IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

読書の秋はとっくに終わりましたが

2004-12-17 18:17:32 | ニュース
最近、日本から買って返ってきたものも含めて3冊の本を同時進行で読んでいるのだが、どれもなかなか面白く、このブログで少しだけ触れておこうかなと思う。どれもそれぞれテーマはバラバラだけど、寝る間を惜しんでも読むに値すると個人的には思ったので、最近読んでる3冊の本をここに記しておきます。

分断されるアメリカ: サミュエル・ハンチントン著
サッカー移民: 加部究著
食肉の帝王: 溝口敦著

自分で言うのもなんだけど、よくもまぁこれだけ読む本のテーマに一貫性が無いなぁと溜息が出るが、意識的にしろ様々な分野の話に耳を傾けておかないと、1つの視点でしかモノが見えなくなると思うので、読書の時には今まで自分が全然興味を示さなかったテーマの本を読もうと心掛けているのだ。それはそれで、結構難しいことなんだけど。

でも、今日ここに紹介した3冊の本は、それぞれのテーマがアメリカ的価値観、サッカー、大阪(本当に大まかに言えば)だから、僕にとってはそれほど新しい分野じゃない。前のパラグラフで格好のいい事を言ってしまったが、今回に関しては自分にとってそれほど目新しいテーマではない。しかし、この3つがそれぞれ3通りの面白さを見せてくれているので、少しだけ本の紹介をしておきます。

1冊目の「分断されるアメリカ」だが、正直なところ、まだ最初の30ページほどしか読んでいないので、これといったことを書くことは不可能だ。しかし、著者のサミュエル・ハンチントンには個人的に思い出があって、911テロ直後に(当時の僕はボストンに住んでいたのだが)「文明の衝突」を書いたハンチントンに対して、学生らを中心としたグループがハンチントンの職場であるハーバード大学前でデモを行っていたことを思い出す。ある意味で、今のアメリカの象徴的存在であるハンチントンの考えを、ブッシュ政権2期目直前のこの時期に知るのも悪くない。

「サッカー移民」を購入したのは、もう半年以上も前の事で、実は以前に一度読み終えていた本なのだが、先週末に帰ってきて以来、何となく再び読み始めてしまったのだ。本の中では、ブラジルの日系人サッカーリーグのことが詳しく書かれており、「ジーコ以前」に日本にやってきたネルソン吉村やセルジオ越後らの半生も紹介されている。そして、Jリーグ開幕後にやってきたサンパイオのようなスター選手や、最近活躍中の闘莉王マルクスのエピソードなどもあり、日本とブラジルがサッカー以外でも繋がりが深いことを改めて実感した。僕は小学生時代に参加した青空サッカー教室で、生前のネルソン吉村さんに会ったことがあるが、メチャメチャ格好よかったネルソンさんの姿は今でもはっきりと覚えている。

3冊目の「食肉の帝王」は以前から雑誌等の書評で面白そうなものだと思っていただけに、帰国2日前に買って以来、1日20ページほどのゆっくりとしたペースで読んでいる。1冊目同様にまだ完全に読み切れていないため、感想らしきものも書けないのだが、関西の裏社会うんぬんよりも、人物伝として読むとかなり面白いのだ。政治家やゼネコンといったありきたりのテーマではなく、食肉業界に視線を向けた新鮮さにも感服。

来年度からメジャーリーグのモントリオール・エキスポスがアメリカの首都ワシントンに本拠地を移し、ワシントン・ナショナルズとして生まれ変わることが決定しているが、ここにきて雲行きが怪しくなってきている。球団誘致を積極的に行っていたワシントンのウイリアムズ市長はモントリオールから球団を引っ張ってくる際に、数年後の新球場建設に市側が建設費を全額負担すると公言していたものの、メジャーリーグ機構側がワシントンへの移転を承認する前後から市議会内の反対勢力が大きくなり、市長も前言を撤回してしまったからだ。

現在、市側が機構に対して提案した妥協案では、400億円になる建設費の半分を市が捻出し、残りの半分を民間企業や投資家などから募ろうというもの。移転決定後に市側が大幅な条件の変更を求めてきたために、機構側は怒り心頭で、場合によってはエキスポスのワシントン移転が白紙撤回される可能性がでてきた。移転が決まる前、ワシントンと北バージニアはそれぞれ積極的な誘致活動を展開してきたが、これで白紙撤回なんかになったら本当に情けない。

新チーム名もナショナルズに決定し、水曜日には市内のスポーツレストランで来年度から使用するユニフォームのお披露目会が計画されていたが、一連の騒動で会は延期となっている。熱烈な野球ファンの中には、すでに年間シートの前払いを済ませた者もいるようで、今後大きなトラブルに発展する恐れもある。ウィリアムズ市長の提案した4万1000人収容の新球場建設に民間企業からの助けが得られないとすれば、市側は税率のアップなどで資金を調達する可能性もあるが、その場合にも市長の政治生命が危うくなることは必至だ。どうすんだい、市長!

