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思考の踏み込み

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ジン祭り3

2014-05-08 06:04:46 | グルメ
続いて瓶形にひかれたこれ。

グリンダーグランド ドイツジン。81ボドリングで175周年記念ボトルだそうだ。

後ろに日本酒が見えてしまっているが、これは祭りメンバーが日光ツーリングのお土産で持ってきたものでカスクドールとは一切関係ありません。

ところがこのグリンダーグランド、雰囲気が日本酒にそっくり。

静かで大人なジンとでもいうか、わざわざ自己主張してこない、そんな第一印象。

ところが口開けボトルだったこともあるのか、二口目、三口目と進むごとに味が毎回変化する。
これには驚いた。
奥の方の甘みや苦味が、スッと気ままに顔を出してきてこのお酒の懐の深さを感じる。

ふと横を見たら女性氏、何かまた頼んでる。


バニラエッセンスのガリアーノをフロートさせたミルク系のカクテル。

何をチャラいモノを、と思いながら気になってまたちょっと貰う。おいしい…。

ならばこちらもエース級に登場して頂こう。

ボンヴェイオールド。



そもそもジン祭りのきっかけは以前に、このお酒をテイスティングさせて頂いた時の感動に始まっている。

ジンの持つ長所を全て引き出して、そして余分なモノは省いた完璧なバランスの作品。

美味しいより "美しい" と感じてしまう一杯。










ジン祭り2

2014-05-08 06:03:39 | グルメ
ジン祭りを始める前にまずはスタンダードにジントニックで一杯。

といっても一般的なジントニックよりカスクドールのモノは美味しい。

マスターのライムの絞り方が最近変わったが、そのことでより無駄な雑味が取り除かれているからかもしれない。



今回は女性が一人参加。
しかしジン祭りに参加したいというほどでもないようなので何かフレッシュフルーツ系を頼んでいたが、美味しそう。
てか美味しかった。
ブルーベリーを使ってシャンパンでフルアップしたみたいだけど一口頂いてしまった。

ここでもう一人の祭りメンバー遅れて到着。
祭り囃子が鳴り始める。



まずはビーフィーターから。
一番左が現行品で右手のリッターボトルが一番古いが年代を忘れてしまった。

たしか80年代くらいじゃなかったか?適当な情報で申し訳ないがとりあえず常温で頂く。

ジン独特の華やかで鮮やかな香りの線の束が、ハッキリと主張している。

カクテル用に冷凍保存した現行品と比べると一目瞭然。
ただ現行品も時間がたって温度が上がってくると閉じていたモノが開いてきて、オールド物の味に寄ってくるが、香りの良さの違いは如何ともしがたい差がある。






ジン祭り

2014-05-08 06:02:43 | グルメ
カスクドールでジン祭りです。



ジンてそもそもどーゆうお酒かまず整理。

ジンの起源は11世紀頃イタリアの修道士が作り出し始めたものらしい。

それが17世紀くらいになると、オランダで利尿剤として研究され進化し、薬用酒から一般酒へと変化していき、特にイギリスに渡って大きく人気を呼んだといわれる。

穀物 ー 大麦、ジャガイモ、ライ麦などを原料として、糖化発酵させて蒸留し、さらに香り付けに木の皮や草や根を使い再蒸留したお酒。

香りや色を付けたリュキュールタイプのモノもジンと呼ぶので、無色透明なベーシックなものを特にドライジンと言って区別しているようだ。

そのドライジンで杜松の実 (ジュニパー・ベリー) を使っているものがオランダ系のジュネヴァジン。
イギリス系をロンドンジンと呼ぶ。



この "ジュニパー" あるいは "ジェニエーヴル" が縮んで "Gin" になったと言われるようだが、ともかくもオランダで生まれイギリスに渡ってジンは大きく洗練され質の高いモノへと変わって行った。

