練金術勝手連

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※ 練金術(ねりきんじゅつ)とは『週刊金曜日』練馬読者会的やり方という意味です。

  ★★★ 強権病にご注意! ★ わすれてならないこと ★★★

2009年01月28日 | みんなの日記
戦闘爆撃機の空爆が始まりで、密集地に海から艦砲射撃、地上からは戦車で砲撃・蹂躙。徹底した破壊と殺戮。イスラエルの“3週間戦争”がもたらしたガザの光景に、おいらは東京大空襲の焼け跡や広島・長崎の光景を想い出して涙がでたよ。

 パレスチナ人虐殺の非人道的作戦には、人権団体(アムネスティなど)だけでなく世界中から国際的指弾・糾弾が集中しているのは当然といえばト-ゼンすぎるけど、人口密集地に対する白リン弾(white phosphorus weapons)の使用について国連人権擁護委員会が捜査を開始したと…。イスラエル軍はこれを認め、指揮した将校をイスラエル国内に足止めしてるンだって…。なのに世界中の期待の星?オバマは、なんと「イスラエルの自衛権を擁護する」だと…。

練金術のデザインが変わったようだね。マックロで驚いたけどよく見るとユーチューブの埋め込みができるようになったンだね。そういえば、前のデザイン(海のテンプレート)は2年前、恥というものを知らない強権病都知事はどうしても許せない、だから浅野史郎候補を勝手に応援しようと相談して浅野カラーの青でブログを立ち上げたというわけだ。

 “都民の愚かな選択の結果”強引・傲慢都政は続いていて、都教委から教育庁に蔓延した強権病のせいでやむなく“良心を封印”した校長たちは人知れず泣き崩れ(日の丸君が代強制問題/参考)、卸売り市場は地下深く粘土層の下まで毒だらけの地に追いやられようとしてる。浅野さんもコメンテーターなんかやってる場合じゃない!と言いたいところだね…。
(在日日本人)
2・5緊急学習会「ガザ侵攻-イスラエルはなぜガザを攻撃したのか-」

 昨年12月27日から始まったイスラエルの攻撃によりガザは瓦礫の街と化し、停戦がなされた今もイスラエルによる封鎖は解かれず、人びとは「壁」に閉じこめられている。ガザの人びとはなぜこれほどの苦難を強いられるのだろうか。
 映画「レインボー」上映のあと、パレスチナ問題に詳しい早尾貴紀さんに、今回のガザ侵攻の背景を解説していただきます。

 ◆ 日時  2009年2月5日(木) 午後6時半~
 ◆ 場所  たんぽぽ舎(JR水道橋駅・地下鉄神保町駅から徒歩6分
        電話:03-3238-9035)
 ◆参加費 500円

 ◆内容

  ・第1部 映画「レインボー/Rainbow」(パレスチナ/41分/
    2004年/監督:アブドゥッサラーム・シャハダ)
    占領下で破壊され、奪われ続けるパレスチナの人びとの生活と生命。
    その痛み、悲しみをレンズに焼きつけるかのように、カメラはまわる。
    (第14 回地球環境映像祭2005年度アース・ビジョン大賞受賞作品)
  ・第2部 早尾 貴紀(はやお・たかのり)さんのお話
     (東京経済大学講師 パレスチナ情報センター・スタッフ)
 ◆ 主催 市民の意見30の会・東京(電話:03-3423-0185)


    ★★★ 緊急アピール ★ どさくさまぎれの“海賊派兵” ★★★

2009年01月22日 | 練馬の里から
反戦の視点・その68

【緊急アピール】 どさくさまぎれの海賊派兵を許すな!
        
                井上澄夫(市民の意見30の会・東京、
                     沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
                       
オバマの戦争拡大と日本の海外派兵拡大
 イラクからの陸上自衛隊の撤退に続き、昨年末、航空自衛隊もクウェート─イラクから撤退したことで、マスメディアは一時期、これで海外派兵は一段落したかのように報じたが、とんでもない話だ。昨年末の国会ではもめたものの、アフガニスタンでの米軍の作戦を支援する給油新法改正案はとうとう成立させられ、海上自衛隊のインド洋での給油活動は今年1月から一年間延長されることになった。そのアフガニスタンをまもなくアメリカ大統領になるオバマは、大統領選で「主戦場にする」と公約した。ブッシュ政権のゲーツ国防長官はオバマ政権で留任する。
 AP通信によると、米陸軍第10山岳師団の第3戦闘旅団(約3500人)がまもなくアフガンに派遣される。さらに今春、AH64攻撃ヘリコプター18機を含む軍用ヘリ約90機を主軸とする陸軍第82戦闘航空旅団(約2800人)が送り込まれる。マレン統合参謀本部議長は昨年末、現在展開中の米軍部隊3万1000人を、今年夏までに約6万人まで倍増させる方針を示した(08年12月23日付『読売新聞』)。遠いところの話ではない。沖縄では米海兵隊がIED(即製爆発装置)の直撃に耐えるとされる路上爆弾対策を施した装甲車エムラップの走行訓練を行なっている。言うまでもなくアフガン増派のためである(1月9日付『沖縄タイムス』)。
 この米軍の増派戦略は〈オバマの戦争〉が始まることを意味している。アフガン東部に展開する米軍はすでにパキスタン西部国境地域を繰り返し越境攻撃している。明らかに戦火は拡大しつつある。
 その米軍を海上自衛隊はインド洋・アラビア海での洋上給油で支援し続けるのだ。
 〈昨年末に再可決された改正給油新法をペシャワール会の中村哲医師は「ナンセンスの一語に尽きる」と言う。「空爆のための油が日本からもたらされていることを、報道によってアフガン人は知ってしまった。誰もいい気分はしないでしょう。彼らの正直な思いはもう支援も軍隊もいらないから、人を殺すのをやめてくれ、ということなのだから」。〉(1月16日付『東京新聞』)。

