8月の練馬読者会には中学校教員の方が初参加。「従軍慰安婦」に関する写真展(三鷹市)に「在日特権を許さない市民の会」(在特会)が押しかけて混乱した現場(下記※参照)を目のあたりにし、ショックだったという報告を受けて議論。
在特会、田母神など極右勢力による市民運動などへの妨害が行政や警察により野放しにされている現状に対する危機感を共有、その現状にどう立ち向かえばよいか。
「極右側(在特会=
参考など)は、よりどころをもとめてネット集う者や、もともと政治に無関心で、社会や自分自身に不満を抱えている若者に届く言葉で(排外的心情に訴えて)巧みに心をつかんで、“市民運動”として組織化(偽装)しているのではないか。」、「教科書採択・日の丸君が代強制などが進行する東京都の教育極右化現場(学校)においても、こうした歴史認識に批判的な教員が居づらくなったり定年前に相次いで辞めたりする一方で、こうした流れに親和的な若者の教員採用が進んでいる」などの指摘もあり、このような動きに対して、一人一人の市民としてどう立ち向かえばよいかが話し合われた。
30日に総選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官国民審査について、「司法の独立と民主主義を守る国民連絡会議」の今回審査対象の裁判官のプロフィール等がまとめられた資料をもとに、国民審査や裁判官の任命のあり方などについて話し合われた。中でも、裁判員制度推進の中心の一人となった竹崎博允氏(長官)、自衛隊のイラク派遣決定当時の外務事務次官の竹内行夫氏は不信任にしなければならないといったことなどが話し合われた。
その他、民主党が衆議院の比例区議員定数の削減を主張していることへの批判、戦争体験、日本郵政の労働現場の実態、集団検診の実状(追加説明)などについて議論が交された。時間が足りない中、多岐にわたるテーマを活発に話し合うことができ、大いに実りある会とすることができた。
(kdak)
※各地で繰り返される「在特会」の蛮行(『週刊金曜日』2009年8月22日号4ページ)
「在日特権を許さない市民の会(在特会)」と称した右翼排外主義集団の活動が、各地で目立っている。このうち三鷹市では八月一日から三日まで開かれた「夏休み・親子で平和を考える アジアで何があったの? みて・きいて! お話と『慰安婦』展」に期間中「在特会」や右翼団体が一時は一〇〇人以上も詰めかけた。
このため会場となった三鷹市の市民協働センター入り口では集会破壊を防ぐため、主催者団体と同センター職員が入場者をチェック。乱入しようとした「在特会」側は「朝鮮人売春婦」「メス豚」などといった口汚い罵声を浴びせ、危険を察知して集会後に一〇人一緒になって帰ろうとする参加者にも突っかかるなど、悪質な威圧行動を繰り返した。
富山市では八日、従軍「慰安婦」問題をテーマとする映画と講演の集会が市内の会館で開かれたが、市の後援が開催直前に市側の判断で撤回。当日にも「在特会」のメンバー約二〇人が「朝鮮人は半島に帰れ」など書かれたプラカードを持って押しかけたが、混乱はなかった。撤回について同実行委員会側は、「『在特会』が『慰安婦』問題は事実無根だなどと脅して圧力をかけ、安易に屈した結果だ」と抗議している。
成澤宗男・編集部