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●● 政権交代 ● 民主党へいれる不安?●●

2009年08月14日 | これだけは言いたい!
  民主党への疑問”についての私見

  8月30日(日)の衆議院議員総選挙まであと2週間程に迫ってきました。今回の総選挙は、結果に関わりなく、今後の日本の帰すうを左右する極めて重大な選挙になると思います(向こう4年間に止まらない)。
 そこで、本稿では、自民党を政権から引きずり下ろしたいが、“民主党政権”に不安や疑問を感じると思っておられる方に、私(kdak)なりの意見を申し上げたいと思います。

【疑問 1】
 民主党には、自民党と同様に、集団的自衛権を肯定するような軍事タカ派(前原誠司氏など)や、戦前の侵略を正当化するような歴史修正主義者(松原仁氏など)といった極右的な議員がいたり、また、鳩山由紀夫代表自身が前回党首だったときに小泉改革にエールを送るなど、自民党に追従して新自由主義政策を推進してきたことを思うと、民主党中心の政権に代わっても、従来の自民党と何ら変わらないのではないか。
【意見】
 確かに、その点については、筆者も全く不安を感じていないということはありません。ですが、民主、自民両党の選挙公約や幹部の前回総選挙以降の発言等を比較していけば、党の総体としては、民主党の方が、国民生活を守り、貧困者を救済し、日本国憲法に忠実な政治をしようとする決意が、より感じられると思っております。
また、極右的な議員にしても、党として意思決定するまでの過程においては、執行部を批判したりしても、一度党として意思決定した以降は、党の意思に忠実に従って行動し発言しております。そのことからすると、極右的な議員にしても、自民党政権によって起きた種々の問題(生活格差・貧困の拡大、財政悪化、外交・内政両面における常軌を逸した対米追従、自衛隊活動の拡大などの相次ぐ憲法無視)に対して、民主党中心の政権の一角を担う立場から(護憲派からすれば不十分な面がありながらも)解決すべく取り組むことが期待できると思います。
 また、逆も真なりで、自民党の比較的リベラルな候補(加藤紘一氏など)も同様に、党として意思決定するまでの過程においては、執行部を批判したりしても、一度党として意思決定した以降は、党の意思に忠実に従って行動し発言してきたことからすると、自民党政権によって起きた種々の問題を発生させた責任を免かれず、また、自民・公明両党に問題の解決を期待できません。期待できない以上、どんなにリベラルであっても、自民党の候補に投票することは、問題をさらに助長すると言わざるを得ません。
 以上のことからすると、自民・公明両党を政権から引きずり下ろしたいのであれば、たとえその候補がどれだけ極右的であっても民主党の候補に投票すべきではないかと思われます。そして、その方が、長期的にみれば近年の壊憲の流れに歯止めがかかり、憲法の理念の現実化もよりなされると思います。

【疑問 2】
 仮に、政権交代がなったとして、民主党中心の政権が自民党政権とほとんど変わらなかった場合、政権交代した意味がないのではないか。
【意見】
 まず第一に、政権交代がなって発足した民主党中心の政権が、自民党政権とほとんど変わらないか、あるいは、自民党政権と根本から変わるかは、政権交代がなってみなければ何とも申し上げようがありません。 ただ、政権交代がなって発足した民主党中心の政権が、自民党政権と根本から変わるか変わらないかは、一人一人の国民が、自民党政権と根本から違う政策をするように民主党中心の政権にどれだけ働きかけるか。また、誤った方向へ行きそうになったときに、どれだけ批判できるかにかかっていると思います。このことは、民主党に限らず、どの政党が政権を担っても当てはまることだと思います。
 さらに、政権交代の目的は、単に政治の方向性を変えるだけでなく、政策に失敗したり腐敗したりした与党を政権から引きずりおろすことにより、与党に責任を取らせることにもあると思います。それだけに、多くの問題を引き起こし腐敗した自民・公明両党を政権から引きずりおろすことは、そのこと自体に十分意味があると申し上げることができると思います。

【疑問 3】
 民主党の極右的な議員が、当選後も極右的な言動を繰り返した場合、どのようにすればよいか。
【意見】
 この点についても、上記と同様に、選挙後にその議員に極右的な認識を改めるように促し、それでも改めない場合には、民主党に対しその議員を処分するなどの対応を要求していくべきではないかと思われます。

【疑問 4】
 民主党は、連立相手の社会民主党のようには護憲を前面に出しておらず、憲法改定を党是にすらしているので、憲法が踏みにじられている現状は変わらないのではないか。
【意見】
 この点については、私も不安を感じていないわけではありません。
 ですが、護憲を明確に掲げている政党が少数になってしまった現状が
 旧社会党時代、今の社民党が自民党に次いで第2党、野党第1党を占めていた時期に、共産党、公明党、民社党、さらには社会民主連合、新自由クラブといった当時の野党間の共闘を図り、自民党を政権から引きずりおろす努力、憲法の理念を現実化しようとするような政権を樹立する努力を怠ったばかりか、冷淡な態度すらとった国民にも原因があるのではないかと申し上げざるをえません。その意味で、現状を嘆くのは間違っているのではないかと思わざるを得ません。ですから、現状の中で、より憲法の理念が現実化する方向にいくにはどのようにすればよいかを考えて、投票する政党・候補者を決めるよりないと思います。

 以上が、民主党への疑問に対する私なりの意見ですが、この意見の根本には、当たり前のことかもしれませんが、民主主義の政治においては、主権者である国民が、政権担当者(政権政党)を国民一人一人の主体的な意思によって(選挙において)決め、政権担当者が権力を濫用したり政策を誤ったりしないよう監視し、国民自身が選んだ結果に対し責任を負わなければならないということがあります。僭越かとはおもいますが、このことだけは申し上げたいと思います。
 以上の私の意見を読んだ一人でも多くの方が自民・公明両党を政権から引きずりおろす決意をもって投票されるよう切に願わずにはいられません。
 よろしくお願い致します。
(kdak)

練馬読者会8月例会

  日  時:2009年8月22日(土) 19時から
  会  場:喫茶ノウ゛ェル(西武池袋線大泉学園駅北口駅前)
  会  費:喫茶代
  問合わせ:nerikinjyutu@mail.goo.ne.jp
       または03-3925-6039 近藤まで。