ねっこりのブログ

ねっこりの、アオイさんとの日々。

葵というもの。

2011年01月25日 00時19分46秒 | Weblog
「ねっこりのブログ、
 いい加減、
 
 アオイさん、
 ではなくて、
 葵さん、

 にしてよ」


アオイさんは、
おもむろにクレーマーを始めました。



ねっこり村では、
各ねっこりに、
名前というものがないことは、
すでに、
周知の事実であると思います。


ですから、
ねっこり達は固有の名前という概念を持ちません。


「こう!
 こう書けばいいの!!!」


アオイさんは、
クレーマーにクレーマーを重ねたように、
白い紙に、
「葵」
という字を書きました。


「葵」
という字は、
ひっくり返したゲンゴロウのおなかを想像させる文字ですね。


ねっこり達は、
「葵」
と見れば、

淡青と紫色の美しい夏の襲か、

生霊の発端となる車争い、

侘び寂びの権化のような湿った野草、

の3点しか思い浮かべることができません。


アオイさんは、
やはり、
アオイさんです。

利己的で孤独というもの。

2011年01月24日 07時51分21秒 | Weblog
アオイさんは、
ご自分が、

利己的で孤独な人間かもしれない、

と、
アオイさんのお部屋で、
ドーナツをかじりながら、
お砂糖まみれになっている、
ねっこり達に、
打ち明け始めました。


ねっこり達は、
カスタード・クリームが好きですが、
生クリームも好きです。

どちらを、
より愛すべきかという、
困難な問題に立ち向かう中、
アオイさんの、
お悩みは、
少々面倒臭いものでしたが、
大人しく、
聞いてみることにしました。

ねっこり達は大人ですからね。



「予備に残していた、
 真っ白な年賀状が、
 お年玉クジに当選しちゃってるの・・・」



アオイさんんは、1匹のねっこりを取り上げると、
お砂糖を吹き落しながら、
呟きました。



「・・・今からでも、
 誰かに出すべきかな・・・。
 もう、出す人いないんだけど・・・。」



年賀状1枚でも、
お人柄というものは、
出るものですね。

ねっこり達は、
固唾を飲んで、アオイさんを見守りましたが、
アオイさんは、
他に当選していた年賀状とともに、
白い年賀状も、
お仕事用のカバンに押し込んでいらっしゃいました。

ねっこり達は、
沈黙を貫く予定です。

白雪というもの。

2011年01月11日 23時13分57秒 | Weblog
今、ねっこり村では、
さらさらと雪が舞っています。


さらさらの雪は、
さらさら、ふんわりと、
ふかふかに積もっていゆきます。

さらさらの雪は、
細く凍った柳の枝を、
白く飾り、染め上げてゆきます。


ちびちびねっこ達は、
その白い柳の枝から、
白いふかふかに、
ジャンプして、
ふかふかを全身で楽しんでいます。



宙に舞うちびちびねっこ達。

風で舞い上がるきらきらの粉雪。

とても幻想的な風景でした。

完成というもの。

2011年01月10日 22時12分52秒 | Weblog
ねっこり達は、
遺跡の完成の寸前までたどり着きました。

その時、
ある、ちびちびねっこが、
呟きました。



「聖遺物ー」
「聖遺物ー」
「聖遺物ー」



ねっこり達は、
塔の中に、
少し高尚な、謎の物を、埋め込むことを忘れていたのです。

慌てて、
ねっこり達は、
先日の便りを、
聖遺物として、
塔の中に安置しました。



後は、
遺跡になる時を待つばかりとなりました。



ねっこり達は、
高い高い塔を建立しました。
その高さは、
ねっこり達の叡智を集めた、
天を貫くような高さです。



しばらくすると、
案の定、
天から雷が振り下ろされ、
いい具合に、
塔は焼け焦げ、崩れ、荒れ、古びました。



遺跡の完成です。
さっそくお祭りをしなければなりませんね。



便りというもの。

2011年01月06日 19時36分32秒 | Weblog
遺跡の建築が佳境に入った、
ねっこり達に、
便りが届いたとの伝令が入りました。


乱れた毛皮を直すこともなく、
ねっこり達は、
ねっこり集会所に集まりました。



そこには、
ねっこりのファンからのファンレターがありました。



ねっこり達は、
まず、その葉書の香りを嗅ぐことにしました。
ねっこり達は礼儀ただしいですからね。
いきなり、
触ったりしないのです。

匂いは、無臭でした。



ねっこり達は、
次に、その葉書に香りをつけることにしました。
ねっこり達は心配性ですからね。
誰かに、
盗られたときでも追跡できるように、
マーキングをするのです。

肉球を擦りつけました。



ねっこり達は、
最後に、その葉書の内容を読むことにしました。
ねっこり達は繊細ですからね。
文字は横書きの、日本語でした。
ねっこりの似顔絵もあります。

ねっこりは大人気です。




「・・・私は、
 ねっこり達が、
 内容を論理的に理解できているか、
 不安だよ」



アオイさんは、
相変わらず小生意気です。
この葉書は、
アオイさんの目につかないよう、
ねっこり村の、
ねっこり集会所の下にある、
秘密の部屋に保管するのが、よいと思います。
 

小生意気というもの。

2011年01月05日 13時11分52秒 | Weblog
アオイさんは、
おもむろに、
高飛車に、小鼻を膨らませながら、


「ねっこり村に遺跡ってないの?」


と聞いてきました。

遺跡とは、
どのようなものですか、
と、
近くで醤油せんべいをかじっていた、でかねっこが尋ねました。


アオイさんは、
さも馬鹿にしたかのように、

「こういう感じの」



と、
写真を見せてきました。




アオイさんのお部屋に沈黙が流れました。




その後、
アオイさんのお部屋にいた、
ねっこり達は、無言で立ち上がると、
無言でねっこり村に戻りました。


現在、
ねっこり村では、
ねっこり達の建築技術を駆使した、
遺跡の建築が進んでいます。



「遺跡って・・・、新しい建物が、時代を経て・・・、打ち捨てられたりして・・、
で、発見されて、あるもので、新しく作るものではないんじゃないの?」



アオイさんは、小生意気です。



「あ~・・・なるほど。
 ねっこり村には階級がないから、権力を示すための建造物もないし、
 宗教もないから、神聖な建造物もないんだね。
 結局、建物といったら、住宅かお店か集会所なのね」



アオイさんは、超生意気です。



ねっこり達は、
アオイさんに負けないように、
今日も必死で、
遺跡の建築に励んでいます。

ちなみに、励んだご褒美に、パンとビールが配られます。