米軍の殺戮と破壊に加担しつつ、日本政府は復興支援を強化する。
 〈政府は1月9日、アフガニスタン中西部のチャグチャランでリトアニアが展開している「地方復興チーム」(PRT)に今春、外務省職員数人を派遣すると発表した。日本はこれまで、国際協力機構(JICA)の職員らが現地で技術協力を行ってきたが、政府職員の派遣は初めて。学校建設や医療支援などの調整や現地のニーズを調査する見通しだ。 PRTは外国軍の防護下で文民が地域復興に当たる枠組み。アフガンとイラクで実施され、地域ごとに軍が治安維持などを担い、文民が教育・保健分野の復興支援に当たる。リトアニアが昨秋、職員派遣を日本政府に打診。チャグチャランは「アフガン国内では治安が比較的安定している」(外務省安保課)ことから派遣を決めた。〉(1月10日付『毎日新聞』)
〈政府はアフガニスタンの復興を支援するため、新たな貢献策を固めた。復興の鍵を握る首都カブールの再開発計画を日本主導で策定、2025年までの完了を目指して資金・技術面から協力する。現地で復興支援に当たる政府職員の新規派遣やテロ対策への資金協力も盛り込み、治安と経済の両面から貢献する姿勢を示す。〉(1月11日付『日本経済新聞』)
〈オバマの戦争〉に加担してアフガンの人びとを殺し、国土を破壊しつつ、一方で「復興を支援してあげましょう」と言うのだ。

麻生首相が強引に進める海賊対策
 東アフリカ・ソマリア沖で起きている海賊事件に対応するため、NATO(北大西洋条約機構)加盟国が次々にソマリア周辺海域・アデン湾一帯に軍艦を派遣している。すでに英、仏、ドイツ、ギリシャ、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダなどが派兵している。さらに中国も艦隊を派遣し自国籍船だけでなく台湾の商船も警護している。アデン湾を含むソマリア沖海域には各国の軍艦が何十隻も集結している。すでに英海軍は海賊との銃撃戦で海賊2人を射殺し、インド海軍は海賊に乗っ取られたタイの船舶を撃沈した。
 世論調査のたびに支持率が下がる麻生首相は、ここで頽勢挽回とばかり、海賊派兵を強行する気である。「バスに乗り遅れるな」というわけだ。その前のめりの姿勢は、2001年の〈9・11〉直後の小泉首相(当時)にそっくりだ。〈9・11〉が起きるや、小泉はただちに訪米してブッシュの報復戦争に全面的支持を表明し、テロ対策特措法案が国会で成立する前に(!)海上自衛隊の艦船をインド洋に派遣した。その名目は「情報収集」だったが、はなはだ根拠を欠いた恣意的な軍の運用というほかない。小泉首相は国会でろくに審議をせずに強引にテロ対策特措法を成立させた。そして洋上で待機する艦隊に同特措法に基づく措置を命じ、さらに艦隊を増派したのである。
 麻生政権は当初、(1)「海賊行為対処法」のような一般法を制定する(2)海賊対処特措法を制定して対応する(3)海上警備行動を発令して海上自衛隊の護衛艦をソマリア沖に派遣するという3種の対応を考えた。しかし一般法の制定には法的な課題が非常に多く、しかも現在のいわゆるネジレ国会では(1)も(2)も早期実現は望めないので、(3)を当面の政策として押し出し、突っ走ろうとしている。
 事態は急を告げている。1月15日付の『中国新聞』はこう伝えている。
 〈アフリカ・ソマリア沖の海賊被害対策で、呉市の海上自衛隊呉基地所属の護衛艦2隻が、自衛隊法に基づく海上警備行動による派遣をにらんで準備を始めたことが1月14日、海自関係者の話で分かった。派遣が決まった場合、部隊は400―350人規模になる見込みという。
 2隻は、さざなみ(4650トン)と、さみだれ(4550トン)。遅くとも昨年12月下旬には、防衛省海上幕僚監部から指示が出ているとみられる。海自隊艦艇の海外派遣の準備には通常2カ月、最短でも1カ月かかるとされ、防衛相の発令があればすぐに出発できるよう備えているという。〉
 
強引な拡大解釈による艦隊派遣
 海上警備行動は自衛隊法第82条(注参照)に規定されているが、それはもともと海外での海賊取締りを想定したものではない。日本の周辺海域で発生する事態に備えるものだ。河村官房長官は昨年12月24日、記者会見で「海上警備行動は原則、日本の領海内を想定している」と言明している。
 海上警備行動はこれまでに2度発令された。それらはいずれも領海内に入った不審船(99年)と中国潜水艦(04年)への対処だった(いずれも事態に間に合わず対処できなかった)。麻生首相は、日本を遠くはなれたアフリカ沖での海賊対処のために海上警備行動を発令する気なのだが、それが自衛隊法のまったく恣意的な解釈によることは明らかである。
 海上警備行動は閣議で決定することができ、国会の承認を必要としない。それゆえ、防衛省幹部でさえ「安易に使われると世界中どこにでも行け、となりかねない」と懸念しているほどだ(昨年12月26日付『毎日新聞』)。麻生首相が前のめりで強気である背景には、国連安保理が昨年10月、加盟国に対してソマリア沖への海軍派遣を要請する決議を行ない、同年12月にはソマリアの領土・領空での海賊制圧を認める決議を採択したことがある。しかし海賊行為に対して国連憲章第7章(平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動)を適用するのは明らかに過剰な対応である。いかに社会や経済が破綻していると言っても、一国の領海・領土・領空に踏み込んで好き勝手にふるまうことは許されない。中国が艦隊を派遣したことが日本政府・外務省を焦らせ、派兵強行を決断させたという報道があるが、そんなことで軍隊を動かすのであれば、今後どんな派兵が強行されるかわかったものではない。

