練金術勝手連

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※ 練金術(ねりきんじゅつ)とは『週刊金曜日』練馬読者会的やり方という意味です。

★★ 熱い(鳩山)暑い(麻生)たたかい ★★

2009年08月15日 | 今週の注目記事
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『週金』今週(762)号の巻頭を飾るのは題して《審判を待つ改憲・タカ派議員たち》。
 例によってお盆休みのため、合併号(8/7、8/14号)となっているが、歴史的な熱い?(鳩山=友愛)、暑い(麻生=選挙戦略)たたかいのまっ盛りであり、逆に読者としては「臨時増刊・直前大特集」でも出してほしいところ…。


  審判を待つ改憲・タカ派議員たち
 二〇〇一年の「9・11事件」を契機とするブッシュの対テロ戦争に前後し、二〇〇五年の
『9・11選挙』を経て今日に至るまで、この国は戦後史に例を見ないほどの急激な軍事化と
憲法の破壊が進んだ。だが、いまや衰えを隠せなくなったこの暗流が消え去る前に、
国会で改憲と歴史修正主義を煽った議員たちの姿を照らす。彼らを再び登場させるか
否かを決めるのは、一人ひとりの良識にかかっている。(編集部)
  ■憲法、歴史認識・教育、防衛・外交
  ■総選挙に出馬する主な右派団体所属議員(編集部)
  ■呆れるばかりの暴言 妄言 放言録
  ■核武装論に打ち克つ対抗構想を(前田哲男)
  ■ついに風前の灯となった「専守防衛」
    次期「防衛計画大綱」の恐ろしさ(水島朝穂)


内容はといえば、まず「制服組が公然と海外での武力行使を宣言する」大綱が作成中で「民主党も、この『大綱』を認めそう」。なので、水島朝穂さんのレポート《次期「防衛計画大綱」の恐ろしさ》は必読といえる。
 そして、直接8月30日の参考となりそうなのが、右派団体(改憲・タカ派議員の集まり)とはどういう団体なのか、右派団体に所属する立候補予定議員はどんな事をしてきたのか。全国選挙区別のリストアップだ。
 取り上げている団体は、憲法調査推進議員連盟(超党派)、新憲法制定議員同盟(超党派)、日本会議国会議員懇談会(超党派)、正しい日本を創る会(超党派)、神道政治連盟国会議員懇談会(自民党)、歴史・検討委員会(自民党)、日本の前途と歴史教育を考える議員の会(自民党)、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会(超党派)、中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国会議員の会(超党派)、国防部会(自民党)、安全保障議員協議会、新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会、北朝鮮に対する抑止力強化を考える会、価値外交を推進する議員の会。

このほか、金曜アンテナでは宮崎一区、石川二区、東京八区ほかの注目選挙区を独自レポートしている。(表紙画像をクリックすれば…もくじ)
(練金術師)


  みんなの日記
 今週の762号の27ページ「80歳を超えた戦争の語り部たち」の、「戦争は二度と起こしてはなりません。」という結論にはもちろん異議はないのですが、どうにも気になる点が散見されます。
 例えば冒頭の碑の文の引用ですが、 「…数多の者が神風特別攻撃隊員として命を捧げたことを/」 の『捧げた』、 「…出撃散華した…」 の『散華』、 「…五十五柱を超える…」 の『柱』(は人間の遺体を数える単位ではなく、神を数える単位です)などは、全て死を美化し顕彰する言い回しです。これでは靖国神社や遊就館の論理と選ぶところがありません。靖国神社ですら「平和のために礎になった…」というような論理を振り回しますからね。(最近はもっと悪化して、法衣の下から鎧が露骨に見えるようにはなってきましたが、一応建前は現在もそうです。)
 それだったら、空襲の爆撃下で逃げ惑って死んだ人も、銃剣で突き刺されて死んだ人も、毒ガスで悶え死んだ人も、全て「命を捧」げ「散華」した一柱一柱と言うべきでしょう。なぜ特攻隊員だけ特別扱いをするのでしょうか?
 特攻隊員の追い詰められた状況は、私にも理解できないことはありません。しかしそれでもなお、彼らには選択の余地があったわけです。重慶や東京や大阪やガザやその他もろもろの場所で空襲により死んだ者には、選択の余地はなく、いうところの難死です。このような難死と特攻死は、百歩譲っても同等でしかありません。どうして特攻死のみを持ち上げ、賛美し、顕彰するのでしょうか。
 もっと言うなら、死を決意した「立派な」特攻隊員はそれからどこへ行ったのでしょう。もちろん、人を殺しに「出撃」したのです。その時点では彼らの戦いが「侵略」にすらなりえなかったことはむしろ救いですが、焼夷弾で焼き殺される人々は少なくとも直接には人を殺しに行ったわけではありません。この点から考えても、難死より特攻死を上に見るような視点は、許しがたいものだと思います。
 金曜日の、結果が反戦だから許すというような態度は、私には認めることができません。少なくとも近代の侵略戦争は、防衛やら平和の名において開始されていることを銘記すべきでしょう。
(草場純)
練馬読者会8月例会

  日  時:2009年8月22日(土) 19時から
  会  場:喫茶ノウ゛ェル(西武池袋線大泉学園駅北口駅前)
  会  費:喫茶代
  問合わせ:nerikinjyutu@mail.goo.ne.jp
       または03-3925-6039 近藤まで。