
厳しい戦いだった。
ドラクエで例えるなら、
ボストロールとかストロングアニマルみたいな脳筋モンスターを
非力なキャラがバシルーラでふっ飛ばした、、、みたいな感じですかね
先に描かれた相様では朧ちゃんまでも軽くいなしていたので下馬評では大きく不利
今のロッテがソフトバンクに勝つくらいの無理ゲー(笑)だったんですが、
戦い方は一つじゃない
やり方によっては覆す可能性もある・・・のはある意味始まる前から分かっていました。
まずミウラ氏はキャラに対して誠実な漫画家なので、
この手のバトル展開にありがちな雑な扱いはしないだろう。という確信に近いものがありました
それは前作「恋染紅葉」でも深く実感していた事なので、余計に安心感を持って読むことが出来ましたね
もう一つ、前回で夜々ちゃんをあれだけ活躍させておいて、まさか狭霧や雲雀を無下に扱うことはないでしょう。。という
それもあってか絶望的な状況が続けど「狭霧たちならきっと・・・!」という想いを抱きながら読むことが出来た
それが今回最も優れていたポイントだったんじゃないかなあ、、、って個人的には思いました。

今回の戦いを振り返ってみると、
マトラは完全な脳筋タイプのキャラで、
狭霧や雲雀はちょっと違う、術式系のキャラだったのが相性的に良かったんじゃないか。。と感じます
また、作中でも言及されてますが、以前の狭霧回(51話)で描かれていた内容も何気に繋がってるんですよね
あの時も脳筋タイプのコガラシでは出来ない類の方法で問題を解決していた姿が印象的でしたし、
その時にもらった言葉が今も狭霧にとっての“自信”になっている、、、という構成が上手すぎました
「ゆらぎ荘」は少年漫画にありがちな、
その場しのぎの超展開を繰り出しているわけではなく
後だしジャンケンも一切繰り広げてはいない
そういう・・・
ミウラタダヒロ作品ならではの「納得」と「得心」がめいっぱい詰まっている素晴らしい展開であり、
作品自体の株も大きく上げる“真っ当にしっかりした”展開が楽しめる62話に仕上がっていたと思います
個人的には、これだけ面白くて構成的にも明らかに優れた漫画なのだから、
やっぱり表紙巻頭を飾って欲しいですし、またその価値はある作品だとはっきりと思う
狭霧の凛々しい表情、
雲雀の何歩も先を往かれて悔しそうな表情・・・
想像以上のドラマと感慨深さがそこにはあって、それもまたこれまでの「積み重ね」による賜物だったりするんですよね
コガラシに信頼され任された経験があったからこそ、矜持と自信をもって堂々とマトラを攻略出来た作劇とカタルシスに関しては
相当にレベルが高い、ゆらぎ荘ならではの「誠実さ」が滲み出ていて今回もまた惚れ惚れしてしまうようなクオリティだったかと
また、今回の勝利は狭霧が中心ではありましたが、
雲雀がいなければ成し得なかった勝利でもあった、、、とも思います
なぜならば、彼女が足掻いて時間を稼いでくれなければ逆転の仕様もなかったから・・・です
そういう意味ではある意味「雲雀あっての勝利でもあった。」とも形容出来ますし、
そういうトコもまた巧かったな、と
本当に自分の期待した通りの「この二人だからこそ」の勝利劇に仕上がっていてその点でも期待に応えてくれた傑作回でした
また下馬評がとことん不利だった分、覆して攻略してくれた爽快感、、、っていうか、「見たか!」的な
そういう感覚もあって(笑)余計にスカッとするお話になってたなあ。と感じましたね
ジャンプでは今次世代のヒット作を色々な演出等で仕掛けてますが、
この「ゆらぎ荘」もそれらの作品に全然負けてない、
押し上げられるべき漫画だとはっきりと感じましたし、
色々な意味合いで「男の子の欲望」にきっちり応えてくれる傑作なのは間違いないなあ、と。

・「気合い」とか「覚醒」とか、曖昧なもので問題を解決させない
・少年漫画の悪い意味で雑な展開には決してしない
・積み重ねをきっちり生かす
・雲雀の存在も攻略に生かす
・主要キャラを安易にヘタレ化させない
・敵キャラを安易に弱体化させない
これらが全部守られているジャンプ漫画、、、、って時点で個人的には物凄く感動してしまいました(笑
コガラシのキャラ造詣からしてそうですが、王道に見えて実はかなり革新的でカウンター的な作品でもあるんじゃないか、と
個人的には改めてそんな風にも感じられた秀逸過ぎる第62話でした。素晴らしい作劇だった!
正面から倒すのではなく戦わずして勝つ、解答も納得でミウラ先生凄いなあと思いました
多分大半の読者は二人がピンチになって復活した呑子さんのリターンマッチがあるんだろうなと思ってたんでしょうし
でも逆に、これで仲居さん、呑子さん、朧の出番が終わり? と考えると、少し物足りないような気も……
とりあえず来週のクライマックスのまとめ方に注目したいですね!
