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大人になる季節。/松沢まり「みはらし荘の6人の花嫁」第10話 感想(コミック電撃大王2020年12月号)

2020-11-09 | 松沢まり









先月号は少年誌のラブコメみたいな、
とことんまでベタにやり切った話だったのに対して、
今月号はいきなり「大人とはなんぞや」「どうなったら大人なのか?」っていう
物凄い哲学的なテーマで切り込んで来て、推し作家さんながらすげー振り幅だな!と感じました(笑
音楽で言えば大衆的なポップ・ソングの後にインストのテクノが来るような感覚ですけど・・・
しかしこの生真面目な感じがいかにも松沢まり漫画らしくてファンとしてはニヤリとしたりも🥴

でも、
大人か・・・
正直自分が大人だと感じた事は(人生に於いて)一度も無いですね
あるあるなんですがモラトリアム期間が長すぎて毎回追い詰められた時にちょっと進む感じというか、
なんでしょうね、本当に彩さんの言う通り「嫌でも大人になってく」というのが正しいですね
本音云えば大体の人が色んな事を先延ばしにしてギリギリまで拒否ってるだけかと
しかしまあ、いつまでも子供のままで~とはいかない訳で
もうこのままじゃダメかな、って時にちょっと大人になったりする
勿論、
最初から意識高い人はまったく違うんでしょうけど、
結構彩さんの言葉が当て嵌まる人は多いんじゃないですかねえ
そういう意味ではベテランの松沢まりさんだからこそ描ける内容ではある。




彩さんが結婚出来てないのもまた生々しいが・・・笑



その後の、
無理に頑張らなくても、
自然となりたい自分になっている~っていうアドバイスもまた正しいんですよね
人生って正直な話、色々膨らんだ選択肢の中からどんどん切り落としていく作業に過ぎないんで。
最後・・・もしくは、今残ってる気持ちや願望が結局なりたい自分だったりするんですよ
そういう・・・
彩さんの大人としてのアドバイスが非常に素敵で共感が出来るものだったし、
そういう彩さん自体も別に完璧な大人じゃないのがまた更に人間臭くて良かったです
四季さんも、
焦って若いうちから「こういう人間になろう。」って決めこまず、
今の自然な感情を大切にするようになったエンディングもとっても爽やかで大好きでした
なんというか、大人のわびさび~からの若人の青春!という印象でかなり好感触の話数でしたね
彩さんの言葉は達観しつつも“大人だからこその希望”もあって身に沁みる内容だったかと。




またこの忍の優しさが良い。



最後の展開は、
「今すぐ出来なくても良い。」って裏メッセージも感じました
忍のセリフがとても象徴的でしたが・・・あれで、夕凪さんも、
心境的に吹っ切れたというか、
自分らしく一歩一歩進んで行こう。って気持ちになれたんじゃないでしょうか
まあぶっちゃけ10代の頃に思い描いてた沢山の希望から一つ一つ諦めていく作業でしかないからな(笑
ただ、
大事なのは今を真剣に生きる事
その上で色々と感じてこう~という結末に辿り着いたのは美しい着地点だったと思う
忍もなんだかんだ他人に(良い意味で)甘いからそういうトコが好かれるポイントなんじゃないですかね
そういうさり気ない好感度の構築も良く出来ててやっぱ松沢まりさんの漫画良いな!って感じた10話目でした。








ただ今回、
彩さんの掘り下げになると、
なんだかやたら生々しく感じるのが秀逸であり面白かったですね笑
こういうキャラ及びああいうセリフは駆け出しの作家さんは描けない・・・と思う
そこが最近流行のラブコメとは一線を画すポイントかな、って感じました
ギャグもキレッキレでそこもまた読んでて楽しかったです!

あと、彩さんのような人生、個人的には悪くないと思う(笑
ウチに来ませんか




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