サブカルチャーマシンガン

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LUNKHEAD「アリアル」「plusequal」再現LIVE@千葉LOOK 23.11.25

2023-11-28 | LIVE











先週の土曜日、ランクヘッドのライブを千葉で観ました。











この公演は、
2016年に出たアルバム「アリアル」とその3年後に出たアルバム「plusequal」の再現公演でした。
このブログを長年ご覧になってる人ならご存じかもしれませんが、
両作共にリリースツアーに何度か参加しています。
思い出深いのは「アリアル」は群馬にまで行ってライブを観た事↓
LUNKHEAD ONEMAN TOUR2016「アリアル」@高崎club FLEEZ 16.10.15
「plusequal」も"色々あった"作品なので感慨深い気持ちでした↓
LUNKHEAD ONEMANTOUR2019「plusequal」@恵比寿LIQUIDROOM 19.7.19
大体この辺の時期って、
聴く音楽がかなり偏ってた時期なんですよね
当時は、特定のバンドや歌手を掘り下げたい気分だったんですけど、
後々それが間違いだった...間違いというか、視野が狭くなるきっかけ作っちゃったな、っていう。
その分、この頃のランクに関しては色濃い思い出が残ってるので悪い事ばかりでもない。
今回改めてその時期のアルバム達をあの頃以上の熱量で楽しめたのは幸福な出来事でした。では、以下。















この2作の再現は千葉公演のみ・・・って事で
千葉県民且つ千葉市の隣に住んでいる身としてはちょっと嬉しかったですね(笑
会場は恒例の千葉LOOK、言わずもがな自宅から最も近いライブハウスです
今年店長が還暦を迎えそのイベントにも参加しましたが、
千葉が誇る老舗のハコですね
見ての通り、
如何にも「昔ながらのライブハウス」って外観が(特に令和の今となっては)素敵ですね
今年行くのはこの日がラストでしたが、早くも来年も行く予定あるので、また2024年も沢山参りたいなあ、と。


定刻頃にライブはスタート。
温もりが漂う「優しくしたい人がいる」ではリズム隊のドクドク来るような演奏にも魅せられた。
パワーポップみたいな音像にも感じた想いが漲る「ヒナタ」、
この曲で
「あ、今回は曲順通りではなく、2枚の曲を混ぜていく感じなんだ。」と察知しました
「君が君を救い出して~」という歌詞がやっぱりこの日も沁みた。
「月明りに踊る君を僕はただ見ていた」では、セッション風のイントロからダンサブルな音像へ
Aメロの時にミラーボールが煌びやかに回っててそれも素敵でしたし、
ライブで聴くと思った以上に踊れる曲だな~とも再認識。
 そんな、
どちらかと言えばポップな序盤からは一転、
「存在?」からゴリゴリのロック・モードに突入!
バッキバキのアンサンブルにブリッブリのベース、全体的にハードなアレンジで観客を沸かす
その上で「正義のグロさに吐き気がした」「否定しないでよそんなに」「生きてるだけで褒めて」
正直初期の楽曲に比べてもキレッキレのフレーズが飛び出して来て堪らない一曲だった
更に、
ガレージロックの様なイントロから、
憎悪とペーソスが一気に襲い掛かって来る「空白」
ある種、パンキッシュでもあるんじゃないか?という爆音のアンサンブルに乗せて、
切実な想いがドバドバ溢れ出して来る衝撃性の高いロックンロールに仕上がっていました
自分は一部ヘドバンしながら聴いてましたが、合田さんも激しいアクションしてて視覚的にも格好良かった。
今、目の前にある空白(虚無感)を拭い去りたい、、、という渇望に感情移入しながら聴いてました。。


