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■◆■ 参考資料・福田王国(群馬県)のお話し ■◆■

2009年08月05日 | 参考資料
《『フライデー』2007年12月7日号》より

〔告発ルポ〕
 総事業費8800億円! 52人の天下りのムダ
  福田首相「地元八ッ場ダムでの国交省天下りシステム」に怒!


            取材・文 横田一(ジャーナリスト)

 福田康夫首相(71)のお膝元・群馬県長野原町で、55年前に計画された「八ッ場ダム」の建設が進んでいる。総事業費は4600億円で、下流域の関連事業や起債の利息を含めた国民の総負担額は8800億円とダム事業としては全国トップ。
 利水と治水が目的だが、供給予定の首都圏(東京・埼玉・千葉・茨城・群馬・栃木)では水需要が低迷し、人口減少時代となって水余りに拍車がかかる。
一方の治水も非現実的な洪水を前提にしているため、効果が乏しい。「日本一無駄なダム」と批判されているのはこのためだ。しかも福田首相の父・赳夫元首相が強力な推進派だったことから、「地元では“福田ダム”と呼ばれています」(住民)。

 なぜ必要性の乏しい“福田ダム”に巨額の血税をつぎ込むのか。長妻昭衆院議員(民主)は、八ッ場ダムに関する資料を国土交通省に提出させていた。ダムの工事名・落札業者・落札金額・契約日が入った一覧表や、国土交通省から落札業者への天下り数(再就職数)などをまとめたもので、分量はA4判23枚に及ぶ。

 長妻議員はこう振り返る。

「国交省に資料提出を求めた時、最初はごく一部しか出してきませんでした。それで何回も執拗に要求して、やっと詳しい資料を出してきた。それを見ると、出し渋る理由が何か、想像がつきました。ダム工事を落札している37社の企業に国土交通省職員が52人、7つの公益法人を含めると77人が天下っていたのです」
 工事落札業者のゼネコンの中には、自民党に献金していた企業(鹿島・大林組・小田急建設など)もあった。「典型的な政官業の癒着です。ちなみに民主党は臨時国会の最重要課題に『税金の無駄違い一掃』を掲げ、天下りの廃止を求めています」(長妻講員)

 “福田ダム”の建設は、国交省OBの天下りのためという側面があるわけだ。元キャリア官僚も、こう話す。「国交省に限りませんが、官僚の最大の関心事は天下りです。だから『費用は低めに、効果は水増しする』という常套手段(情報操作)を使って無駄な公共事業を正当化し、着工にこぎつける。後は『予想外に地盤が軟弱だった』などと言い訳をして事業費を膨らませればいい。工事さえ始めれば、請負業者が増え、天下り先も次々と出来るという計算なのです」

 こうした役人の悪知恵を見抜いてダム建設を中止させたのが、鳥取県の片山善博・前知事。建設予定の中部ダムについて県土木部は「護岸工事の147億円よりダム工事の140億円のほうが安い」と正当化していたが、片山前知事は「嘘を言ったら情報公開条例で罰せられるぞ。試算をやり直せ」と迫った。これに震え上がった役人が「本当はダムが230億円、護岸工事が78億円でした」と改ざんを認めたのだ。
 10月10日の予算委員会で、前原誠司・民主党副代表は、片山前知事の“武勇伝”を紹介した上で「徹底した情報開示」の重要性を訴えた。対する福田首相はひょうひょうとこう答えた。「私の県にも大きなダムがあります。八ッ場ダムみたいな建設中のもある。日頃、(ダム問題への)関心は十分持っている。需要がどれぐらいあるのか。可能な限り、情報公開しながら、的確かつ厳格なる事業評価をしていかなければいけない」
 期待を持たせたのはいいが、質問から1カ月以上経っても「国交省から新たな情報公開の資料や厳格な事業評価の結果は届いていない」(前原事務所)。