延滞料金×29年

2004-12-16 15:10:13 | ニュース
アンディ・ウォーホールは「人間は誰でも15分間だけ有名になれる」と名言を残したが、彼の言葉にも一理あるようで、大統領選挙が終了してからブッシュ大統領の双子の娘を覚えていた人はどれくらいいるのだろうか?僕も存在をすっかりと忘れてしまっていた1人なのだが、今日久しぶりにブッシュ・ツインズの近況を知ることが出来た。

ブッシュ大統領の長女ジェナは、大統領選挙中にキャンペーンの手伝いを始め、メディアへの露出も多かったため、全国的に知られる存在となったが、大統領選挙後の見のふり方をついに決断したようだ。今日のワシントンポスト紙によれば、ジェナはワシントンで生活を続けることを決断し、市内の公立学校で教師として働こうと決心した模様。

大学で英語を専攻したジェナは以前から低所得者が住む地域で教師として働いてみたいと希望していたようで、以前はニューヨークのハーレムで働くことも、彼女の頭の中にはあったようだ。現在、ホワイトハウス側はジェナがどこの学校で働きたいと希望しているのか明らかにはしていないが、ワシントンポストが得た情報では、ワシントン市内のコロンビア・ハイツ地区にあるチャーター・スクールが最有力候補なのだとか。ジェナはすでにこの学校に願書を送ったものと見られる。学校側はプライバシーの問題もあるとして、ジェナ・ブッシュに関するコメントを控えている。どうせ英語を教えるんだったら、ワシントンの経済的に恵まれない子供よりも(もちろん、それだって大切なことだけどさぁ)、ペンシルバニア通り1600番地に住んでる英語の苦手なオヤジさんにレクチャーしてあげればいいいのに…。余計なお世話ですけど。

この学校の生徒数は250人ほどで、幼稚園児から小学校6年生までが学んでいるとの事。生徒のほとんどは黒人とヒスパニックで、生徒達は外国語教育(スペイン語やフランス語)を受けたり、コミュニティ・サービスに参加してホームレスにスープを配ったりすることで知られているらしい。妹のバーバラはの今後の予定は明らかになっていないが、知人らの話では、東ヨーロッパかアフリカでエイズの子供達のために何か成し遂げたいのだという。

ジェナちゃんには頑張ってコロンビア・ハイツでの仕事を続けてほしいと僕は思ってる。あくまで、採用されたらの場合。通りでの発砲事件が毎週のイベントのようになっている地域で、オヤジさんが規制に反対する銃の社会的役割を学んでいただきたい。残念なのは、どうしてもそこまで気が回る子には見えないことなんだが。バーバラもアフリカや東欧じゃなくて、イラクやアフガニスタンで救済活動でもしますって言ったら、それこそ「座布団3枚!」みたいな感じで、拍手喝さいだったのかもしれないのに、これじゃあ金と暇をもてあましたヒトの社会見学にしか過ぎないんじゃない?

世界最大のビデオレンタルチェーンとして知られるブロックバスター社は火曜日、来年1月1日から延滞料金を廃止すると発表した。これはビデオだけではなくDVDやテレビゲームにも適用されるらしい。またレンタル期間も従来より長めにする方向で話し合いが行われているそうで、ビデオ(DVD)とテレビゲーム共に1週間のレンタルが基本線となりそうだ。

今回ブロックバスター側が考えた延滞料金廃止プランでは、顧客が返却期間を過ぎても1週間の猶予期間を与えられるというものだが、猶予期間を超えた場合には商品の購入が義務付けられることとなる。アメリカのビデオレンタル産業は現在も激しい生存競争が展開されているが、最近では顧客の自宅にレンタルDVDが郵送されてくるビジネスも急成長を見せており、新しいビジネス展開を求められたブロックバスター側の動きが注目される。僕は1日遅れでの返却が結構多いんだが、この29年の人生で支払ってきた延滞料金を合計したら、どえらい金額になりそうだ。そう考えたら、延滞料金の廃止はビジネス面で凄くリスキーな感じもするのだが…。

