第三話 Cool Japan の意味
ーー 格好いい 、とは 何の事 ? ーー
ーー チグハグも良いところ ーー
「格好」という言葉について、国語辞書に次のうような解説が出ている;
1 外から見た事物の形。姿。また、身なり。
2 人に対して恥ずかしくない姿・形。整った形。体裁。
3 物事の状態。のようなようす。
4(年齢を表す語に付いて)年齢がだいたいそのくらいであること。
ちょうどその年くらいのようすであること。
同じ国語辞書は次のように解説している ;
1 地位。身分。また、等級。「格が上がる」
2 物事の仕方。流儀。「その格で行くと川へ落ちれば必ず死ぬ事になる」
3 決まり。規則。法則。「格ニハズレル」
4 《case》文法で、名詞・代名詞・形容詞などが文中においてもつ他の語との関係。主格・所有格・目的格など。いくつの格が立てられるかは言語によって異なる。
5 論理学で、三段論法の形式。大前提と小前提に共通の媒概念(中概念)の位置によって定まる。
このような解説で見る限り、地位、身分、等級などを意味する「格」が、あたかを意味する「恰」の字に取って変われられるような因素は見当たらない。
では、なぜ、「恰好」を「格好」に書き換える必要があるのか、という疑問が生じる訳だが、これは、筆者(私)の手に負えない難問だから、扨置 ( さてお) く。
ここで言いたいのは、「格好」という言葉自体すでに「好い」という意味を含んでいるのに、それに「好い」を更に継ぎ足して「格好が好い」という日本語を作り出すのは、可笑しい用語になる。恰度、外国人が「天丼」を「テンドン丼」と言って注文するのに似ている。又、「チャンコ鍋」という用語の「チャンコ」は中国語の「雑煮鍋」の倭読に更に鍋を付け加えたもので、何ともチグハグである。
外来語取り入れ文化の特徴であり、横文字外来語にも同じようなチグハグが良く見られる。「今日は、皆様大変ビジーでお忙しいところをわざわざお越し下され、厚くお礼申し上げます」などと「b u s y と忙し」を重ねた挨拶を時折拝聴することがある。これも、チグハグである。
NHKに、「cool Japan 」という、「 格好いい日本 」を、外国に紹介する TV 番組がある。台湾や中国にも, 似たような、外国人を集めた TV 座談の番組がある。が、彼等の番組は外国との交流に重点を置いているが、NHK の番組は日本を外国に紹介するもので、所謂一方通行の番組に重点を置いている点で、大きく異なるが、だから、わざわざ英語で、cool Japan と言う番組名にしている。
そればかりではない。台湾や中国の番組は、参加者司会者全て漢語 ( 北京語) 使用で、台湾の場合は北京語の他に台湾語も入るが、何れにしても現地の言葉使用である。一方、NHK の方は現地の日本語ではなしに、英語を使用している。外国人に見せる為に企画した番組という事が一目了然である。
NHKの番組参加者はざっと見ても十か国の国籍に分かれているが、全員流暢な英語で喋っているのに、司会者 ( 日本人) だけが日本語で応答し、陰の声で通訳している。どうしてだろうか。
「Cool Japan 」という勿体ぶった名前で外国に、「格好いいニッポン」を広告宣伝するなら、一寸垢抜けのした、英語が流暢に喋べれる「格好いい司会者」を出さなければ詠い文句とはチグハグだ思われるのではないか、外国人に見せる為の英語番組に、英語の達者な司会者も出せないでは、「格好」( 外見 ) だけはよく見えても、中身は大した事がないと誰しも思うだろう。
「格好」という言葉の語源が、外来言葉の「恰好」であり、その原義が「恰度好い」であるのに、その「恰好」を「格好」に書き換え、そして「格好好い」という用語を作り出す列島の文化は彼方此方にチグハグの特徴が見られる。
C o o l J a p a n という勿体ぶった英語番組の司会者が英語喋らないというのもそのチグハグ文化の一つの顕著な表われだと言えるようだ。十か国の人が一堂に会して、英語で座談をしている、一人日本人司会者だけ英語が喋れない、もしくは、喋らない。どこが「格好いい」のかと思う。
そして、何よりも、気取る事にばかり気を取られ、口を開かずに「語学」を習得しようとする日本の風潮が TV 番組にもそのまま現れている。どこが、格好いいのかと思う。