 国会で答弁しておきながら放置したままでは、福田首相は「役人の味方なのか」と批判されても仕方がない。実は、八ッ場ダムの総事業費(関連事業費や利息を除く)も、86年当時は現在の事業費の半分以下、2110億円しかなかったのである。ダム予定地は地質が軟弱で、今後、総事業費がさらに膨らむ恐れもある。鳥取県と同じような情報操作の可能性があるのに、福田首相は国会で約束したことを国交省に実行させていなかったのだ。
 不甲斐ない福田首相を、野党は徹底して追及する構えだ。前原副代表は「今後も情報公開や厳格な事業評価を求めていく」と手綱を緩めず、野党国会議員有志からなる「公共事業チェック議員の会」(鳩山由紀夫会長)も、12月10日に八ッ場ダムの現地視察を決定。そして同会のメンバーである川田龍平参院議員は11月17日、先発隊のような形で工事現場を見て回った。橋梁やトンネルを目にした川田議員は、こう話す。「莫大な税金の無駄遣いに驚きました。東京選出の国会議員としても『水は余っており、ダムは必要ない』の立場で国会(所属は環境委員会)でも取り上げたい。薬害エイズ問題は厚生官僚が製薬会社に天下っていることが大きな原因でした。八ッ場ダムでも国交省の役人が落札業者に天下り、建設推進をしています。国交省と厚労省が業者のほうを向くのは天下り構造が続いているからです。天下りは直ちに止めるべきです」

 視察に同行した角倉邦良群鳥県議もこう話す。「県議のうち反対派は2人だったが、統一地方選挙で反対・慎重派県議が10人に増えました。事業費を負担する下流域(東京都など)
の都・県議とも連携したい。ダム中止を視野に入れ、水没予定地区住民の生活再建を支える法案が国会に提出されることを期待しています」

 強まる反対論に耳を傾け、福田首相はダムの見直しに着手するのか。それとも国交省の天下りシステムを温存するのか。

 なお福田首相にダムの必要性などについて質問状を送付したが、期限までに回答はなかった。国交省も「八ッ場ダムは治水対策上や水資源確保のために必要不可欠な施設。天下り先確保のために推進しているわけではない」と反論した。
 だが、03年から05年のたった3年間で77人もの役人が再就職する公共事業を天下りシステムと言わずしてなんと言うのだろうか。


●八ッ場ダム事業に係る落札業者への国土交通省職員の
 再就職者数〈過去3年(平成15年から平成17年)の営利企業に限る〉

 (企業名)        (人数)

(株)オオバ           1
池下工業(株)          1
池原工業(株)          2
小田急建設(株)         1
開発コンサルタント(株)     4
(株)一瀬調査設計        1
応用地質(株)          1
(株)オリエンタルコンサルタンツ 1
(株)建成社           1
(株)建設環境研究所       2
(株)建設技術研究所       1
(株)ダイヤコンサルタント    1
(株)千代田コンサルタント    2
(株)テクノプラン        2
(株)東京建設コンサルタント   1
(株)トデック          1
(株)ニュージェック       4
(株)日測            1
(株)横打            1
川崎地質(株)          1
協和補償コンサルタント(株)   1
興亜開発(株)          2
国土環境(株)          2
佐藤鉄工(株)          1
サンコーコンサルタント(株)   1
新構造技術(株)         1
住鉱コンサルタント(株)     1
大日本コンサルタント(株)    1
東武計画(株)          1
日本建設コンサルタント(株)   1
日本振興(株)          2
パシフックコンサルタンツ(株)  2
東日本旅客鉄道(株)       1
富士通(株)           1
復建調査設計(株)        2
三井共同建設コンサルタント(株) 1
八重洲コンサルタント(株)    1


●八ッ場ダム事業に係る落札業者への国土交通省職員の再就職者数〈国土交通省所管公益法人に限る〉

(財)国土技術研究センター    6
(財)建設物価調査会       2
(財)ダム水源地環境整備センタ  4
(財)ダム技術センター      2
(財)水資源協会         3
(財)日本気象協会        6
(社)関東建設弘済会       2

落札業者に再就職した国土交通省職員数(03年から05年の3年間)と落札金額の一覧表。このうち「小田急建設」と八重洲コンサルタント」は自民党国民政治協会にも献金していた。企業名は受注時のもの


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