うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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負けた悔しさよりも怒りと不快感が上回った 2011ACL準々決勝 全北現代vsセレッソ大阪(第2戦)

2011年09月30日 | サッカー(クラブ)
◆サッカー・AFCチャンピオンズリーグ2011(2011年9月27日 @韓国・全州/全州ワールドカップ競技場)

・準々決勝 (第2戦)
全北現代(韓国) 6(1-0)1 セレッソ大阪
得点者:全北)31分 エニーニョ、49分&55分&64分&90+1分 李東國、76分 金東燦
    C大阪)71分 小松塁

※9月14日の第1戦(@大阪・長居陸上競技場)の結果はセレッソ大阪が4-3で勝利。
  2戦合計スコアが9-5で全北現代が準決勝へ進出。


▼その他の試合結果  (左側のチームがホーム)
FCソウル(韓国) 1(0-0)0 アル・イテハド(サウジアラビア)
(2戦合計スコアが3-2でアル・イテハドの勝利)
アル・サッド(カタール) 1(0-2)2 セパハン(イラン)
(2戦合計スコアが4-2でアル・サッドの勝利)
ゾブ・アハン(イラン) 1(0-0)2(延) 水原三星(韓国)
(2戦合計スコアが3-2で水原三星の勝利)


・準決勝の組み合わせ  (第1戦10月19日が第2戦10月26日、左側のチームが第1戦をホームで開催)
水原三星(韓国) vs アル・サッド(カタール)
アル・イテハド(サウジアラビア) vs 全北現代(韓国)


                           *  *  *  *  *


またも日本勢がACL優勝を逃す

9月14日に長居陸上競技場で行われた試合の再戦となった今回のACL準々決勝の全北現代vsセレッソ大阪。この両者はグループリーグでも対戦し、お互いにホームゲームで1-0で勝利してます。しかし、準々決勝の第1戦では、グループリーグの時とは状況が一変。お互いに激しい打ち合いの末に4-3でセレッソが勝利しました。ただ、セレッソは勝ったとはいえ、全北にアウェーゴールを与え過ぎたので、敵地での第2戦を1点差で敗れた場合、0-1、1-2、2-3だと敗退となりました。

本来なら、守備を固めてカウンターを狙い、ロースコアの展開に持ち込むのが望ましいです。だが、経験が浅く、守備が弱いセレッソにはこの芸当は難しいです。案の定、第2戦ではセレッソは全北の豊富な運動量と鋭い出足に圧倒され、更には状態の悪いピッチにボールコントロールで苦しみ、前半早々から自陣に押し込まれて防戦一方の展開となります。前半13分、攻撃の起点だったMF金甫が負傷退場してからは攻撃の形を中々作れず、ますます苦境に陥ります。そして、前半31分に中途半端な守備からカウンターを喰らい、ついに失点を献上します。この時点で全北に2戦合計で逆転を許し、セレッソは絶対に得点を奪う必要が生じました。

同点に追いつきたかったセレッソでしたが、逆に後半開始早々にベテランFW李東國にCKから頭で決められ、いきなり出鼻を挫かれます。以降は、課題だった守備が決壊し、次々と失点を積み重ねます。李東國にはなんと4得点まで奪われる始末。セレッソは前半と同様に、相手の激しいプレスにボールを中々前に運べず、初戦で2得点を挙げた清武弘嗣に至ってはボールに絡むことが少なく、小松塁の1点だけに留まります。セレッソは、シュート数が4対23、ボール支配率も47%対53%と相手に圧倒されます。結局、試合は1-6と大敗。2戦合計スコアでも5-9と逆転され、セレッソの敗退が決定。日本勢は3年連続でACL優勝を逃した結果、12月のクラブW杯にはアジア王者としてではなく、大会開催国のJリーグ王者が出場する恥ずかしい事態となりました。