今晩、サッカーの日本代表対ドイツ代表の試合があるそうだが、アメリカでは放送予定も無いようで(僕の調べた限りでは)、インターネットで結果を見るだけになりそうだ。もちろん、日本代表には気合を入れて頑張ってほしいが、今回は僕も少し滞在した事のあるドイツが相手だけに、ドイツにも頑張ってほしい気分。クリンスマン新監督は2006年W杯の自国開催のプレッシャーを跳ね返せるだろうか?ここは外野の口出しがうるさい国だけど、ぜひ最後まで頑張ってほしい。

ワシントンで監督就任前のクリンスマンを見た事があるが、外交官としても十分やっていける人物なだけに、今までのドイツ人監督ができなかった事をどんどんと代表チームに持ち込んできてほしい。奥さんと子供を残して、生活拠点のあるカリフォルニアとドイツの行ったり来たりするのは大変なことだが、ドイツフットボール史上最大の低迷期に直面している今、本当に新しいことができる人物は彼しかいない。今夜は8年前にミュンヘンでもらった彼のサインを枕元において寝ようかと思う(もちろん、日本代表も応援してるけどね)。

僕がミュンヘンに滞在した8年前、バイエルン・ミュンヘンはほとんどのドイツ代表選手と何人かの2流外国人選手で構成されるチームだったが、そのころの選手の多くは引退しており、時代の流れを感じずにはいられない。その当時主将だったクリンスマンは、いまやドイツ代表の監督…。中学時代の憧れだったジーコも日本代表の監督ということで、もうじき30になることを改めて実感した。

ステロイド

2004-12-15 15:52:36 | ニュース
3日前に無事にワシントンに戻ってきたのだが、2週間の日本滞在中に風邪にやられてしまい、日本を離れる当日の朝も絶え間なくたれ流れてくる鼻水と格闘する情けない始末。日本滞在中の最後の3日間の思い出が鼻水しか浮かんでこないほどの凄まじいもので、本当に鼻水だけで体重が1キロくらい減ったのではと感じる(鼻水の話ばかりで、食事中の方にはスミマセン)。アメリカに向かう機内のトイレの鏡で自分の顔を見ると、スキー場で日焼けをしたかのように自分の鼻の周りの皮(とりわけ、鼻の穴に近い部分)がめくれていた事に気付き、ちょっとばかし驚いてしまった。ティッシュペーパーを使って鼻のかみすぎたため、こんなことになってしまったようだ(自己診断)。

機内では僕の横に団体ツアー客の方々が座られたのだが、これがテレビのドラマでもなかなか見れないような「大阪のオバちゃんオーラ」を強烈に放出していて、機内で寝ることだけを楽しみにしていた僕は、離陸数分後に話しかけてきたオバちゃんに答えたが最後…、乗換地のデトロイトまでオバちゃんの話に付き合うこととなった。体調がよかったら全然問題ないのだが、風邪をひいた状態で大阪のオバちゃんの話に12時間付き合うことがこんなに体力を要するものだとは知らなかった。

アメリカに帰ってきたばかりだというのに、さっそく悪い話に見舞われた火曜日の朝だった。悪い話というのは何も悪化するイラク情勢のことではなく(逆にイラク情勢でいい話を聞いた人はいるのだろうか?)、スコット・ピーターソンの妻殺しに関するニュースでもなく(まだやってるんだな、これが…)、われらがボストンレッドソックスに関するものなのデス。こうなる覚悟はしてたけど、とうとうペドロ・マルチネスがニューヨーク・メッツへの移籍を決めたらしい。ヤンキースじゃないだけいいと僕の友達は言うけど、それでもボストン投手陣の大黒柱だったペドロが抜けるのは悲しいものだ。最近は衰えも指摘されていたが、あのキャラがシェイ・スタジアムにマッチするのだろうか?ビジネス上の決断とはいえ、1ファンの気持ちとしては、引退するまでボストンに残っていてほしかった。