※ 注 自衛隊法第82条 防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。

海賊への対処は海上保安庁の任務である
 海上警備行動は、海上保安庁では対応が困難な場合に職務を代行することになっている。しかし海賊への対処が「海上保安庁では対応が困難な場合」に該当するかどうかなどこれまで検討されなかったし、それゆえ当然のことだが、海上自衛隊は海賊対処の訓練をしていない。海賊への対処は一義的に海上保安庁の仕事である。海上保安庁法は第2条で同庁が「海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕」を任務とすると定めている。
 〈マラッカ海峡の海賊対策では、海上保安庁がアジアの沿岸各国と情報を共有する体制を築き、人材育成を支援してきた実績がある。〉(08年12月26日付『北海道新聞』)。 〈日本は、東南アジアの海賊対策で「アジア海賊対策地域協力協定」策定を主導し、マラッカ海峡周辺国に海上保安庁の巡視船を提供するなどして海賊封じ込めに成功した実績がある。〉(08年12月27日付『毎日新聞』)
 実際、同海峡での海賊事件は激減した。「2003~07年のデータを見ると、海賊事案は東南アジアでは5年間で半数以下になっている」(外務省のホームページ)。だからソマリア沖での海賊事件についても、海上保安庁はイエメンやオマーンなど沿岸諸国に働きかけてマラッカ海峡での経験を活かそうとしている。
 そもそも日本政府の「海賊対策」は沿岸国イエメンの要請に応じ巡視船や巡視艇を供与する方向で調整を始めるところから始まったのだ。
 〈巡視船艇供与は2006年6月に閣議決定したインドネシア向けに続き2例目。イエメンの海上警備能力の向上が狙いで、政府開発援助(ODA)の無償資金協力の枠組みで実施される見通し。既に海上保安庁が今月(12月)、現地に職員を派遣し、巡視船艇導入の効果などを詳細に調査している。〉(08年12月24日付『共同通信』)
 ところが麻生首相が突出して海上警備行動発令を持ち出し、まず護衛艦隊を派遣し、その後「海賊行為対処に関する法律案」(仮称)を成立させることになった。浜田防衛相は一般法(海賊対処法)を整備した上での艦隊派遣を望んでいるが、麻生首相は押し切るかまえだ。
 
艦隊派遣を急ぐ麻生政権のアクロバット的な法の運用
 すでにのべたように、海上警備行動の発令ではるか遠方の海外で海賊に対処することは筋違いである。そこで政府が考え出した対策はまことに奇妙なものだ。ソマリア周辺・アデン湾に派遣する海上自衛隊の護衛艦に海上保安官を同乗させ、その保安官の権限を活用して、「日本船籍の乗船者に対する殺人や逮捕監禁など重要犯罪を行った海賊の身柄を拘束し、刑法の国外犯規定を適用して逮捕・起訴する」という(1月3日付『産経新聞』)。 海上自衛隊の隊員にはない権限を海上保安官に行使させて法的な辻褄合わせをしようというのである。しかしこんなことが許されるなら、海上保安官を同乗させた海上自衛隊の艦隊が「海上警備行動」を名目に世界のどの海にも展開することになる。さらにこういう情報もある。
〈アフリカ・ソマリア沖の海賊対策を求められている防衛省が、海賊に乗っ取られた船舶の解放を想定して、護衛艦とともに海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」の派遣を検討していることが1月16日、分かった。特殊部隊の派遣により、海賊対策の実効性が増す一方で、武器使用の可能性が高まることになる。
 特別警備隊は、能登半島沖で起きた北朝鮮の工作船事件をきっかけに2000年3月、広島県の江田島基地で編成された。三個小隊約八十人からなり、高速ボートやヘリコプターで工作船に乗り込み、武力で制圧する。
 政府は、日本関係の船舶を護衛艦がまとめて引率するエスコート方式をとる方針だが、船団から外れたり、個別に航行する船舶が襲撃されるおそれはある。防衛省関係者は「そのとき『何もできない』では許されない」として、特別警備隊の活用が浮上した。
 防衛省の検討では、護衛艦に乗艦させる特別警備隊は1個小隊(20数人)程度で、高速ボートも搭載する。護衛艦に搭載しているヘリも活用する。〉(1月17日付『東京新聞』)
 これは海上自衛隊が直接海賊に対処するということだが、それには当然根拠法令が必要となる。そもそも日本周辺での工作船への対応がいきなりアフリカ沖の海賊行為に対して適用されること自体にムリがある。上の記事にはまたこうある。
 〈政府は自衛隊法の海上警備行動を発令して海上自衛隊を派遣する方針で、武器使用は正当防衛・緊急避難に限って許される。それでも相手が「国または国に準じる組織」だった場合、特別警備隊が救出に向かえば、憲法九条で禁じた武力行使となる「駆けつけ警護」にあたるが、政府は「国際法上、海賊は『民間』と規定されている。武力行使にはあたらない」という。〉
 法の抜け穴を見つけて、とにかく一刻も早く派兵しようというのだが、問題はそれに留まらない。海上警備行動では日本船籍と日本企業が管理する「日本関係船舶」しか護送できない。しかし政府は「日本籍船のほか、(1)日本企業が運航を管理している外国籍船(2)日本人が乗船している船舶を海自艦艇で護送することが可能と判断した」という(08年12月24日付『産経新聞』)。これもまた強引な拡大解釈だ。外国籍船に一人でも日本人が乗っていれば、護衛艦が駆けつけるというのだろうか。防衛省内には「長期の海外派遣を実施するには82条(海上警備行動)の条文はスカスカ」との違和感が広がっているというが(1月17日付『毎日新聞』)、それはわかりやすい話だ。麻生首相は海上自衛隊の艦隊を一体いつまでソマリア沖・アデン湾に張りつけておくつもりなのだろうか。

