サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

青春って痛々しい。/KAITO「青のフラッグ」3巻

2017-12-11 | 単行本感想
                             
                             出ました。














主人公の太一は(一応?)少年誌の主人公としては異例なくらいウジウジしていて、
面倒くさくて、そして卑屈な人間として描かれていると思う。
そして個人的にはそこに大いに共感してしまう・・・というのが本音でもある。

正直、自分の事は常に大事したいし、守ってあげたいし、幸せにしてやりたいと思ってる。
だけど、それと「自分を好きか」どうかはぶっちゃけた話別物だとも思う。
太一は特別な不幸は背負ってないけれど、
いや、背負ってないからこそ、
ありふれた劣等感に悩まされて、
言い訳も出来ない状況に苦しんでいる・・・んだと感じます。

太一が二葉に対して怒鳴りつけるように言い放った言葉の数々も正直分かるんですよね
自分が太一でも「ああいうこと」を思ってただろうな、、、と思うと
読みながらうんうん頷いてしまう感覚が相当大きくて、
それこそがこの漫画のストロングポイントであり
嘘偽りない“青春”の表現・・・なんだと感じています。


みんなね、
青春の「いいこと」ばっかり描きすぎなんですよ
勧善懲悪だったり「いい話」にしがちなきらいがあるんですよ
でも本来青春ってブルーでありスプリングなんだから、
スプリングばっか描いてちゃダメ、
ストレスフリーはダメでしょ、って感じるのが個人的な本音なんですよね。
だから、
ああいう痛々しくて、
だけど切実で、
若者らしいシーンを描いてくれたこの3巻の内容は素晴らしかったと思います
繊細な心情をいちいち拾い上げて読み手の感情に正しく作用していく・・・
KAITOさんの実力の高さが存分に発揮された新刊になっているかと。

また、太一の中学生編もヤバかったですね・・・笑
ありゃコンプレックスの塊になっても仕方ないわ、っていう絶妙なダメ具合。
別にでっかい不幸がのしかかって来たわけじゃないんだけど、
本当に厳しいのは、
些細な劣等感が塵の様に積み重なっていくことなんだ、と・・・。
そんな事を感じさせる、最高にペーソスに溢れた内容に仕上がっていて感情移入しまくりでしたね。

恋愛方面に関しては、
いよいよ「とらドラ!」っぽい展開になって来てますけど、
やっぱりトーマは憧れで、太一が好き、、、という事になりつつあるのかな。
その辺も含めて4巻目が楽しみです。KAITO節はこれまで以上に炸裂しちゃってるので、
既刊がお好きならばよりハマれる一冊になっているかな、と。。
大好きです!









あと、
さり気に青浜が負ける相手がバディストの麒麟寺高校で、
おまけページで安導たちがちょろっと出て来た事に感動した・・・!
見事なクロスオーバーでした。ああいうファンサービス最高ですね。

青浜が負ける一部始終をみんなの心境交えて美しく描いてみせた演出も、
時が止まったかのような空気感の表現も素晴らしかったです。
正直今までで一番面白い内容だったかもしれません。
本当にワクワクしますもん。読んでて。




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