どうせだから、ボストン関連でもう1つ。ボストンの主要紙といえば、ボストングローブとボストンヘラルドの2紙が全国的には有名だけが、実はアメリカで全国的な知名度を持つクリスチャンサイエンス・モニター紙もボストンの新聞なのだ。先ごろ、アメリカの調査機関が政府職員や企業の管理職、報道関係者ら45万人を対象にアメリカ国内メディアに関する調査を実施したが、その中でクリスチャンサイエンス・モニター紙は「最も信頼のおける」媒体に選ばれている。余談だが、僕の尊敬する櫻井よしこさんも同紙の東京支局に勤務していた事がある。( http://www.csmonitor.com/ :モニター紙のホームページ)

この新聞、機会があればぜひ読んでほしいのだが、ニュースが消費品として扱われる現在において、独特のスタイルを貫いているのだ。もちろん日々のストレートニュースも報じているんだけど、長い時間をかけてジックリと取材したストーリーが毎日のように紙面を飾っており、ルポ的な内容が多いことに気付くだろう。別に宗教がかった内容でもないし、ジャーナリズムとしてはかなり良質かなと思うのだ。

そんなクリスチャンサイエンス・モニターが月曜日に掲載したドーピングの記事は面白く読ませてもらった。最近はメジャーリーグの大物選手(こちら実名があげられている選手としては、ジャイアンツのボンズやヤンキースのジアンビらがいる)のステロイド剤使用疑惑が話題になっていて、ニューズウィークなんかは高校生らのステロイド剤使用に関する特集を打ち出したほどだ。モニター紙の記事も中高生の間で広まっているとされるドーピング剤に関するものだったが、実際にここまで若年層にステロイドが認知されているとは知らなかった。

全米薬物中毒研究会(スゴイ名前だけど、本当にあるんです)が発表したデータは非常に衝撃的な内容で、約50万人の高校生が過去に少なくとも一度はステロイド剤の使用があることを認めている。また、調査に参加した中学生の間でも、プロフットボールをテレビで見る学生の87パーセントがバルコ社のドーピング問題について認識があると答えており、若年層の間でドーピングの習慣や知識が予想以上に広く浸透していることが明らかになっている。

政界では早くからドーピング問題に対するアクションを起こすべきとの声があがっており、ブッシュ大統領は一般教書演説の中で米野球界がドーピングに対してより厳しい態度でのぞむべきと語り、共和党のマケイン議員は反ステロイド法案を提案している。ギャロップ社の調査に答えた86パーセントは、メジャーリーグ機構が来季もっと厳しいドーピング調査をすべきだと答えている。アメリカの中学や高校では長い時間をかけて薬物の危険を訴えるクラスが定期的に開かれ、生徒達の間でコカインやヘロインといった麻薬が本当に危険なものとの認識が広まったが、ステロイド剤などの危険性についても学校内での教育が必要なようだ。

アメリカの子供はステロイドで生まれ変わったアスリートに感動を覚えるのだろうか?それよりもなによりも、ステロイドが使い方次第で億万長者になるための近道と思っているのだったら、この国のスポーツ界の将来に悲観視せざるを得ない。

進化論

2004-12-08 22:03:55 | ニュース
朝早く目覚めると、喉に痛みを感じ、数秒もしないうちに風邪をひいてしまったことに気付く。風邪をひくたびに思うことなのだが、注意不足で風をひくのも悔しいが、注意している中でひいてしまった風邪は本当に悔しくてたまらないものなのだ。仕方なく、JR大阪駅近くの薬局にて腫れ上がった喉にかけるスプレーを購入。パッケージには明太子のように膨れ上がった喉の内部のイラストが描かれていたが、本当にそんなものなのだろうか?以来、数時間毎に喉にチュチュッとスプレーをかけ続けているのだが、これがなかなか気持ちいいのだ。医薬品であるため、過度の使用はダメなんだろうけど、僕は今から2時間後が楽しみで仕方ない。

今日は午後3時頃からラジオ大阪のNEWSワンダーランドにて、ブッシュ大統領の話を30分ほどさせてもらった。DJの里見まさとさんと阿部宏美さんからの質問に答えていく形だったのだが、ブッシュの家族構成について話をしたり、また日本ではあまり馴染みのないキリスト教右派やテレバンジェリストの話をすることもできたので、リスナーの方に少しでもブッシュのバックグラウンドが分かっていただけたのなら幸いだ。

