猫山の乳がん日記

2009年11月、2年半かかった乳房再建が完了。ホルモン治療は副作用のため1年間で中止し、無治療です。

「最高の医療をうけるための患者学」

2007年08月02日 | 読む
「最高の医療をうけるための患者学」(上野直人著)

乳がん関連の本やニュースでたびたび拝見し
気になっていたMDアンダーソンがんセンター 上野先生の
著書を読んでみた。

乳がんになったときを例に挙げ「最高の医療」を受けるための
ハウツーが9つのステップに分けて説明されている。

具体的でとてもわかりやすい。

ただ、日本の病院でこれらすべてを実行すると
「うざい患者」だと思われる恐れがあるように思う。

どれもすぐに実行できそうなことばかりだが
やってみると難しいことに気づく。

例えば、ステップ4の中の「短い時間で答えを引き出すために
質問内容は事前に整理しておく」は
以前からそうしているが、たったそれだけのことが
うまくいかないときがよくある。

・質問をすべて出し切れないうちに診察が終了してしまうとき
 (医師がカルテを閉じてしまい、それ以上引き留められなかった、など)
・質問して回答を得たものの、よく理解できないまたは不十分
 だと感じるとき
・質問して理解できる回答を得たものの、納得いく治療を選択・決断する状態
 には至らないとき

こう書き出してみると、「あと一歩食い下がることのできない私が悪い」
ってことになりますね…
   

それと、上野先生は「治療を急がないといけないのは急性白血病ぐらいで
がんはゆっくり進行するので、焦って行動を起こす必要はない」と
仰っている。
たしかに、しばらく考える時間を取っても、
それが生死を分けるようなことにはならないだろうけど、
多少症状が進むことはあると思うし、
セカンドオピニオンを取るにも、手術を受けるにも待ち時間(期間)が
とても長いことを考えると、「納得のいく治療」を追求していると
時間はどんどん経ってしまう。

私は、最初の病院で「(一般に)症状が変わらないのは1ヶ月間位」と
言われたが、転院先で手術を受けるまでに2ヶ月以上が経った。
で、「その間に症状が進んだ可能性がある」と言われた。
転院先にも100%納得していたわけではなかったけど、
もうこれ以上先延ばしにすると不安で気がヘンになると思い
もうこのへんでというところで「手を打った」。

だから制限時間内に、この本に書かれているような
ステップを踏むのは難しいこともあると思う。
だからこそ「普段から風邪で病院に行くときなどに練習しておくといい」
のでしょうね。

最後にこうまとめてある:
 「希望こそが最大の薬」
 長くがんをコントロールし、闘病している人は
 がんを生活の中心とせずに、治らないからと絶望せず
 つねに治療の選択肢の中からみずからのゴールを見つけている人たちです。
 (中略)長くガンをコントロールすれば、新しい治療が開発され
 選択肢が増えます。先のことはわかりませんが希望はあります。
 希望こそが最大の薬だと臨床医として確信しています。

乳がんにしてみたって、温存手術やセンチネル生検が登場したのは
まだ最近のこと。

抗がん剤も、数ヶ月前の新聞に「正常な細胞は傷つけずに
がん細胞だけを攻撃する技術が開発された」と載っていて
「こういうのが早く実用化されるといいね」と言いながら
父と読んだ。

長生きしなくては。
 

             

父の通っていた絵画教室へ画材を取りに行った。
父は病気が治って、再び教室へ行けるという希望を持っていたので
画材をそのままにしていた。
持って帰ってきたスケッチブックには最後に教室で描いた絵があった。
とても上手だった。
その絵を見て、母が泣いた








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