麻生首相が派兵を急ぐ理由
 麻生首相がこれほどムリにムリを重ねて海賊派兵を急ぐのは、何も中国への対抗意識だけによるのではない。彼はこの際、自衛隊による武器使用基準を緩和し、集団的自衛権行使の既成事実を作り出したいのである。
1月8日に明らかになった、政府が今国会提出をめざしている「海賊行為対処に関する法律案」(仮称)の概要はこうである。
 〈(1)海外派遣時の自衛隊の武器使用基準を緩和(2)国籍や犯行場所に関係なく日本の刑罰法令を適用(3)外国の船舶、船員も保護対象とする。現行の正当防衛や緊急避難に限定している武器使用基準については「自衛隊の任務遂行に必要な武器使用などの権限」を検討する。外国船舶、船員への海賊行為への対応は「わが国が自ら措置を講じ得ることが必要」とした。〉(1月9日付『共同通信』)
 海上警備行動は法的には警察行動だから、武器の使用は正当防衛と緊急避難の場合に限られる。しかしロケット砲まで持っている凶悪な海賊に対処するのにそういうシバリがあるのはおかしいと世論を煽って、自衛隊が武器使用を自由に行なえるようにしたいのである。それがアフガニスタン派兵、さらにそれに続く派兵をにらんだ布石であることは明らかだ。「海賊」をダシに使って自衛隊に米軍並みの武器使用を許そうというのだ。
 ソマリア周辺・アデン湾で他国の軍艦とともに行動することに、集団的自衛権行使の先例作りの意図が含まれていることも確かだろう。麻生首相はあえて海賊対処は「集団的自衛権の問題とは関係ない」と強弁しているが、それがかえって問題の所在を明らかにしている。国連安保理決議を大義にかかげ、海上自衛隊の艦隊が数十隻の諸国艦隊に混じって行動する。麻生首相にとって、それは事実上「集団的自衛権行使」の先取りなのである。ソマリア沖の海賊対処では諸国の海軍とともに活動し成果を挙げた、それこそ国際貢献であり、今さらなぜ「集団的自衛権の行使が違憲だ」などと言うのか、とブチあげたいのだ。 麻生首相が正面から改憲を語らないのは、未曾有の世界大恐慌に対応するのに精一杯だからであり、隙あらば改憲の道筋をつけたいと思っていることは想像にかたくない。本シリーズ「反戦の視点・その66」で筆者は「財界も含めた改憲派は、ビニール袋に入った金魚が袋を突き破ろうとするように必死に出口を探している。」と記した。麻生首相は、解釈改憲によるか明文改憲によるかにかかわりなく、大不況の下で日本経済が生き残るためには海外権益を日米の軍事力で守るしかないと思っているのである。それは米国政府の意にまことにかなうことでもある。
 〈オバマ次期政権の発足に伴い退任するシーファー駐日米大使は1月14日、都内で記者会見し、現行の憲法解釈では禁じられている日本の集団的自衛権行使について「解釈を見直すべきだ」と繰り返し言明。日米両国でミサイル防衛(MD)を運用するに当たり、日本政府が憲法解釈の変更に乗り出すべきだとの見解を示した。
 またアフガニスタン情勢に関して、医師や技術者、看護師、教師などの文民派遣により、日本がより積極的な人的貢献を行うよう要求。ソマリア沖の海賊対策にも主体的に取り組むよう促した。〉(1月15日付『共同通信』
 この記事には「退任直前とはいえ、集団的自衛権をめぐって現職米大使がメ解釈改憲モの必要性に踏み込むのは異例と言える」とあるが、日本政府に対しついにかんしゃく玉を破裂させたということだ。シーファーの後任のジョセフ・ナイは「アーミテージ報告」(2000年)の共同執筆者で、彼もまた同報告で日本に「集団的自衛権の禁止の撤廃」を求めていることを私たちは忘れるべきではない。 
海賊行為対処に関する与党プロジェクトチーム(PT)はもともと「まず派兵ありき」の姿勢で、麻生首相はPTの結論を得次第、海上警備行動を発令する。

「海賊退治」ではなくソマリア社会の再建を支援すべき
 ソマリアでは、ひたすら無秩序と暴力が支配し経済も社会も崩壊している。91年の内戦以来、全土を統治する政府は存在せず、多数の氏族間で抗争が続いている。同国は「アフリカの角」と呼ばれる戦略上の要地であり、海洋資源や石油資源が豊富であるため、たびたび大国や隣国の介入を招いてきた。ソマリアの人びとは社会の再建を自力で図る機会を奪われてきたのである。国連安保理の決議はその現実を直視せず、国際社会としての責任を果たそうとしない。軍事介入ではなくソマリア社会の自力での再建を支援することが何より大切なのだ。「海賊退治」ではなく海賊を無数に生み出す土壌に目を向けねばならない。外科手術ではなく漢方的対応が不可欠なのだ。
 海賊派兵は、大不況対策で行き詰まった麻生政権が、お定まりの手法だが、私たちの目を自らの失策から外にそらさせるための景気づけである。同時に自衛隊に自由な武器使用を許し、事実上集団的自衛権の行使に踏み込むための策謀にほかならない。そこに潜むのは、日本の海外派兵を新たな段階に押し上げようとする危険な意図である。

 今こそ、今すぐ、声を上げねばならない。 「海賊派兵」に断固として反対しようではないか。

※声を上げる方法※
 首相官邸のホームページに「ご意見募集コーナー」があります。そこから各府省に抗議文や要請文を送ることができます。


「海賊対策」をかかげた麻生首相によるアフリカ・ソマリア沖への海上自衛隊艦隊の派遣に反対する声明

                       市民の意見30の会・東京
  2009年1月19日

 「アフガニスタンを主戦場にする」ことを大統領選挙で公約したオバマ米新政権がまもなく成立します。現ブッシュ政権のゲーツ国防長官が留任し、2000年の「アーミテージ報告」で共同執筆者として日本に「集団的自衛権行使の解禁」を求めたジョセフ・ナイ氏が駐日大使として赴任します。

 その動きに呼応して、麻生首相が日本の海外派兵に新たな段階を画そうとしています。「アフリカの角」と呼ばれるソマリア沖に急遽、海上自衛隊の艦隊を派遣して、海賊行為に対処しようというのです。私たちはこのどさくさまぎれの「海賊派兵」に強く反対します。

