うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
のんびり更新しますので、どうぞ気長にお付き合い下さい。

韓国勢とのリターンマッチとなった2011ACLグループリーグ第4節

2011年04月21日 | サッカー(クラブ)
◆サッカー・AFCチャンピオンズリーグ2011 グループリーグ第4節(2011年4月19&20日 @アジア各地)

・E組
ガンバ大阪 3(2-0)1 済州ユナイテッド(韓国)
得点者:G大阪)26分&47分 アドリアーノ、87分 武井択也
       済州)66分 辛泳録

・F組
FCソウル(韓国) 0(0-1)2 名古屋
得点者:名古屋)26分 金崎夢生、81分 永井謙佑

・G組
全北現代(韓国) 1(0-0)0 セレッソ大阪
得点者:全北)77分 李東國

・H組
鹿島 1(0-0)1 水原三星(韓国)
得点者:鹿島)55分 田代有三
     水原)48分 廉基勳

〔写真はアジアサッカー連盟より〕


                           *  *  *  *  *


鹿島は、3月11日に発生した東日本大震災による日程変更で既にアウェー戦を全て終えており、今節から3戦連続でホームゲームとなります。鹿島は勝ち点で水原と並んでますが、得失点差で2位となってます。首位通過する為にも、ライバル相手に勝利を飾りたいところでしたが、前戦と同じような試合展開で1-1のドローに終わって勝ち点で突き放せず、残念ながら首位奪還とはなりませんでした。やはり、鹿島はホームのカシマスタジアムが被災した影響で使用出来ずに会場が国立競技場に変更となり、更には首都圏の電力事情を考慮して平日14時のデーゲーム開催だったので、集客がすこぶる悪かったことも少なからぬ影響がありました。鹿島は最下位の上海申花との勝ち点の差が4しか離れてないので、残り2試合はグループリーグ突破に向けた正念場となります。

鹿島と同じく変則日程の名古屋は、ジョシュア・ケネディ、玉田圭司、中村直志ら主力選手が負傷で欠く苦しい陣容。対するFCソウルは、昨年ACLを制覇した城南一和に在籍していた元コロンビア代表のマウリシオ・モリナらKリーグ有数のアタッカーを擁するなどタレント豊富で、厳しい戦いが予想されました。案の定、序盤からホームのFCソウルが優勢に展開。しかし、前半26分、名古屋は高卒ルーキーの吉田眞紀人からのスルーパスを受けた小川佳純がシュート。GKに一旦は防がれるも、そのこぼれ球を金崎夢生が押し込んで先制。その後は、同点に追いつきたいFCソウルが攻めて、名古屋がカウンターを狙う展開に。そして、後半36分、相手のバックパスをかっさらった永井謙佑がGKをかわして冷静に流し込んでダメ押し。ロンドン五輪代表の活躍で、敵地で貴重な白星を挙げた名古屋は首位に立ちました。奇しくも、30年前に五輪招致で負けた都市が相手だったけに、ほんの少しだけ溜飲を下げたのでしょうか?(笑)。

一方、2週間ぶりの公式戦となった大阪の2チームは、ホームとアウェーの差が明暗を分ける格好となりました。3年前のアジア王者のガンバ大阪は、前節に敵地で1-2で逆転負けした済州をホームの万博に迎えてリターンマッチを戦いました。ガンバは初戦こそ圧勝しましたが、その後は敵地で2連敗を喫したので、同じ組の他の試合の結果次第では、今回敗れるとグループリーグで敗退する危機的な状況でした。また、勝ち点で複数のチームが並んだ場合は、当該対戦成績を優先するので、ガンバは2点差以上での勝利が望ましい結果でした。試合は、アドリアーノが2得点を決めて爆発し、後半に失点を許すものの、武井択也の鮮やかなミドルシュートが決まって見事に2点差勝利を挙げてノルマを達成し、2位浮上となりました。ガンバが前節で逆転負けした時は、相手にロングボールの多用を許したのが敗因でしたが、今回はその反省を踏まえて前線から激しくプレスを掛けて全体的にコンパクトに戦い、自慢のパスサッカーが活かせたのが勝因でしょう。ただ、このE組は、1~4位まで勝ち点差が僅か3なので、グループリーグ突破に向けて最後まで気を抜かないでもらいたいです。

セレッソ大阪は第3節終了時点で首位に立っており、前の試合で完勝した全北現代との敵地でのリターンマッチに勝利すればグループリーグ突破はほぼ確実視され、最低でもドローでもOKの状況でした。セレッソは序盤こそボールを保持し、前半に幾度か好機を作るものの、全てものに出来ませんでした。逆に、前回とは違って主力選手を揃えた全北の鋭い出足に、セレッソはパスミスを繰り返し、時間の経過とともに主導権を奪われます。更には、ピッチ状態の悪さも追い討ちを掛け、中々ボールコントロールが出来ずに苦しみます。そして、後半32分に、右サイドを崩されてフリーでパスを受けた李東國に均衡を破られます。結局、これが決勝点となってセレッソは痛恨の黒星を喫して3位に転落しました。ちなみに、李東國とは、小野伸二・高原直泰・稲本潤一ら「黄金世代」と同じ1979年生まれの選手で、ユース時代は日本の前に立ちはだかった長身ストライカーとして有名です。フランスW杯に19歳で出場するなど将来を嘱望されましたが、負傷や兵役などで泣かされ、朴智星に比べると不運なキャリアを歩みました。だが、今回は健在ぶりを見せ付けられました。

余談ですが、今季ACLに参加した韓国の4チームのホームスタジアムは、全て9年前の日韓W杯で使用した会場です。4会場ともサッカー専用競技場なので、陸上競技場をホームスタジアムにしているクラブが多い日本とは対照的でもあります。しかし、韓国の場合、芝の状態が悪いスタジアムが多いです。更には、肝心の集客面が芳しくなく、たとえ日本のチームが相手でも、平日開催が主体のACLだと観衆が4桁なのが多く、日本開催の試合と比較しても非常に悪いです。一方、太極旗を付けたユニフォームのチームとなると、スタジアムは満員の観衆で溢れかえります。如何に、かの国のサポーターが“代表オンリー”の歪な状態なのかがよく分かります。ピッチの中ではアジア屈指の実力を誇る韓国ですが、果たしてこの状況が良いといえるのかは、大いに疑問に感じますね。



☆FCソウルvs名古屋のダイジェスト



☆ガンバ大阪vs済州のダイジェスト




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