猫山の乳がん日記

2009年11月、2年半かかった乳房再建が完了。ホルモン治療は副作用のため1年間で中止し、無治療です。

「走ることについて語るときに僕の語ること」

2007年11月19日 | 読む
「走ることについて語るときに僕の語ること」(村上春樹著)
    

ハルキさんは最も好きな作家の一人です。
(なんだか中学校の英語の教科書の一文を訳したような文ですが。)

待ちに待ったハルキさんのエッセイ

他のエッセイでも書いていたけど、ハルキさんは
腹が立ったらそのぶん自分にあたればいい
悔しい思いをしたらそのぶん自分を磨けばいい
というスタンスを貫いている。

腹が立ったときはいつもより多めに走ることによって
そのぶん肉体を消耗させる。
結果的には自分の肉体をわずかであるが強化したことになる。

怒りのコントロールが人生の課題の一つ(大袈裟)の私は
大いに参考にしたいところ。

私はランニングではなく、ウォーキングなので
消耗度がいまひとつなためか怒りを消化できませぬ。
          


この本でハルキさんにしてはめずらしく「年をとること」に
触れている。

文句は言わない。あるもので我慢する。
何かがあるだけでもありがたいのだと思う。
そんな風に思えるのは、年を取ることの数少ないメリットのひとつだ。

何かがあるだけでもありがたい、
私がそう思えるのは何かを失った直後だけ。
年を取るにつれ、そんなふうに思えるのだとしたら
年を取るのも悪くないかも。

ハルキさんの本を読むといつも胸につかえていた
石ころたち(心の胆石)が排出されていくような気持ちになる。

この本を読んで、こういう走り方、書き方、生き方を
している人の本だから、そういう気持ちになるのだなぁと
思ったのでした。
あぁー、うまく説明できない。


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