まだまだ続くよロック・モード!と言う事で、
お次は「木曜日」
この曲は、
サビメロが往年の歌謡曲みたいでそれまでとはまた違うエモーショナルさがありました
サビで官能的なポージングで歌う小高さんがまた色気もあって素敵だった。
かつての名曲「体温」にも近いものを感じる名曲「心音」
ドクドクのベースソロ、情熱的なギターソロ、ドスドスと破壊力抜群のドラミング・・・に加え、
その曲名の通り❝生きているだけで尊い❞という事を歌う歌唱にもグッと来ました。
ロッカバラード「いつか知らない誰かを愛しても」では、
ミラーボールに乗せて切ない男心を歌唱
いつも以上に粘りっこいサビのボーカルがその感情を深く伝えて来て胸に来た...と同時に、
アウトロの加速するドラムにもカッコいい!と魅せられた楽曲でした。
青白い照明と共に音数少な目で鳴らされた「空中線」
リズム隊の存在が際立つ低音が気持ち良い一曲として響いていました。
この曲なんかは、色々な楽曲を聴き込んで❝引き算の気持ち良さ❞を学べた今だからこそ、
あの頃以上に良い感じで聴けてたんじゃないか?って思いましたね。
キメキメのギターソロも光っていた「陽のあたる道」
個人的に未だに独身かつ結婚の予定も皆無なので、「うらやましいなぁ~」と思いながら聴きました(笑


LOST IN TIMEの海北さんとの共作「光のある方へ」
定番曲じゃないはずなのに、観客のみんなキメの手拍子しっかりやってる事にちょっと感動。。
アットホームな雰囲気の中、「生きていくことは寂しいから」という歌詞が身に沁みつつ、
ずっと活動休止している海北さんへの想いも込めながら盛り上がりました.....。
いつか、この曲を海北さんと一緒に歌って欲しいな。
 王道のランクを聴かせるロックチューン「葉桜ファイター」
アウトロのドラミングにも魅せられつつ、
「いつかの」ではメロディアスなサビが気持ち良く「解りあった気がした 気がしただけ」っていう
切ないフレーズにも感情移入しちゃってました
その情念を更に爆発させた様な「極光」
蠢くようなベースサウンドが特徴的な、ちょっとグランジの匂いもするヘヴィな一曲
「オーロラを見てみたかった 多分きっと俺は見ないままで死んでいくのだろう」という歌詞も印象的で
その諦念を徹底的に歌い切った様な歌唱もまた胸に迫って来るこれまた出色のバラッドでした。


ライブも終盤戦へ。
和風のギターリフに荒々しいボーカリゼイションが光る「朱夏」
この曲、「plusequal」のリード曲だったんですけど気が付けばレア曲になってました
久々に生で聴いていると、真っ赤な照明も相俟って❝鮮血の決意表明❞というワードが浮かんだ。
何が何でも叶えてやる、生き抜いてやる...という禍々しさすら憶える音像がインパクト大でした。
ファンキーなギターフレーズにも魅了された近年の代表曲の一つ「ユキシズク」
この曲では、
サウンドもそうなんですけど、
それ以上に「でも生きてかなきゃで~」辺りからの小高さんの"うた"があまりに切実で凄すぎました。
この日は本人もMCで話してましたが序盤の方にそこそこミスも散見されたんですけど、
聴き手としては正直そこはあんまり意識してなくて、
それ以上に演者の「伝えたい想い」のが重要で・・・(って書くとちょっと恐縮なんですが苦笑)。
そういう意味では、確かにこの日は小高さんの歌唱に関しては絶好調だった様に思った。
「生きてかなきゃで」って、聴き手の苦労を汲んでくれてるのが尊いですよね。
 NUMBER GIRLリスペクトが滲むダークなダンスナンバー「SHIBUYA FOOT」
この曲リリースツアーの時めっちゃ楽しかったなあ...と想起しつつ、
報われない気持ちを抱えながら踊るカタルシスを堪能。
そして、
この日個人的に一番アガったのは、
超ダウナーな歌詞にご機嫌なビートを被せた「うぇいうぇいうぇい」!!
「諦め切るには早すぎて 夢を見るには遅すぎる」とか、
「真っ当直球に生きても ズル賢く息をしても 行き着く先は皆一緒」とか、
「もう少しだけ布団の中で寝ていたい」など、
おおよそポジティブ要素皆無なダウナー過ぎる歌詞が前提にありつつも、
曲調は踊れるロックナンバーに仕上がってる訳だから、その乖離してる感覚がものっそい気持ち良かった。
なんというか、全力で嘆き散らす様な感覚...が恍惚的で、加えて散弾銃の様なドラミング、そして、
oioiコール、声出し解禁によって復活した「灰!灰!灰!灰!」のコール・・・など
ある種ランクヘッドのオリジナリティ「しか」ない様な楽曲とステージングで
この曲の大盛り上がりっぷりは本当に素晴らしかったと思いますね
声出し解禁前にも聴いたんですけど、
やっぱりこの曲は明らかに声出しあった方が盛り上がるしカタルシスが全然違う。そんな事を感じました。
正直、こういう曲に救われる人もいるだろうな・・・と思いつつ、
みんなで跳ねまくった「アウトマイヘッド」
時折パンキッシュに駆け抜けた「はじまれ」とその先のメッセージも打ち出していくランクヘッド
そして、長かったアルバム再現シリーズの本編最後に選ばれた楽曲は、「小さな反逆」でした。


