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THE NOVEMBERS「At The Beginning」全曲レビューその6「楽園」

2023-09-05 | THE NOVEMBERS「At The Beginning」全曲レビュー











悪もここではおとぎ話さ
ただの幻想
かびた舞台装置









「At The Beginning」というアルバムはデジタル色も強い作品なんですけど、
この楽曲はそんな中でも最も打ち込みの占める割合が多い曲になっています。
ロックバンドの生々しさよりも、
気持ち良くも不穏でもあるドクドクした電子のアレンジが際立っている一曲
ちょっと民族音楽っぽい部分もあったり
そういう側面もまた聴いてて陶酔出来る粋で面白い楽曲だと思いますね。


さて、歌詞について。
この曲でははっきりと「悪もここではおとぎ話さ」と断言しています
でも確かに...
生きていて本物の悪に出会った事って一度も無いかもしれません
というのは、誰かに対して気に入らない側面だったり腹立たしい感情を憶えても、
そんな誰かもまた自分とは違う他の誰かに信頼されてたり絆を育んでいたり
要するに、
自分にとって都合良く悪に出来るものって意外と無いんですよね。
斯く云う自分も
誰かに優しい振りして良い人みたいに振舞ってたとしても
誰かに対しては冷たく振る舞い通す事もある訳で、
そこだけ切り取ると悪に見えるかも
そう思うと、
本当は誰もが嫌悪するような分かりやすい悪ってどこにも居ないんじゃないかなって感じる
誰かを激しく嫌悪して忌み嫌ったとしてもそんな自分自身も誰かにそういう感情を抱かれてるのかも






絶望もコメディも葛藤もない
ただみんな微笑みだけを浮かべてる







誰もが悪で、
誰もが正義ならば、
昔のノベンバの曲にもあったけど「問題」などどこにも無いのかもしれない。
要するに、みんな各々の領域の中で自由に信ずるままにやればいいだけっていうか。
それを❝楽園❞と、
その状態を❝楽園❞と定義しているのならば、
なんて物悲しくて誠実な歌詞なんだろう。っていちファンとして素直に感じますね
残念な事にそんな簡単に仮想的として憎めるだけの存在は存在せず、
自分にとって許し難い人は誰かにとっての大切な人だったりもする。
ならば、それでいい
自分は自分らしく踊ればいい、だけ。
理解し得ない断絶の中で(ある程度は)好きに生きれるこの世はそういう意味で楽園なのかもしれない。
そんな事を感じながら管理人はこの曲をいつも聴いています~って事を言いたい記事ですね。











ところで、
音源で聴いても素敵な曲ですけど、
この曲はライブで数段化けるので生で聴くのもおススメな一曲です
最近は「New York」に代わってるけど以前は中盤のカオス曲としてほぼ毎回演奏されてました
ただ、この間のライブでは演奏されていて生で爆音で聴いてるとより音の世界観に浸れて
早い話かなりのトリップ感を得れるので想像以上にライブ向けの楽曲だと思います。
管理人は、
この曲のピークに来ると敢えて目を閉じて音だけに集中し、
照明に因って鮮やかさも灯った世界で独りだけの興奮を味わったりもします
その時の快感はある意味音楽的オルガズムと言って差し支えないもので
ノーベンバーズにとっては宝のような一曲である・・・と言えます。



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