ブッシュ大統領といえば、その予測不可能な言動(大半はうまく発音できなかったり、地名を間違えるといったものなのだが)からアメリカ国内でも「最強、ガッツ伝説」ブッシュ版みたいな本が何冊も出版されていて、どちらかといえば「おマヌケ」キャラがアメリカ国民の間にも定着している。しかし、自らをボーン・アゲイン・クリスチャンと呼ぶ大統領とキリスト教右派との関係は、現在のブッシュ政権を理解するうえで非常に重要なものだと感じたので、今日のラジオの番組内でも触れることにしたのだ。

2004年の現在、僕や僕の周りの人間の間でダーウィンの進化論を否定するものは皆無だ。1+1が2であるように、人間がサルから進化してきたという説を僕らは何の疑いもなく信じきっている。おそらく大阪でもパリでもウズベキスタンの地方都市でも、進化論はすでに定着しているように思われるが、これがアメリカでは認められない地域が存在してるんだなぁ。定期的にスペースシャトルの打ち上げを行い、MITのような世界有数の科学系学術機関を持ち、一部のスポーツ選手がパワーアップのために筋肉増強剤をためらいもなく使用するアメリカで、ダーウィンの進化論を公式に否定する地域があるのは驚きだけど、それでもあるんです。

テネシー州やジョージア州内の学区では公立学校における進化論教育を禁じた法律が実際に存在するのだが、僕が一番驚いたのはカンザス州にて同様の法律が1999年に制定されたことだ。どうも時代の流れと逆行している感じもするのだが、60・70年代以降のアメリカに浸透してきたリベラリズムに宗教的価値観を破壊されると恐れた人たちが起こしたアクションではなかっただろうか?

最後にもうひとつだけ。昨日、ラジオ大阪のスタジオにロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄投手が来られ、僕も挨拶をする機会があったのだが、ひさかたぶりに緊張してしまった。インタビューなら今までいろんな人にしてきているし、今回はインタビューなんかではなく単なる挨拶だったのだが、えらく緊張してしまった。理由は今でも分からない。強いて言うならば、8年位前にドイツのミュンヘンで知人の紹介により同じように挨拶したサッカー選手のローター・マテウスのような雰囲気があった。サッカーと野球は全く別のスポーツなんだろうけど、ドイツ代表チームで長年にわたって主将をつとめたマテウスと野茂投手には同じようなオーラがあった(ウソじゃなく…)。売文産業で働く身でありながら、こんな表現で本当に申し訳ないが、野茂選手はメチャメチャ格好いいのだ!

同じ日の夜、ドジャースが野茂選手を放出するかもとのニュースを聞き、頭を後ろから金槌で殴られたような(実際に殴られたことはないし、そうだったら、大変なんだけど)気分になった。報道の内容が本当なら、野茂英雄は来年どのチームのユニフォームに袖を通しているのだろうか?僕がアメリカに行った時にはすでにメジャーリーグで活躍されていた野茂投手だが、やはり野茂選手だけは引退というイメージすら頭の中に浮かんでこないのだ。これからも、いい意味でみんなの期待を裏切る大活躍をしてほしいし、もっともっと贅沢を言えば、ボストンに戻ってきてほしい。ボストンのファンは今でも野茂投手のことを忘れていない。

モチベーション

2004-12-07 00:03:15 | ニュース
朝8時から人間ドックに行ったのだが、正直なところ、今日の朝はドイツ語で言うところのアングストな気分に悩まされていた。人間ドック受診の取り決めとして、前日午後8時以降の絶食が義務付けられているのだが、小市民的誘惑に弱い僕は、大学時代の友人共と神戸のブラジル料理店で歩けなくなるまでシェラスコ
を食べ続けていたのだ。言い訳がましいが、ハーバーランドにある某ブラジル料理店のソーセージは、まさに「やめられない、とまらない」のキャッチフレーズがぴったりなのだ。

僕は健康マニアとは程遠い生活を今でも送っているような気がするけど、それでも今日の人間ドックの結果はなかなか満足のいくものだった。アメリカに住んでいるため、コレステロールの脅威には常にさらされているのだが、僕が今日見た結果によると、体内のコレステロール値も体脂肪率も1年前より大幅に減っていたのだ。ちょうど1年前、アメリカ的食生活を日毎に体現していた僕は地元関西で人間ドックに行ったのだが、外見からは予想もしていなかった体脂肪率の増加に腰を抜かしてしまったのを覚えている。どうやら、体脂肪だけは外見からは分からないらしい。

