に捨てられたという記事をケンジに思い起こさせた。ケンジは胸騒ぎを感じながらフランクと夜の新宿を行く。97年夏、読売新聞連載中より大反響を引き起こした問題作。読売文学賞受賞作。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
今年の本ベスト3を〆た後ではありますが、12/29から大晦日までの3日間を描いた作品だけに(年末年始に相応しい内容かと言うと微妙ですが…)年内に読んでレビューしておきたかった。で、その内容は出て来る人間は主人公ケンジを始めほぼ全員クソみたいな人物で、猟奇殺人も起きるのですが、不思議に読後感では不快感よりも寂寥感というか虚無感を受けた。その理由は明らかでサイコキラー・フランクに殺される男女がみな日本人の醜い部分を宿している人達で、ケンジが感じたのと同様に僕の中にも「こんなヤツ殺されても仕方ないな」と思う気持ちがあったから。でも恐ろしいのはそんな“殺されても仕方ないクズな部分”が自分の中にもあって、だから自分も殺されるんじゃないかと気付かされるから。そして自分の住むこの日本がそんなクズが増え続けていて、国も社会もそれを助長している。なのにそんな国でこれからも「殺される」と怯えながら生きなければならない  そんな風に感じてしまったからだ。平成最後の大晦日で…やはり相応しいのか、相応しくなかったのか…

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家康、江戸を建てる  門井慶喜/著  祥伝社

2018年12月24日 21時28分46秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
「北条家の関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めつつ、関白豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、湿地ばかりが広がる土地と、豊穣な駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。家臣団が激怒する中、なぜか家康は要求を受け入れる―ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、日本史上最大のプロジェクトが始まった!

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
歴史小説というより、ビジネス書として話題になった本作。家康入府以来の治水事業、貨幣鋳造、水道事業、江戸築城など、日本史上巨大のプロジェクトを章立てで書かれています。それぞれの事業を異能の現場技術者と官僚が遂行していく様は確かに興味深い。江戸を南北に貫いていた利根川を現在のコースである銚子沖まで東進させ、井の頭から江戸市中へ玉川上水を引き、政治・経済の中心を江戸に遷した  これら現在の東京、いや日本の形を創ったのが徳川家康だったのだと再認識させてくれる一冊

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などらきの首  澤村伊智/著  角川書店

2018年12月18日 23時03分54秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
「“などらき”さんに首取られんぞ」祖父母の住む地域に伝わる“などらき”という化け物。刎ね落とされたその首は洞窟の底に封印され、胴体は首を求めて未だに彷徨っているという。しかし不可能な状況で、首は忽然と消えた。僕は高校の同級生の野崎とともに首消失の謎に挑むが……。野崎はじめての事件を描いた表題作に加え、真琴と野崎の出会いや琴子の学生時代などファン必見のエピソード満載、比嘉姉妹シリーズ初の短編集!

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
紹介文にほとんど書かれてますが、『ぼぎわんが来る』『ずうのめ人形』で活躍するオカルトライター野崎と比嘉三姉妹の登場する短編6篇が収録されているホラー短編集。イヤ~な後味の話からちょっと心温まるイイ話まであります。全部が面白いとは言えませんが、一つくらいはお好みの話が見つかるはず。では各話毎の寸評を。

ゴカイノカイ:あるビルの5階だけに怪現象が起こり、テナントが入らない。困った不動産業者の主人公が比嘉真琴に調査を依頼するが、その現象の正体は意外にも…。『ずうのめ人形』に似たタイプの話。ちょっと設定が強引かな?
学校は死の匂い:雨が降るとその学校の体育館では白い服の女が投身自殺を繰り返す。その謎を解き明かそうと小学六年生の比嘉美晴が活躍するお話。いわゆる学校の七不思議的な話だが、著者お得意の表と裏の顔という人の二面性を使ったホラー。後味悪い。
居酒屋脳髄談義:居酒屋で会社の男性上司と先輩社員が酒の勢いを借りて、若手女子社員にパワハラ、セクハラまがいの論争を仕掛けるも、いつの間にやら形勢が逆転し…。ホラーというよりファンタジーなお話で、ブラックに笑えます。どこに比嘉姉妹が出て来るかは読んでみてのお楽しみ。
悲鳴:映画サークルの学生たちが心霊スポットでホラー映画の撮影を始めるが、スタッフの一人だけが奇妙な悲鳴を聴いて…。言霊使いのりーたんって、やっぱり琴子なの?
ファインダーの向こうに:落ち目のベテランカメラマンが心霊スポットで撮影したフィルムの中に一枚だけ写るはずのないまったく別の風景が写っていた。野崎と比嘉真琴の出会いのエピソードであり、とっても良い話。この短編集の中では一番のお薦めです!
などらきの首:あらすじはこの記事の冒頭の紹介文の通り。この謎に高校時代の野崎が挑戦するのだが、ホラーからロジカルな推理モノになり、そして最後は…。

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ミスター・メルセデス(上・下)  スティーヴン・キング/著  文藝春秋

2018年12月12日 21時10分46秒 | 西京極の本棚
       
【紹介文】
暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終った。そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。こいつをこの手で捕らえてやる。決意したホッジズは、孤独な調査を開始した。アメリカ最高のミステリー賞、エドガー賞受賞作。(白石朗:訳)

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
モダンホラーの巨匠・キングが初めて書いた本格ミステリー。退職刑事ホッジズ三部作の一作目。犯人を追うホッジズ側の視点と、次の犯行を目論む犯人側の視点を交互に描きながらストーリーが進行し、そしてラストは…。面白くはあったのですが、キングのいつものパターンで序盤の進行がタルい。下巻から一気に展開がスピーディになるので、そこまで耐えて読み進められれば…。キングの文章に耐性がある人なら楽しめます。次回作『ファインダーズ・キーパーズ』、そしてラスト『任務の終わり』が文庫化されたらまた読みます。

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