思考の踏み込み

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それ以前5

2013-12-04 08:17:45 | 
我々はいかにして自分が自分であることを自覚するのかー
自己と他者をいかにして分かつというのか。



例えば目が見えず、耳も聞こえず、ということは人間には起こりうることだ。
あるいは神経の麻痺による知覚機能の欠如、いわゆる五体の欠損や五感の不具… 。
しかし、それでも我々が人間であることに変わりはない。つまり、"自我"を有する存在であるということである。

それは植物人間だろうが、認知症だろうがそのことに変わりはなく、揺るぎない一個の尊重されるべき人格である。

だが果たして ー
その命以前の世界とは、どうゆうものなのだろうか ー ?

霊的世界や精神的な解脱をした世界、宗教家が神界と呼んだりするある種の無意識の世界、これらでさえ、ここでいう "それ以前" ではない。
全てそれ以後に生まれた世界である。

だが、想像してみようー

地上に生命が誕生する以前、いや地上 (宇宙というべきか) すらまだ生成する以前の世界にあって、そこに在るモノは何の方向性も秩序も持たない、ある種のエネルギー (力) だけであっただろう。




想像してみようー
そこがどんなに暗く、悲しく寂しい世界かを。


あらゆる五感とその感覚の記憶すらなくなってしまえば、自己と他者を分かつ術はなく、この世界に近い状態になるかもしれない。
そうなればもはや自我などは成立しない。



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