旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

ちはやふる電車で爽風の湖岸を往く 京阪・石山坂本線を完乗!

2016-05-14 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 京阪電鉄石山坂本線に広瀬すずちゃんが走っている。
『ちはやふる』電車が走るのは、彼女たちが目指す聖地・近江神宮前を走るからだ。
ところで私が映画や彼女のことを知るわけではない、すべて息子の受け売りなのだ。

石山寺は聖武天皇が開基した由緒ある寺院、紫式部が「源氏物語」を書いた地と伝わる。
美しい均斉美をもった多宝塔下の奇岩は、石山寺の名の基になっている。
ちょうど秘仏として安置されている本尊「如意輪観世音菩薩」33年振りの御開扉期間。
とても幸運な訪問となった。

      

石山坂本線は、石山寺を起点に琵琶湖南岸を大津市街地を抜けて比叡山麓の坂本に至る。

      

近江神宮前止まりの電車をやり過ごすと、幸運にも『ちはやふる電車』が入線してきた。
ヘッドマークに広瀬すず、車両にはイラスト、車内には漫画の名場面集が描かれる。
ファンには乗ってみたい車両なのだろう。

路線は全線複線、時折路面電車よろしく道路上の軌道を走る。
湖岸を走る平坦な路線かと思いきや、近江神宮から先は標高を稼いで坂本駅に終着する。

延暦寺の門前町坂本は「山王さん」の愛称で知られる日吉大社や延暦寺の里坊が並ぶ町。
玄関口の坂本駅は門前町には意外な瀟洒な駅舎だが、なんだか町並みに溶け込んでいる。

坂本は穴太衆積みの石垣の町でもある。穴太衆とは坂本の穴太の里の石工集団。
延暦寺の石工工事や安土城の石垣工事を担ったと云われる。

 

 「山王さん」こと日吉神社は京の都の鬼門を守る方除・厄除の大社。
日吉神社は全国3,800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮だそうだ。
西本宮楼門は重要文化財、その奥の西本宮本殿は国宝に指定される。
ここでは猿は「神猿(まさる)」と崇められ、「魔が去る・何よりも勝る」と縁起物だ。
楼門の軒下四隅にも屋根を支える「棟持ち猿」が彫られている。

 

 坂本で知られた名物そば処、享保初年(1716年)から300年続く「本家鶴喜そば」に伺う。
30名ほどの列、さほど待たないの姐さんの言に待つこと20分、庭を望む座敷に通される。
今日の一杯「松の司 純米吟醸 楽」は、ほのかな香りの優しい味わいの酒だ。

 

ほどよく喉がうるおったら、辛味の紅葉おろしを利かせた「割子そば」をいただく。
庭先から比叡山を下りてくる爽やかな風に吹かれて、心地よいひと時なのだ。

京阪電鉄石山坂本線 石山寺~坂本 14.1km 完乗

FLASH / Perfume



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