 日本政府は昨秋、イエメンやオマーンなどソマリア周辺国に海上保安庁職員を派遣してそれら諸国が海上警備能力を強化することに協力する方針でした。しかし麻生首相は「海上警備行動」発令による「海賊派兵」をしゃにむに強行しようとしています。自衛隊法第82条に規定されている「海上警備行動」は「原則として日本の領海内を想定している」(河村官房長官)にもかかわらず、強引で恣意的な法解釈によって海自艦隊の派兵を急ぐ背景には、NATO(北大西洋)加盟諸国が次々にアデン湾を含むソマリア沖に艦隊を送り込み、中国も艦隊で自国籍船や台湾商船を護送し始めたことがあると報道されています。

 しかし麻生政権が狙っているのは、この「海賊行為対処」を機に自衛隊の武器使用基準を緩和することであり、諸国艦隊とともに作戦を行なうことで「集団的自衛権行使」を先取りする既成事実を作ることです。ネジレ国会で今すぐ「海賊行為対処に関する一般法」を成立させることは困難なので、とりあえず国会の承認を必要としない閣議決定で「海上警備行動」を発令しようというのですが、政府が今国会に提出を予定している一般法案の概要には「海外派遣時の自衛隊の武器使用基準の緩和」が明記されています。

 すでに海上自衛隊呉基地所属の2隻の護衛艦「さざなみ」と「さみだれ」が「海上警備行動」発令をにらんで準備を始めたと1月15日付『中国新聞』は伝えています。麻生首相の異常な突出ぶりを私たちは許しません。

 問題の海賊事件は大国に翻弄され国際社会に見捨てられたソマリア社会の荒廃を土壌として生まれています。日本政府は海賊退治ではなく、ソマリアの経済と社会の復興を支援すべきです。私たちは麻生首相に「海賊対処」を名目とするソマリア沖への海自艦隊派遣を止めることを強く要求します。
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★★「これは(米軍の攻撃で)夫を亡くした女性や孤児、そしてイラクで殺されたすべての人たちからだ」★★

2009年01月18日 | これだけは言いたい!

イスラエルは18日、パレスチナ自治区ガザで続けていた軍事作戦を停止すると一方的に宣言し戦闘行動を停止した。メディアには「停戦」という大活字が踊るが、少なくとも戦闘部隊の引き上げと、封鎖解除があってはじめて停戦と言えるのではないか。
 12月27日の攻撃開始以来、ガザではイスラエルの攻撃によって1300人の命が失われた。このうち400人以上は子供だ。 この間イスラエルは、国連の難民救済機関が運営する学校(3カ所)を砲撃したり、空中で爆発して1000度Cにもなる白リン弾を密集地に投下したという。ガザは東京都の半分位の面積しかなく、そこに150万人が暮らす、というより閉じこめているのだ。そんなところにどうしてこのような非道きわまりない一方的な攻撃を行うことができたのだろう。

「ハマスのロケット弾攻撃をやめさせるためにガザを攻撃」というフレーズが繰り返し流されてきた。 イスラエルが言い、米国が言うだけではない。メディア(マスゴミ)も「ガザ侵攻」を伝えるときに必ずこのフレーズを挿入して、“どっちもどっちという“マインドセット”を押しつけようとする。しかし、イスラエルが06年のハマス政権成立以来何度もガザに対する空爆を行い、今回の停戦中も大規模空爆を行ってハマスの手製ロケット報復に至った事実を見るだけでも、《3年前からガザに対する攻撃準備(政治宣伝工作・想定訓練等)は始めていた》という情報や、《ハマスと停戦した6月ごろから具体的な侵攻準備に入った》という情報の信憑性が高いことが解り、日本のメディア(マスゴミ)の役割もあぶり出される。

40年間、中東問題を専門に取材・発表してきた広河隆一さん(DAYS JAPAN編集長 フォトジャーナリスト)は、「今回、メディアのガザ報道について、看過できない点が多く」あるということで、「ガザ報道に携わるメディア関係者及びその報道に接する人々へ」訴えている。
http://daysjapanblog.seesaa.net/article/112508511.html

そして、練馬に住んでいた頃から懇意にしていただき、今はときおり読者会に参加して問題提起や議論の盛り上げに協力いただいている井上澄夫さんから投稿「これは(米軍の攻撃で)夫を亡くした女性や孤児、そしてイラクで殺されたすべての人たちからだ」をいただいた。
(練金術師)

★★「これは(米軍の攻撃で)夫を亡くした女性や孤児、そしてイラクで殺されたすべての人たちからだ」★★

2009年01月17日 | 練馬の里から
反戦の視点・その67
「これは(米軍の攻撃で)夫を亡くした女性や孤児、そしてイラクで殺されたすべての人たちからだ」
                                井上澄夫
 イスラエル空軍が2008年12月27日、パレスチナ自治区ガザに大規模な空爆を始め、今年に入って同海軍が艦砲射撃を開始したほか、同陸軍はガザに侵攻し、戦車の砲撃などで住民の死傷者を激増させている。英BBCによると、19日間の攻撃による死者は1038人、負傷者は約4700人に上っている(1月15日付『朝日新聞』)。

