李白の白髪  仁目子


白髪三千丈
愁いに縁りて  箇の似く 長(ふえ)た
知らず 明鏡の裡(うち)
何処より 秋霜を得たるか

【 木に縁りて魚を求める 日本流語学 】  その三   仁目子 

2021-06-30 18:55:28 | Weblog
ーー  カタカナ語は、語学音痴の元凶である  ーー    
ーー と、さるとるという人、が言った、的を得た指摘である ーー

『序』

ウエブに、「さるとるのプロフィール」というブログがある。
サルトル、は著名なフランスの哲学家、小説家、劇作家で、
日本でもその名は良く知られている。
1964年文学ノーベル賞に選ばれたが、「いかなる人間でも生
きながら神格化されるには値しない」と言って、これを辞退
した事で有名。

その「さるとる」の名を借りたブログ内容は、やはり、一風
変わっている。

曰く;

《《  『カタカナ語は人類最大の愚行言葉の自慰行為だから原爆が
日本にだけ落ちた』
『カタカナに書き換えてしまうと、もうその時点から日本語
になってしまう。なぜなら開音節のカタカナのようなものは
日本にしかなく、日本人しか読めないから。外国語を勉強せず 
に日本人は日本語の世界だけで生きて行けることになってし
まう。そしてそれが習い性になってしまう。これは自閉の世
界に入ることに他ならない。これじゃ外国語が身に付く訳
がないし。カタカナ語は語学音痴の元凶である。理屈は簡単
であるが、このことは中々理解できないらしい。カタカナが
出来てから久しいのだが』  》》

けだし、的を得た指摘である。その指摘の文中に出て来る「カタカナ語は語学音痴の元凶である」の一言を拝借して、以下のブログ本文の標題とした。さるとる氏のご諒承を乞う為にこの「序」を冒頭に載せた。

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『本文』

日本は、過去千年以上の長期に亙って、漢文、漢語を習って来たが、ついに物にならず、明治以来、徐々に英語に切り換え始めた。

江戸時代、荻生徂来(おぎゅう・そらい、1666-1728)が、漢文訓読法を排斥して、漢詩文は唐音(中国語音)で音読すべきだと主張し、その弟子・太宰春台は、嘗て、漢文訓読の問題点を5つ挙げた。その一つに、「倭訓にて誦すれば字義混同す」というのがあった。

漢文訓読では、原則として漢字(=単語)は音読みではなく日本式に「和訓」(訓読み)を用いて読む。例えば「山」という漢字(=単語)は「サン」ではなく「やま」と読む。この場合、字義に違いは見られない。

しかし、「長」を ( チョウ ) ではなく ( ナガ ) と読んだ場合、両者の字義にかなりの違いが生じて来る。漢字の「長」( チョウ ) には本来意味が多数あるが、訓で( ナガ )に読み替えると、字義は「長い」( ナガイ) の一つにだけ限定されてしまう。

結局、本物の漢字文化は育たず、擬いものの漢字文化は、ついに廃れてしまった。

それで、横文字英語に切り換えてみたものの、「三つ児の魂、百迄で」、英語学習にも「カタカナ」という倭臭をくっつけ、Mc Donalds を英語そのもので覚えず、また音読みのマックダーノも避けて、訓読みのマクドナルドを採る道を選んだ。昔の漢字文化学習と同じ様に、外国語学習の「下策」を取ったわけである。

例えば、観・見・視・看の和訓は、いずれも「みる」です。しかし、これらの漢字音読はそれぞれ異なり、意味も微妙に異なる。和訓で「みる」と読んでしまうと、微妙な意味の差が分からなくなってしまうため、漢文を作るときにも間違った字を使ってしまうことになる。これがいわゆる「倭臭(わしゅう)」です。「倭臭」が混入すると、本格的な漢文とは言い難い。

そのように、始めから、道を踏み違えた為、列島の漢字文化は衰退せざるを得なかった。

今日の英語学習に伴う「倭臭」の問題は、それよりももっと深刻である。

例えば、マクドナルドという、完璧な倭臭発音は、如何なる状況の下に置いても英語として通用する事は有り得ない。のみならず、列島に於ける Mc Donalds の倭臭発音は、人により異なり、約十近く有る、それらも、時間の移り変わりで、内訳もまた大きく移り変わる。

下記のウエブ検索を参照すれば、良く分かる。

 検索   2015 年 10月 3日    2016 年 8 月 23 日

マクドナルド 16、400、000 件   21、500、000 ( + )
マック    14、800、000    87、000、000 ( + )
マックダーナ  7、900、000       18、000 (ー)
マクド       837、000    2、000、000 (+ )
マクダーノ       610          201 (ー)
マックダーナルズ    386         352 (ー)
マックダーノ      86           52 (ー)

英語のMc Donalds は、終始変っていないのに、なぜ、日本語読みは変わる? と、思うだけで、列島語学の摩訶不思議に気が付く。

次に、Mc Donalds は中国語で「麦当勞」( マイタンダウ) に訳して使っている、然も、十数億の民が、国内外を問わず「麦当勞」一本で通している。人口十分の一しかない列島で、なぜ、十近くの異なる発音を必要とするのか?

その所に、唐土人と列島人の、語学力の違いの原点をはっきり見る事ができる。

真面目に、英語を習うなら、Mc Donalds という横文字をそのまま覚え、そして、原音に最も近いマックダーノで音読すれば、世界中何処でも通じる。

しかし、日本人は臍曲がりが多いから、その逆の道を歩く。だから、上述の数字表に出ている如く、マクドナルド 21、500、000 件に対して、マックダーノは僅かの 52 件しかないという、世にも奇妙奇手烈なる、外国語の学習姿勢が世間を驚かせる ( 奇を衒う為か ) 。

昔は音読を避け、訓読みという「倭臭」に縋り付いて、列島は、千年以上を費やした漢字文化を駄目にしてしまった。同様に。今は、原語読みを避け、カタカナ読みの「倭臭」に縋り付いて、英語を覚えようとしている。

そのような擬い物学習姿勢で、漢語同様、英語を物にする事は勿論望めない。

しかし、倭臭に執拗に執着する日本人の語学は、自他共に認める「音痴」の域から脱する事が出来ない「さだめ」を荷なっているようである。

ーー   外国語を勉強せずに日本人は日本語の世界だけで生きて行けることに
      なってしまう。そしてそれが習い性になってしまう。これは自閉の世
      界に入ることに他ならない。これじゃ外国語が身に付くがないし。
      カタカナ語は語学音痴の元凶である    ーー

さるとるよ、良くぞ言いましたね !

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