最も恐れていた事態になったとはいえ、冷静に考えても両者のチーム状況を考慮すれば、仕方がない結果です。なにせ、全北はKリーグを首位独走中に対し、セレッソは第27節終了時点で10位です。しかも、セレッソは乾貴士とホドリゴ・ピンパォンの主力選手が移籍し、グループリーグの時とは陣容が異なります。更には、清武が前週のロンドン五輪アジア最終予選のマレーシア戦で右足内転筋を痛めた影響で本調子から程遠く、守備の要のDF上本大海が負傷離脱。若い選手が多いセレッソは経験が浅く、更には選手層が厚くないので、初出場ながら今大会の日本勢最高のベスト8に進出できたのは、むしろ大健闘だと思います。とはいえ、またも日本勢がACLの決勝トーナメントで韓国勢の軍門に降ったのは事実です。勝負強い韓国勢は、グループリーグと決勝トーナメント、更にはホームとアウェーとでは戦い方を変えてくるので、しっかりと対応して臨まなくては勝機は薄いです。来年もクラブW杯は自国開催となるので、必ず日本はアジアの覇権奪還をしなくてはなりません。


勝利を追求する為に大切なものを見失っている韓国サッカー

たしかに全北は実力を見せ付けて大勝しましたが、はたして彼らが尊敬に値する勝者だと言えるのでしょうか? 別に私は負け惜しみで言っているのではありません。この試合を御覧になられた方ならもうお分かりですが、全北は「激しさ」とか「勝利に対する執念」を通り越して、悪質なラフプレーを終始連発していたからです。中でも象徴的だったのが、前半早々に全北のDF崔淳がセレッソの金甫の顔面に頭突きを喰らわせて、全治2ヶ月の顔面骨折の重傷を負わせたシーンです。決定的なピンチならまだしも、あの時は激しく当たりに行く必要性は全くありませんでした。しかも、金甫はジャンプしていて顔面は無防備状態だったので、極めて悪質です。全北はグループリーグの段階から金甫に対しては常に激しく削っていたので、意図的に狙っていたとも言えます。金甫は昨年の南アフリカW杯の韓国代表に選ばれ、現在はU-22韓国代表でもあります。祖国の将来を嘱望されている選手を同胞が破壊するなんて理解不能ですし、常軌を逸してます。まるで、親日派に対するリンチのようにも思えました。

そして、極めつけだったのが、全北サポーターが掲げた東日本大震災の被災者を中傷する横断幕です。非常に最低な行為で人間性を疑うと同時に、激しい怒りと不快感を覚えました。一応、全北現代は今回の件をHP上で謝罪文を掲載してますが、如何せん日本語では全く記述されておらず、ハングルのみです。これでは一体誰に対して謝罪しているのか不明です。真摯な態度とは到底思えず、誠意は全く感じないです。おそらく、韓国は、騒ぎが大きくなって国際サッカー連盟(FIFA)やアジアサッカー連盟(AFC)からの処分を恐れて、その場しのぎの形だけの対応をしたとしか思えません。要するに、日本は韓国に舐められているのです。ベルギーリーグで、リールスに所属する日本代表GKの川島永嗣が「フクシマ!」の野次を浴びた事件では、その後の同国の対応には非常に誠意を感じただけに、今回は対照的です。自虐史観に毒されて韓国に遠慮している日本の糞マスゴミが、今回の事件を“一部の跳ね返り者の仕業”と矮小化して伝えているところがありますが、これは全くのデタラメです。韓国は過去に開催した国際大会では、観客が相手国を誹謗中傷する行為は何度と無くあります。それどころか、1月のアジア杯の寄誠庸の「猿真似パフォーマンス」や、2002年日韓W杯の韓国vs米国戦の「スケートパフォーマンス」のように、選手までが試合中に愚挙を犯してます。