 まもなく大統領府を去るブッシュ大統領(以下、ブッシュ)は、かつて中東全域の「民主化」を呼号していた。アフガニスタンのタリバーンを倒し、イラクのサダム・フセインを倒すことによってドミノを倒すように中東「民主化」を達成するという構想を抱いていた。むろんそれにはパレスチナ・イスラエル間の和平も含まれ、末期ブッシュ政権はそれに向けて調停を行なったが、イスラエルのオルメルト暫定首相は、オバマ新政権が成立する前にガザのハマス(後注参照)を殲滅して2月に予定される総選挙を政府・与党を有利に導こうと、政権末期に錦を飾りたいブッシュの思惑を打ち砕いた。 完全に死に体のブッシュは、それでも「ハマスがイスラエルへのロケット弾攻撃を中止しない限り、持続可能な停戦は実現しない」とのべて、イスラエルの残虐な侵略を支持している。
 ※注 ハマスは2006年1月、国連監視下の民主的な選挙(パレスチナ評議会選挙)で過半数の議席を得た政党であり、「イスラム過激派」(『朝日新聞』の表記)というレッテルは間違っている。 アフガニスタンではタリバーンが息を吹き返した。イラクはどうか。ブッシュは12月14日、任期中最後のバグダッド訪問を行なった。それはイラクの治安回復を印象づけ、自分のイラク政策の正当性をアピールすることが目的だったが、目論見がはずれるどころか、世界注視の前で赤っ恥をかくことになった。イラクのマリキ首相と臨んだ記者会見中にイラク人記者がブッシュに靴を投げたからである。イラクでは靴を投げつけるのは最大の侮辱行為だという。 12月15日付『東京新聞』から引用する。

 〈大統領が「戦争はまだ終わっていないが、間違いなく勝利の途上にいる」などと話したところ、イラク人記者が「これはサヨナラのキスだ。おまえは犬だ」と叫んで自らの片方の靴を大統領に投げ、さらに「これは(米軍の攻撃で)夫を亡くした女性や孤児、そしてイラクで殺されたすべての人たちからのものだ」と、もう一方の靴も投げ付けた。〉

 靴を投げた記者の「これは(米軍の攻撃で)夫を亡くした女性や孤児、そしてイラクで殺されたすべての人たちからだ」という叫びは、世界のすべての人びとの脳裏に深く刻まれていい。 12月20日付同紙夕刊で東京外国語大学大学院教授の酒井啓子氏がコラム「放射線」でこう記している。

 〈靴投げ事件に、衝撃を受けた人も多かったに違いない。だが逆に、「なんでこんなことが」と驚かれたことに、筆者は衝撃を受けた。(中略)。未だ各地で続く反米活動は、特殊なテロリストだけのことで、普通の人は米国に怒っていないと思われているということか。
 占領下という異常事態で、普通の住民がどれほどフラストレーションを溜めているか、想像力が及ばないのは悲しいことだ。 占領状態が半世紀以上続いているパレスチナでも、三世代に渡って人権を奪われ続けることがどういうことか、想像の至らない者には、そこで起きていることはただのテロにしか見えない。〉

 まったく同感である。 多くの人がイラクについて考えるとき、まず脳裏に浮かべるのは「自爆テロ」だろう。しかし侵略され占領されている側が反占領のレジスタンスを起こす場合、それは様々な形で展開される。武力を用いる反撃はその一形態にすぎない。武器を持たない、あるいはあえて武器を手にしない人びとの抵抗は非暴力の不服従である。それは面従腹背を常態とする。アグネス・チャン氏がイラクを訪問して、子どもたちは米軍車両に歓声を上げて手を振るが、去ってしまうと「イーだ」という顔をすると報告していたが、そのとおりだろう。
  大多数の住民が米軍の言うことを聞くふりをして、実際にはまったく従わないか、少ししか従わない。どの程度、占領者・米軍の言うことを聞くか(あるいは聞くふりをするか)はその時々の状況や力関係による。 かつて中国を侵略した皇軍(天皇が統率する軍隊の自称)に住民がどう対応したか、それを思い起こせば、イラクで続いている反占領レジスタンスのありさまは想像できるだろう。蝗軍(こうぐん、後注参照)と呼ばれた日本侵略軍は鉄道に沿って点と線しか確保できず、中国の人びとの《敵意の海》を漂うことになった。武装せず普段着のまま日本軍支配地に潜入して活動するゲリラたちは「便衣隊」と呼ばれたが、誰が「便衣隊」であるのかわからないので、皇軍にとっては住民のすべてが「便衣隊」に見え、無差別の殺戮を行なって人びとのレジスタンスを自ら強化した。
 酒井氏の「占領下という異常事態で、普通の住民がどれほどフラストレーションを溜めているか、想像力が及ばないのは悲しいことだ。想像の至らない者には、そこで起きていることはただのテロにしか見えない。」という指摘をもう一度噛みしめたい。
 ※注 蝗はイナゴ。中国は突如発生するイナゴの大群が農作物を食い尽くす自然災害に見舞われてきた。殺し尽くし・焼き尽くし・奪い尽くす皇軍を中国の人びとは激しい憎しみをこめて蝗軍(イナゴの軍隊)と呼んだ。 ブッシュはまもなくホワイトハウスを去る。ブッシュは1月12日、最後の記者会見でイラク戦争などによる米国の威信低下を質問されると、「自由の国である米国の威信は落ちていない。世界の大半の人は米国を尊敬していると思う」と強弁した。これほど滑稽な言い種(ぐさ)はない。これはもう漫画にもならない。
 許しがたいのは、イラクで大量破壊兵器が発見されなかったことについて「大いに失望した」と回顧したことだ。冗談ではない。ブッシュは、フセインが「大量破壊兵器を保有していること」と「テロリストを支援していること」とを大義としてかかげてイラク侵略に踏み切ったのではなかったか。 ジョージ・W・ブッシュは「靴を投げられた大統領」として記憶されるだろうが、彼がアフガニスタンやイラクで重ねた戦争犯罪はこれから永遠に追及されるべきである。そして今、私たちの眼前で強行されているイスラエル軍の残虐きわまる攻撃がブッシュの全面的な後押しを受けていることに、私たちは強い抗議の声を上げねばならない。