今年は3月から毎週サッカーの試合に参加していたため(しかも週2回の練習にも半強制的に参加させられ…)、体がすごく軽くなっていくような気がしていたのだ。来年の同じ頃、僕は再び人間ドックを受けるだろう。それまでに、もう少し体脂肪を減らしてみようかと思う。去年は数値を見ただけでめまいがするほどだったが、今年は来年に向けて頑張ろうとポジティブな気持ちになった。たかが数字、されど数字だね。

今、アメリカの宗教に関するリサーチを行っていて、時間を見つけては電車の中やコーヒーショップ、はてはトイレの中でも関連資料に目を通しているのだが、あらためて宗教国家アメリカにビックリ。ある資料によれば、国民の95パーセント以上が神や超常現象を信じているとの事だが、同時に出世や社会的名声を得るために宗派の変更をためらいもなく行うアメリカ人も少なくないようだ。あるイギリス人ジャーナリストがスポーツの試合の最中に宗教的な歌が合唱されるのはイラン、アフガニスタン(タリバン政権時の)、そしてアメリカと指摘していたが、非常に興味深い指摘だ。

夕方からは京都三条で開かれたメディア・フォーラムに参加したが、電車のスケジュールなどもあって2次会に参加できなかったのが少し残念だった。招待してくださった主催者の福井さんには、この場を借りてお詫びしたい。来年こそは祇園でゆっくりと、舞妓さんと一緒にジャーナリズムの未来について語りたいものである。大阪と比べるとやはり冷え込みを感じたが、それでもこの季節の京都の風情はなかなかのものだ。洒落たバーやカフェが多く、やはり学生が多いのだろうか?フォーラムには学生の姿も少なくなかった。こういった若い大学生たちが参加していることに嬉しさを感じた。日本のジャーナリズムの未来もそんなに悲観的じゃないね。


ひさかたぶりに

2004-12-05 02:13:12 | ニュース
サボるつもりはなかったんだけど、気がつけばブログの更新がおろそかになっていて、誰が聞いても言い訳以外のなにものにも聞こえない苦しい苦しい釈明なのですが、本当に気がついたらこうなってまして…。

11月27日に帰国してからは大阪や東京を仕事の関係で動き回っていたこともあり、なかなかブログをする時間が作れなかったんだけど、今日は少しだけ書いておきます。「プルーフ・オブ・ライフ」じゃないが、何日もブログを書いていないと本当に心配してくれる人が何人かいたようで、とりあえず元気に関西からブログの更新を行っている事をここに記しておきマス。

木曜日から土曜午後まで東京にいたのだが、仕事で人にあったり、友人たちと鍋をしたり、渋谷の西武百貨店前で迷ったり(どう迷ったのかという愚問はNGということで…)、とにかく忙しい3日間だった。土曜午後には広尾に行く機会があったのだが、20年ぶりの広尾に懐かしさを感じながら、時間を見つけて界隈を軽く散策してみた。20年前の記憶なんてあてにはならないだろうけど、それでも小さな道々や古い建物に小学生時代の記憶がよみがえった。人間の記憶力もなかなかのもの。

東京に着いた木曜日、カバンに髭剃りが入っていないことに気付き、すぐさまコンビニに直行。おそらくこんなこと誰も気にしないのだろうが、アメリカのコンビニと比べて、日本のコンビニに置かれている髭剃りの種類が多いことにプチ感動。コンビニにおいている髭剃りを選ぶのに10分もかけてしまった僕は、値段を気にしながらもジレット社の新製品M3パワーを購入した。これはグリップの部分に電池がはいっており、スイッチが入ると、刃の部分が振動し、かなりきれいに髭が剃れる(らしい)のだ。

この製品、アメリカでも数ヶ月前から発売されていて、買ってみようかどうか迷っていたのだが、旅先だと財布の紐がゆるくなるのは事実のようです。ボストンでの最初の2年間、僕はサウスボストンと呼ばれる地域に住んでたのだが、近くにはジレット社の本社があり、別に郷土愛でもなんでもないのだが、以来ジレット社の製品を愛用しているのだ。M3パワーの振動効果はハッキリ言ってマユツバだが、それでも今まで経験したことのない感触だけに、新鮮さを感じる。プレシーボ的な香りがプンプンするも事実だが、当分の間はこの新製品を楽しんでみようかと思う。