たとえ負けても正々堂々と戦えば周囲から尊敬を集めて高く評価されるのに、韓国(というより半島の連中)は激しさと汚さを履き違えて卑怯な反則ばかりに頼るので、正常な価値観を共有する国々とは常識の尺度というものが全く異なります。きっと、極端な勝利至上主義と歪んだ民族主義に染まった韓国のスポーツ界は、公平性や倫理観が著しく欠落し、「スポーツマンシップ」という当たり前の概念も軽視しているのでしょう。だから、Kリーグは八百長が蔓延するのです。今回は世間の注目度が低いACLだからまだしも、もし世界大会で同様の悪質なラフプレーを繰り返したら、世界中から非難を浴びるのは必至です。ACLは審判の能力が低いけど、世界の審判は悪質な反則は見逃さず、かえって自らを不利に追い込むだけです。まあ、韓国には八百長と暴力の他に、1988年ソウル五輪のボクシングで一躍世界の脚光を浴びた「審判買収」という強力な伝家の宝刀があるけどね(笑)。とはいえ、諸外国は選手が壊されるのを恐れて、韓国と親善試合を組んでもらえなくなる可能性だってあります。韓国は長年に渡ってアジアのトップクラスに君臨してますが、観客のマナーを含めて悪弊を改めない限り、永遠に進歩はありえず、いつしか衰退の道を招くでしょう。


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2 コメント

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まったく同感です!!! (elinor-marianne)
2011-10-03 09:35:21
 韓国には、怨(ハン)という精神がある、と聞いたことがあります。
 また、“仕事をするなら日本人、友達になるなら韓国人、家族なら中国人”というジョークも聞いたことがあります。

 現実に日本で出会う韓国人の方に、不快感を抱いたことは、まったくないのですが、
国際試合などの観客マナーには、何度もイヤな思いをしてきました。
彼らには、同胞という強い絆の裏返しの感情があるのかもしれません。

 更に、今回は金甫選手の大怪我ということで、これでは、サッカーがラフプレーを含めた“見世物”になってしまう、と危惧しました。

 彼ら選手の地位を高め、肉体を守る為にも、そのような暴挙には、激しく抗議すべきだと思うし、自国の人々に敵対視されるかもしれない立場におかれていても、自分の仕事を全うしていた金甫選手を、チームを超えて、国を超えて、守っていかなくてはならない、そう、強く思いました。

 金甫選手の怪我が、一日も早く良くなりますように。また、肉体とともに心に負った傷も、早く癒えますように、そう祈りたいと思います。
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コメントありがとうございます (猫なべ)
2011-10-03 21:43:11
こんばんは、elinor-marianneさん

この試合は、裁いたカタール人の審判の質の低さにも大いに問題がありました。
なにせ、金甫が負傷退場させられたあの頭突きは退場に相当するのに、この主審は警告だけで済ませましたから。
それどころか、頭突きされる2分前にも、金甫は別の選手からスパイクの裏で足を蹴られましたが、こちらも警告だけ。
韓国得意の買収をしていたのかと思うほどサッカーの試合に全くなっておらず、まさに無法地帯でした。
日本のクラブに所属する選手は国籍を問わず同じ仲間なのだから、選手生命を守る為にも日本協会は然るべき場でラフプレーの撲滅を強く訴えるべきですね。

今回の対戦は客観的に見ても、セレッソよりも全北の方が上でした。
だが、実力があるにもかかわらず、なぜ正々堂々と戦わずに、姑息で卑怯な真似を繰り返すのか、理解に苦しみますね。
ちなみに、この全北は4年前のACLの浦和戦でもラフプレーを繰り返したので、常習犯です。
きっと、行き過ぎた勝利至上主義の影響で、敗北に対する異常なまでの強迫観念が、彼らを蛮行に走らせる遠因なのでしょうか。
それに、観客も含めて「日本が相手なら何をやっても構わない」という雰囲気すら感じ、それが選手の悪行を助長してます。
自分達の振る舞いや言動が周囲からどのように思われているのかという、公の意識が著しく欠落してます。

韓国はソウル五輪や日韓W杯などで観衆のマナーの悪さが世界中から批判されましたが、今の姿勢のままだと7年後に開催される冬季五輪で同じ過ちをまた繰り返すと思いますね。
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