●付記 以下に市民の意見30の会・東京の声明を添付する。


【イスラエル政府への抗議と要求】

                        市民の意見30の会・東京

                          2009年1月14日 

  私たち、市民の意見30の会・東京は、昨年12月27日から強行されているイスラエル政府によるパレスチナ自治区ガザの市民に対する攻撃に強い怒りをもって抗議する。
 1948年、国連決議により領土を分割してからもイスラエル政府は「パレスチナが存在する限りイスラエル国家は樹立できない」と強弁して領土拡大を行ない、1967年の第3次中東戦争でガザを軍事占領。以来、ガザではイスラエルによる暗殺攻撃や侵攻が繰り返し行なわれてきた。2008年からは、さらに食料、燃料の搬入が厳しく制限され、医薬品の持ち込みどころか病人の搬送さえできず、蔓延する貧困のなかで150万人のパレスチナ人が高いコンクリート壁に囲まれたこの狭い区域に閉じ込められ、いま連日、空・海・陸からの圧倒的な軍事力による攻撃にさらされている。 この事態は、「ナクバ(大破局)」の繰り返しであり、イスラエル政府自身が「ショアー(ホロコースト)」を再現していることではないのか。
 こうしたなかで、イスラエル政府は、これまでガザに対する攻撃はハマスのロケット砲攻撃に反撃する自衛権の行使であると主張してきたが、しかし連日行なわれている空爆、艦砲射撃、砲撃は、とうてい自衛権を口実に正当化できるものではない。これは1948年のイスラエル建国以来続けられてきたパレスチナ人に対するエスニック・クレンジング(民族浄化)の新たな段階であると私たちは判断する。
 とくに、1月9日、ザイトゥン地区で行なわれた殺戮は、1軒の民家にパレスチナ人110人を押し込め、そこに複数回砲撃を加えて子どもを含む30人以上を殺害したものであり、この明らかに意図的になされた凶行は決して許されることのない戦争犯罪である。また1月11日、フーザ村で人家に向けて白リン弾を発射したことが報道されているが、空気に触れただけで高温を発する白リン弾は、人体に触れると高温を発し、骨を溶かすほど強力に燃え上がる兵器で、多くの人権団体が使用禁止を訴えている。その白リン弾を人体に向けて発射することも決して許されることのない戦争犯罪である。 
 私たちは反ユダヤでも反イスラエルでもない。人間に対する非人道的な行為を許すことが出来ないだけである。私たちはイスラエル・テルアビブで1月3日、今回の戦争に反対するイスラエルの人々1万人が抗議行動を行なったことを高く評価する。私たちはこれ以上、この愚劣で非人道的な殺戮行為を座視することはできない。
 よって、これまでに失われた人命と負傷に苦しむ人びとに深く思いをいたし、以下のことをイスラエル政府に要求する。

(1) ガザへの攻撃をただちにやめること。

(2) パレスチナにおける国連人権特別報告者・リチャード・フォーク氏のガザ訪問を認めること。彼による一日も早いガザの立ち入り調査を世界は求めている。イスラエル政府は続けて国連の調査団を受け入れるべきである。

(3) 一刻も早くガザ封鎖を解除して、必要な食料、燃料を市民に提供し、不足していた医薬品を供給し、攻撃により負傷した人びとの治療を十分に行なうこと。 

  ★★ 会社は/国は/…誰のもの ★ 富裕層(腐遊層)の責任は ★★

2009年01月05日 | これだけは言いたい!
 日本を代表する企業によって一斉に実施された“派遣切り”。

 未曾有(みぞうゆう=麻生読み)の金融崩壊=経済危機をエクスキュースとして「100年に一度…」だとか、「津波がきた…」だとかの説明(正当化)で、しくみをつくり貪(むさぼ)ってきた“当事者性”から逃げ切ろうとしているように見えた政府・財界。 

 日比谷の派遣村には来村者が殺到し、ひとの命に関わる問題として野党議員の仲介もあって行政(責任者たる厚生労働省)をやっと突き動かすことはできたようだ。しかし、これからが冬本番であり、正念場だ。予断は許されない。

 責任ある者に責任をとらせない国は腐ってゆくしかない。

 ここに、私たち市民のセフティネットに対する見方をも問い、大企業経営者に「自分の子や孫に『人の命を大切にしろ』と教えることができますか」と問いかける湯浅誠さんのメッセージ(動画=視点・論点NHK)がある。いま、誰しも心に刻むべきメッセージだ。
※動画がでない場合はここをくりっく



 そして、植草一秀さんの『知られざる真実』ブログでは、市場原理主義(新自由主義)の帰結として“派遣切り”が横行している以上、竹中平蔵ら“市場原理主義者の総括が変革への第一歩”だと詳しく論述している。たいへん解りやすいので、以下にその一部を引用させていただく。

《「資本の論理」を代弁する「市場原理主義者」が、労働市場の規制緩和を推進した。
「市場原理主義者」の特徴は、「資本の利益増大」だけを追求し、「労働者」の分配所得減少、労働者の身分の不安定化にまったく配慮しなかったことだ。「資本」が利益追求に走る場合、「資本」は「労働」を機械部品として取り扱う。》

《市場原理主義者は「資本の手先」としての行動を貫いて現在に至っている。この期(ご)に及んで「法人税減税」を唱える人物に、意見を求める理由は存在しない。》
《~雇用者の所得が減少した一方で、大企業収益、役員報酬、株主配当が倍増した。企業は存続の限界線を歩んだのではなく、史上空前の最高益を謳歌(おうか)したのだ。》

《結局、労働市場の規制緩和は、「労働」の犠牲のうえの「資本」の利益増大をもたらしただけだった。》

《日本の法人税負担は実効税率で比較して、諸外国に比べて突出して高いものではない。法人税が高いと主張して海外に移転するなら、そのような企業は海外に移転すればよい。そのような企業の製品を日本国民はボイコットすることになるだろう。》

《「市場原理主義者」が「大資本(業)」、「特権官僚(官)」、「外国資本(外)」の利益だけを追求してきたことを明確に認識しなければならない。「市場原理主義者」は企業を取り巻く環境変化の機に乗じて、「労働」に犠牲を強いる「資本の論理」を日本社会に強引に植え付けた。「市場原理主義者」を総括することが、新しい時代に踏み出す第一歩になる。》