ーー 格好いい 、とは 何の事 ? ーー
ーー チグハグも良いところ ーー
「格好」という言葉について、国語辞書に次のうような解説が出ている;
1 外から見た事物の形。姿。また、身なり。
2 人に対して恥ずかしくない姿・形。整った形。体裁。
3 物事の状態。のようなようす。
4(年齢を表す語に付いて)年齢がだいたいそのくらいであること。
ちょうどその年くらいのようすであること。
同じ国語辞書は次のように解説している ;
1 地位。身分。また、等級。「格が上がる」
2 物事の仕方。流儀。「その格で行くと川へ落ちれば必ず死ぬ事になる」
3 決まり。規則。法則。「格ニハズレル」
4 《case》文法で、名詞・代名詞・形容詞などが文中においてもつ他の語との関係。主格・所有格・目的格など。いくつの格が立てられるかは言語によって異なる。
5 論理学で、三段論法の形式。大前提と小前提に共通の媒概念(中概念)の位置によって定まる。
このような解説で見る限り、地位、身分、等級などを意味する「格」が、あたかを意味する「恰」の字に取って変われられるような因素は見当たらない。
では、なぜ、「恰好」を「格好」に書き換える必要があるのか、という疑問が生じる訳だが、これは、筆者(私)の手に負えない難問だから、扨置 ( さてお) く。
ここで言いたいのは、「格好」という言葉自体すでに「好い」という意味を含んでいるのに、それに「好い」を更に継ぎ足して「格好が好い」という日本語を作り出すのは、可笑しい用語になる。恰度、外国人が「天丼」を「テンドン丼」と言って注文するのに似ている。又、「チャンコ鍋」という用語の「チャンコ」は中国語の「雑煮鍋」の倭読に更に鍋を付け加えたもので、何ともチグハグである。
外来語取り入れ文化の特徴であり、横文字外来語にも同じようなチグハグが良く見られる。「今日は、皆様大変ビジーでお忙しいところをわざわざお越し下され、厚くお礼申し上げます」などと「b u s y と忙し」を重ねた挨拶を時折拝聴することがある。これも、チグハグである。
NHKに、「cool Japan 」という、「 格好いい日本 」を、外国に紹介する TV 番組がある。台湾や中国にも, 似たような、外国人を集めた TV 座談の番組がある。が、彼等の番組は外国との交流に重点を置いているが、NHK の番組は日本を外国に紹介するもので、所謂一方通行の番組に重点を置いている点で、大きく異なるが、だから、わざわざ英語で、cool Japan と言う番組名にしている。
そればかりではない。台湾や中国の番組は、参加者司会者全て漢語 ( 北京語) 使用で、台湾の場合は北京語の他に台湾語も入るが、何れにしても現地の言葉使用である。一方、NHK の方は現地の日本語ではなしに、英語を使用している。外国人に見せる為に企画した番組という事が一目了然である。
NHKの番組参加者はざっと見ても十か国の国籍に分かれているが、全員流暢な英語で喋っているのに、司会者 ( 日本人) だけが日本語で応答し、陰の声で通訳している。どうしてだろうか。
「Cool Japan 」という勿体ぶった名前で外国に、「格好いいニッポン」を広告宣伝するなら、一寸垢抜けのした、英語が流暢に喋べれる「格好いい司会者」を出さなければ詠い文句とはチグハグだ思われるのではないか、外国人に見せる為の英語番組に、英語の達者な司会者も出せないでは、「格好」( 外見 ) だけはよく見えても、中身は大した事がないと誰しも思うだろう。
「格好」という言葉の語源が、外来言葉の「恰好」であり、その原義が「恰度好い」であるのに、その「恰好」を「格好」に書き換え、そして「格好好い」という用語を作り出す列島の文化は彼方此方にチグハグの特徴が見られる。
C o o l J a p a n という勿体ぶった英語番組の司会者が英語喋らないというのもそのチグハグ文化の一つの顕著な表われだと言えるようだ。十か国の人が一堂に会して、英語で座談をしている、一人日本人司会者だけ英語が喋れない、もしくは、喋らない。どこが「格好いい」のかと思う。
そして、何よりも、気取る事にばかり気を取られ、口を開かずに「語学」を習得しようとする日本の風潮が TV 番組にもそのまま現れている。どこが、格好いいのかと思う。