次回はセンターカラーだからうれしいですね。最後は主人公である幽奈の活躍でうまく締めてくれることに期待したいです。あとバシルーラは私も思いました。あれ敵にされるとすごくウザイ呪文なんですよね~。かといって自分で使うと全然決まらないという
5月のJ新世界漫画賞の審査員がミウラ先生のようですがそのページで男主人公の書き方についての質問で、コガラシは美形すぎず且つモブに埋まらないようなデザインにするためにダサカッコいいを目指したというのと、内面の気持ちを素直に出させて読者に伝えたいことを伝えられるようにし語るより行動する人にしたと答えていましたが。この答えは個人的に納得がいきましたし、やはりコガラシもかなり練られて生まれたキャラだったんだなと思いました
コガラシですら術ひとつで無力化される場合があるのを示していたことも今回の展開の無理のなさを高めていると思いました。
アマゾンのレビューなんかにも表れてますが
アンケ得票率や単行本売り上げと関係なくジャンルのせいでうわべの雰囲気だけで食わず嫌いしてる人の割合が大きいっていうのはもどかしいですよね。
>正面から倒すのではなく戦わずして勝つ、解答も納得でミウラ先生凄いなあと思いました
そうなんですよね、
作劇に「納得」がきちんと用意されてるのが見事だなあ、と
何気に狭霧と雲雀のライバル関係もほんのりと描かれてたのも粋だなあ、と思いました
やはり狭霧の方が一枚上手、という。
>でも逆に、これで仲居さん、呑子さん、朧の出番が終わり? と考えると、少し物足りないような気も……
そうですね、
特に個人的には朧ちゃん好きなので
何かしらの形でリベンジして欲しいところですが。。
その辺も含めて来週以降に期待が高まりますね!
>まさか「在来線で~」のセリフが伏線になっていたとは読めませんでした。
ですね
朧ちゃんなんかには瞬間移動出来ますから成すすべなくやられちゃいましたけど、
マトラの場合完全な肉弾戦キャラですからああいう搦め手が効果抜群・・・っていう
その辺のしっかりしたキャラ付けと構成が見事だなあと
>石でできた札は油断して掛かってしまったという流れはうまかったかと。
そうですね、
マトラにとって石なんて埃程度の威力でしかないでしょうから、
あっさりかかっちゃうのも無理はないんですよねえ。
そう考えると本当練り込まれてるな~と思います。
>おまけにマトラの強さの格も下がりませんでしたしね
これも凄いですよね
威圧感を残したまま力では完敗しつつ頭で切り抜けましたからね
その辺もまた絶妙だったなあ、、、とホントに思いますよ。
>あとバシルーラは私も思いました。あれ敵にされるとすごくウザイ呪文なんですよね~。かといって自分で使うと全然決まらないという
鮭茶漬けさんもそう思いましたか!(笑)
個人的にはDQ6のサイレスがウザかった記憶があります
特に洞窟内でかまされるとキレそうになりますね笑
その記事は自分も読みました
本編とはまた別なので感想に絡めるかどうか迷ったんですが、
こうしてコメント欄で話題にして下さって本当に良かったです。
>語るより行動する人にした
これはね・・・正直格好良かったですよ受け答えとして。
コガラシの粋さだったり誠実さの理由がこの受け答えに集約されていた気がしました
確かに、格好良すぎると少女漫画みたいになっちゃうし、
ダサすぎると今は総ツッコミ社会ですから笑(息苦しい)批判を免れなくなっちゃうので
ああいうワイルドでありつつも親しみやすいキャラ造詣はベストだったと思います
感想の中で何度も使ってますが、ひょうひょうとしている感じ・・・かつ風来坊的な。
>今まで他のゆらぎ荘メンバーと比べ存在感が薄かった夜々と誅魔忍組がしっかりとフォローされたという意味でも良かったですね
狭霧と雲雀は下手すればヤ○チャコースも免れない立ち位置でしたからね
それがジャンプ漫画だ、と言われてしまえばそれはそうなんですが
だからこそ、そうじゃない魅せ方をしてくれた今週のゆらぎ荘は本当に素晴らしいと思いましたし、
こういう構成・・・というか作劇がしっかりと評価されて欲しい。。と心から想いましたね。
>コガラシですら術ひとつで無力化される場合があるのを示していたことも
しかも、有り体なサービス回とかでそういう事をアピールしてましたからね笑
この作品、、、いや、ミウラさんの抜け目の無さは本当に凄いと思います。堅実な性格っていうか。
>ジャンルのせいでうわべの雰囲気だけで食わず嫌いしてる人の割合が大きいっていうのはもどかしいですよね
そうですね・・・
これはお色気系の作品を「真剣に」愛している人のたいがいが抱えている悩みだと思います
例えば「エロに頼ってる」って一文だけでも正直「は?」って思いますし、
じゃあバトル描写が中心の作品で「バトルに頼ってる」って言われないのは何故?って事になるんですよ
要するに、官能って表現自体が他の表現と比べて相当ナメられてるのを感じますし、
これももう一つ例えで「お盛んですね!」「男子だねえ」みたいなカテゴライズ的で安易な言葉“だけ”で語られちゃったりするんですよ
そういう・・・
「流れ」に対するコンプレックスと怒りは常に持ち合わせていますし、
同時に「負けたくないな。」って想いも持ち合わせてたりします
それは時に孤独な闘いでもあったりするんですが、そういう沁みるようなコメントを頂けると個人的にとても元気になれますね・・・!
エッチもドキドキもニヤニヤもハラハラもいっぱい詰まっているゆらぎ荘という作品が大好きなので、
これからも自分なりの言葉で語っていくつもりです。ちょっと長い返しになってしまって申し訳ない・・・笑