まったくその通り
 毎年「史上空前の利益を更新」し、自公与党がばらまこうとしている悪評高き“定額給付金”の総額を上回る2兆2000億円もの経常利益を上げても、ためらわず真っ先にその利益の源泉たる非正規雇用を切る会社(トヨタ)。
 経営判断の誤りを棚に上げて、正規・非正規併せて16000人もの首切りを宣言した社長自らが「雇用を優先して損失を出すことが、私に期待されていることではない」(1月5日朝日新聞)などと言い切る会社(ソニー)。

 ひとを大切にしないそんな会社が造る製品には、金輪際(こんりんざい)手をださない!ようにしたい。

(練金術師)



  ★★★ ‘サロン’もまたよし ★ 12月例会レポート ★★★

2009年01月03日 | 読者会定例会
 12月の練馬読者会は、忘年会も兼ねた拡大読者会だった。反リストラ産経労執行委員長の松沢弘さんが初めて参加され、日刊工業新聞からの不当解雇取消裁判・中央労働委員会の解雇正当審決取消し請求の行政訴訟について、お話を伺うことができた(詳細はこちら)。   

 会では、裁判員制度の是非・問題点、麻生邸事件不当逮捕者救援運動を通じてみた現在の若者の発想から学べること、戦争体験、年内死刑執行の可能性(結局なかった)などについて議論が交された。そしてこの日は、例によって寂静庵残留組で「朝まで読者会」をすることになった次第。
読者会も長く続けていると、サロン的ムードになるが、「自由に意見を言い合ったり議論したりする中で、お互いに高めあい、それを職場、家庭などで話すことを通じて、少しでも社会全体の時事感覚などを高めていくことで十分存在意義はあるので、サロンと位置づけるだけでも十分ではないか。」という指摘や、「開かれた会」、「市民としての意思表示」、「市民運動との関わり方」などに関する意見も出た。

松沢弘さんという、今後のジャーナリズム、さらには労働者の人権のために不当解雇と闘ってこられた方とお会いできたこともあり、大いに実りある会とすることができた。

 昨年は、国民や野党の強い要求があったにもかかわらず、ついに解散総選挙は行われませんでしたが、今年は、遅くとも9月までには確実に総選挙が行われます。昨年1年間で、福田内閣から麻生内閣に代わりましたが、自民党の政権担当能力の欠如、国民無視体質は、昨年年明け時にも増して明らかになってきました。これは誰が自民党総裁になっても変わらないと思います。そのため、次回総選挙での政権交代の可能性は、これまでになく高まっております。この史上稀にみる好機を無にしないよう、是非とも自民・公明両党の政権からの引きずり下ろし、そして改憲策動の完全消滅への決意を語り合いたいと思っているところです。日本に憲法を取り戻したい、日本の新たな歴史を創りたいと思っている方、練馬周辺にお住まいに限らず、どなたでも大歓迎です。せっかく好転してきた今の状況を無にしないように、みんなで憲法を守り、そして、活かす決意を新たにしましょう。次回の読者会は24日です。日本に憲法を取り戻したい、日本の新たな歴史を創りたいと思っている方、どなたでも大歓迎です。
 (kdak)

  練馬読者会は開かれた会です。
  練馬周辺にお住まいに限らず、どなたでもどうぞ。

09年1月練馬読者会例会


  日  時:2009年1月24日(土) 19時から
  会  場:喫茶ノウ゛ェル(西武池袋線大泉学園駅北口駅前)
  会  費:喫茶代
  問合わせ:nerikinjyutu@mail.goo.ne.jp
       または03-3925-6039 近藤まで。

   ●●● 年頭にあたっての感想 ● 人々の絆 ●●●

2009年01月01日 | みんなの日記
 おいらは夢を見た。
 …だだっ広い皇居の、緑にかこまれた芝生にテント村ができていた。
 年に2回の公開日(抽選)以外は、ふつうの人々には隔絶されている「吹上御苑」らしい。
 そこには現実の“ネオリベ社会”からはじき出されたありとあらゆる困民(こんみん)が集っていて、なんと!天皇陛下自身が炊き出し作業に勤(いそ)しんでいる…!

 …そんな夢だったけど、残念なのはこれが実際にはあり得ない“初夢”、じゃなくて夢夢のまた夢だったということ。天皇や皇室が、この国の“格差”と“差別”のテッペンにまつりあげられている間は、絶対にあり得ないことだよネ。

 現実はどうなっているンだろう?
 新聞を見てみると、天皇陛下は年頭に当たっての感想とやらで「多くの人々が困難な状況におかれていることに心が痛みます」、「国民の英知を結集し、人々の絆(きずな)を大切にしてお互いに助け合うことによって、この困難を乗り越えることを願っています」と述べたんだと。(記事
 
 同じ元旦の紙面には「年越し派遣村」が、日比谷公園に開村した(12月31日~1月5日)というのが載っている。(記事

 年越し派遣村は、「おたがい『ようこそ』と言い合える村にしましょう」というルールのもと、「派遣切りされたと言われた8万5千人は氷山の一角。既に建設業・サービス業にも余波は及び始めている。路上支援が定着している池袋や渋谷でも炊き出しに例年の1.5倍の人がやってきている。私たちも今回はじめてこの地で支援を行うが、もともとこの周辺に野宿しているなかまも、東京駅周辺のなかまも、もちろん区別なくみなさんを受け入れる。不況になったとたんに職を奪い住を奪う、こんなのは刑事犯罪ではないか! 工場のある地域では派遣労働者が住まいを追い出されて空き家だらけなのに路上生活者が増えるというこんな世の中はおかしい! ということを、怒りを共有しながら来年以降訴えていこう。」(湯浅誠村長・開村の挨拶)なんだって。時間つくれたら行ってみよう。詳しくはこちら

 だから、おいらは思っちゃう。
人々から隔絶されたテッペンから“人々の絆”なんて言われても困るのだ!
 だって皇居のすぐ近くの日比谷公園で陛下とはま反対の人々が、
陛下のいう“人々の絆”を、たしかにつくりだしているンだから…。

(在日日本人)