やがてそれはアメリカに渡り、カクテルベースのお酒として脚光を浴び、名酒としての地位を得る。

現在のジンは逆にカクテルベースのためにしか存在しないとさえ言えるほどに、そのための安易な質に落ちている。
大量生産を優先させ、イギリスで洗練されていった当時の厚みも深みも失っていっている。
(商業主義を優先させた質の堕落はモルトと同じだが、残念きわまりない)

今回はそうなる以前の、あるいは手に入る範囲で限りなく ー その頃の栄光あるジンに近いと思われる幾つかを飲んでみようジャンカという会です。



ふらりとー 3

2014-04-22 05:45:10 | グルメ
せっかくなのでヘミングウェイの愛した酒を飲んでみよう。

ダイキリ。

彼が飲んでいたのはフローズンダイキリだが、フローズンではなくノーマルダイキリを注文した。



二杯目はマスターが作って下さった。

またヘミングウェイの言葉が浮かぶ。

" 氷山の威厳はそれが水面上に僅かしか出ていない事による ー "

バーテンダーの仕事も似ているかもしれない。
「寿司」でも投稿したが、カウンターの内側や客から見えないところでの一杯に対する追求があるから、出された酒に威厳が漂う。

オーセンティックバーの持つ緊張感の大元もそこにあるだろう。

(だとすると、お茶の系譜より寿司の文化の流れなのかもしれないとか考えたりもする。)

特にトゥーのマスターは女性で、しかもお綺麗な方だから、純粋に酒の技術で勝負したいという想いを遂げるにはご苦労されたのではないだろうか。

だがもちろんそんな気配は微塵も感じさせはしない。

さて、一見だしお店も混んできたし、サクッと三杯くらいで帰るのが良さそうだ。

最後はドライマティーニを。



ヘミングウェイのように極端なドライではないが、私もドライが好き。
ジンはこの日はサファイア。

不思議だったのはドライの中にやはり柔らかさがあること。
それはけして物足りなさではない。
今まで経験した事がないので新鮮な感覚だった。

やはり女性独特の優しさと見る他ないのではないかと今の段階で思っているが、どうだろうか。

同じレシピ、手法、スタイルでも作り手によって味の印象が変化する事はカクテルの楽しみの一つであろう。

ともかくもまた行きたいお店です。



ふらりとー 2

2014-04-22 05:43:37 | グルメ
一杯目が終わる頃、マスターがお見えになった。

ずっとお一人で営業されてたと聞いていたので、聞けば最近ようやくスタッフをお一人加えられたとのこと。



マスターがいらっしゃってさらにお店に心地よい緊張感が漲る。

オーセンティックなバーにおけるこうした緊張感はおそらく日本独特のものだろうと思う。

それは茶道における茶席の緊張感に似て自分には心良い。というか日本のオーセンティックバーはその文化の要素を引いた一形態とみる方が正しいのではないだろうか?

といっても私はお茶をやっているわけでもないし、バーホッパーなどでもないからいろんなバーについて詳しいわけでもない。

ただ今回は感じたままに書いているだけである。


バーをあまり知らない人々には、そんな緊張感は邪魔なだけかもしれないし、普通のバーとオーセンティックと呼ばれるお店の違いが何なのかもわからないかもしれない。

たしかヘミングウェイは "魂の為には一日の中で、二つほど嫌な事をする事は良いことだ" とかいう内容の事を言っていた気がする。



それはつまり自己に対して負荷をかける、という事だろう。
負荷が "かかる" ではなく、自ら負荷を "かける" のである。

オーセンティックバーにおける緊張感もその意味で近い要素を持つ。
そして緊張感を持って味わうと、腰が自然と伸びて身体感覚は微妙に変化し、酒の印象も変わるものだ。

でなければ酒など家で飲めばいい。

そんな事をフワフワと考えていたら、二杯目はどうされますか?との問い。

うーん、まったく考えてない。
だが次何にするか迷うこともバーでの楽しみの一つだろう。