前の曲のアウトロからエモーショナルなドラミングが炸裂していて、
その勢いのままに小刻みなビートが癖になる格好良さを放つ櫻井さんのドラムからこの曲がスタート
その地続きになってる演出も良かったし、
ここまで一年掛けて散々・・・数百曲以上の楽曲を再現して来たライブの終わりが、
「些細な喜びを感じ続けよう。」と歌うこの曲というのは単純に似合ってる。と思いましたし、
その雄大なアンサンブルと伸びやかなボーカルを聴いていたら映画のエンディングの様な雰囲気・・・
エンドロールの感覚が拡がっていて、
これ以上ないくらい素晴らしい着地になったな、
と。
アウトロがまた、
シューゲイザーみたいなアレンジに仕上がっててそれも格好良かった
実際、努力や優しさが必ずしも報われる訳じゃない世界を生き抜いて行く為には、
それしかないんじゃないか、って思うし。
明日あれやろう、とか、
明日はあれ食べよう。とか、
そういう小さな事に期待し喜び続けるのがその運命に対するアンチテーゼに超進化していく。
これを、再現シリーズの最後に持って来たのは必ず意味があると感じる.....し、
結果的に、
総てのアルバム分は諸事情で行けて無いんですが、
でも今年の春からこのシリーズに(行ける時は)通い続けてた身としては
ホントに最高の答えを見せてもらったなぁ。という気がして心から感謝したくなったのでした。
いちリスナーである管理人自身もまた、"反逆"を続けていこうと思いましたね。
ありがとうございました!!!!














1.優しくしたい人がいる
2.ヒナタ
3.月明りに踊る君を僕はただ見ていた
4.存在?
5.空白
6.木曜日
7.心音
8.いつか知らない誰かを愛しても
9.空中線
10.陽のあたる道
11.光のある方へ
12.葉桜ファイター
13.いつかの
14.極光
15.朱夏
16.ユキシズク
17.SHIBUYA FOOT
18.うぇいうぇいうぇい
19.アウトマイヘッド
20.はじまれ
21.小さな反逆

22.心音(2回目)
23.ナハトムジーク

24.シューゲイザー
















アンコールでは、
ミスが許せなかったのか、「心音」をやり直し。
ギンギンのベースラインが気持ち良い中、より盤石になった「心音」が聴けてラッキーでした。
にしても、こういう歌詞のテーマの楽曲をライブで聴いてると余計にエモく感じますね
最新アルバムから渾身の力で「ナハトムジーク」を届けた後、
まさかのダブルアンコールも敢行!!
MCの途中から演奏を始めるエモーショナルな演出も光る中で「シューゲイザー」を叩き付けてフィニッシュ
怒涛の疾走感と、漲るエネルギーを泥臭く表現し切って最高だったライブは堂々の終わりを告げました
聴き手の背中を押しつつ、
バンド自体も懸命に足掻いて行く。
その理想的な関係を保ちつつ来年LUNKHEADは結成25周年を迎えます。
初めてランクのライブを観たのが2005年なので、自分も古参の領域に入って来たかもしれません。
その目で、25周年のランクヘッドの生き様を来年見届けて行きたい...と考えています。
下半期にまた千葉に来るっぽい?ので、またこの場所で観れたらいいですね♬