人としての尊厳 DINER 第2話「an aperitif（食前酒）②」 感想（ヤングジャンプ2017年38号）

なめろ（真迫）












実際、自分の命が相手の手の内、、、という状況になったら
自分も奴隷みたいに言いなりになっちゃうんですかねえ
まあ正直プライドが薄いので（笑
喜んで舐めちゃうのかもしれないですね・・・
ただ、それで生き永らえたとして、人としての尊厳は確かに失われる気がしますね
ゴミみたいに這いつくばってでも存在するか、それとも命を懸けて抗うか・・・・・・
どっちが人としての尊厳を保てるか、って言えばもう問うまでもなく。



↑主人公


ただまあ、
ぶっちゃけそんな状態になってまで生きたいか？って言われると疑問は残る
ただ泥人形みたいな扱いで、人としての尊厳を失くして、いたぶられながらでも存在し続ける、、、意味は、
正直よく分からない
そんな状況になったならば、いちかばちかの賭けに出るカナコの気持ちも分からないでもない
極めつけはトイレの水に映った汚ねえ顔である（笑
おおよそ、物語の主人公とは思えない無様な面のインパクトが凄かったんですが、
だからこそ、命を懸けて己の尊厳を取り戻そうとした後半のシーンは格好良かった。





でもこれ、
純粋に「労働者の主張」にもなってるよなあ。。って個人的に思ってしまった
確かに雇う身と雇われる身では立場に差はあれど、だからといってぞんざいに扱ってもOK！って話じゃないでしょう
雇う身がどういう風に指導し、使う権限があるように、雇われる身にとってもぞんざいに扱われない自由はあるのだ
どういう風に扱っても文句の一つも言わない人形を求めがちな傾向があるのが現実だと思うが、
その思想こそある種のファンタジーでこの国の病みっぷりを象徴してると言える
そう考えると、
この作品は労働に対するある種のメタファーを用いている作品なのかもしれない・・・と、思いつつ
健気に、それでいて大胆に抵抗するカナコの勇気と啖呵には素直に心打たれました。

前回の感想でも書いたが、
敢えて言ってしまうと最近のヤンジャンは「これ少年誌でもいいんじゃね」って作品が増えたと感じる
しかし個人的には折角青年誌を毎週律義に購入しているのだから、少年誌では表現出来ない作品だって読みたい
そういう観点からするとこの「DINER」は正にお待ちかねの作品であり、実際毎週読むのが凄い楽しみである
何より、主人公が有り体に活躍するのではなく、逆境や嘲笑から這い上がっていくストーリーラインが好みですね
なんでしょう、ドラクエ5の奴隷編とかでもそうですけど、ああいうのがかなり自分好みなので（笑
人間扱いされないところから始まる～っていうのが特に読んでてゾクゾクして楽しいのかもしれませんね
だからこそ、這い上がった瞬間の喜びも大きくなる訳で・・・

「人間」としてのスタートラインに立つ事には成功したカナコ、
個人的に様を付けたくなるくらいに高圧的で冷徹で、だからこその美しさもあるボンベロと共に
ここからどこまで抵抗出来るか、どこまでその腕を見せられるか、、、に期待です
1話がかなり鮮烈で面白過ぎたので2話はどうだろう？って想いもありましたが、
やはり見せ方が上手いし、
キャラの描き方も素晴らしく最高に面白かったです
あと、カナコはめちゃくちゃ応援したくなるキャラですね・・・！
この漫画は逆境を味わうのと同じくらい、カナコがどうそれを克服していくのかも肝な作品だなあ、と思いました














めっちゃ可愛い・・・！
思わず魅入ってしまった（笑）。
またボンベロ様とのコンビが似合うわ。
なんか今からときめきの妄想が止まらないんですが笑
そんな甘い展開は許さない地獄っぷりも待ち受けてそうで戦々恐々しつつ、次週が楽しみ。


あと、ボンベロは何気にカナコを試してたのかもしれないですね・・・
先々週のヤクさん達とは違う「何か」を感じたのも事実です
その辺りもさり気に期待しつつ。
127ページ3コマ目の笑みなんかが伏線かもしれない。注目。