贈り物というもの。

アオイさんは、
白くてカールしたものが、
お好きなようでしたので、

ねっこり達は、
昨日朝早くねっこり森にゆき、
カブト虫の幼虫をたくさん捕まえて、
「おいしく召し上がれ」
と、
アオイさんの、枕元においておきました。


アオイさんが、
お礼を言ってこないのはどうしてでしょうか。

好物というもの。

ねっこり達の、
好きな食べ物は何？
と、
アオイさんが聞いてきました。

おおまかな質問は困りますね、
ねっこり達は美食家ですから。


多くのねっこり達は、
今は、
焼き鳥が大好きです。
タレがいいですね。

少し前までは、
ねっこりのチョコ屋の、
カエルチョコ（カエルパウダー入り）が、
大人気でした。

お魚は、
基本的にいつでも大好きです。
ムニエルにするか、
串に通して塩焼きにします。


アオイさんは、
何が好きですか？
と、
聞いてみました。


「エビ」
「あと、最近はマルチョウが好き」

アオイさんは、
白っぽくて、
カールしたものが好きなのでしょうか。

プロフィールというもの。

そういえば、
ワタクシは、
アオイさんのことをきちんと説明していませんでしたね。

うっかりしていました。
いけませんね。



アオイさんはニンゲンのメスです。
ニンゲンにはオス・メスがありますから。

アオイさんは２５年間生きているそうです。
ねっこり仙人に比べたら、
まだまだですね。

アオイさんは学校に通っています。
何を学んでいるのかよく分かりません。

アオイさんは１６３・５cmです。
でかすぎてねっこり関を通れません。


ある日、
ワタクシ達ねっこりが、
てぺてぺてぺ・・・
と、
街中を歩いていたら、
ぎょっとした顔で、
こちらを凝視していたのが、
アオイさんとの出会いでした。

アオイさんには、
見えてしまったんですね、
ねっこり達が。


ねっこり達は、
とっさに、
ダンボールを持ってきて、
電信柱の横に置いて、
その中に座り、
一発芸、
「ひろってください」
を、
やりました。

ぎょっとしたままではありましたが、
アオイさんは、
ダンボールの前にしゃがみこみ、
ねっこり１匹を取り上げました。
これが、
アオイさんとねっこり達の、
最初の接触ですね。

香りというもの。

アオイさんが、
ワタクシの背中の毛に顔をうずめて、
ふかふかで気持ちいいね。
と言いました。

少々得意になっていると、
アオイさんは続けて、
でも、
お日様の匂いがしないね。
と、
クレームをつけてきました。


何の匂いがするのですか、
とたずねたところ、
焼き鳥の匂いがする・・・。
と、
アオイさんはつぶやきました。


・・・。
ねっこり達は、
最近東京の焼き鳥屋さんというところに、
はまっています。
あのじゅうじゅうしているのが、
くらくらに、
うまうまなのです。


ねっこり達は、
用事があるときでも、
焼き鳥屋さんを見つけると、
必ずそこに入ります。

ねっこり達は、
律儀ですからね。

宅急便。

昨日はアオイさんの学校が、
一日中休みだったので、
一日中アオイさんといっしょにいました。

アオイさんは、
少し残酷な人で、
一人でいるのが、つまらなかったのか、
「何か面白いことしてみて」
と、
ねっこり達に要求してきました。


困ったねっこり達は、
しばらく相談した後、
ねっこりに、
チビねっこをくわえさせて、
一発芸の、
「宅急便」
をやることにしました。

ねっこり達はけなげですからね。


でも、
くわえられるチビねっこが、
みつからなかったので、
ねっこり達は、
アオイさんの要求を無視して、
アオイさんのベッドでごろごろしました。

もぐねっこ。

ねっこりの種って、
全部芽・・・
全部ねっこり・・・
が出るの？

と、
アオイさんが聞いてきました。

９割くらいはねっこりの芽が出ると、
ワタクシは思います。


残りの１割は・・・
やっぱり、
死んじゃうの？

と、アオイさんが、
痛々しそうに聞いてきました。


残りは、
たぶん、
もぐねっこになります。

もぐねっこは、
外ではなく、
土の中で生活をすることに、
はまってしまったねっこりのことです。

ねっこり達は、
土から出るときに言語を取得するので、
もぐねっこは言語を持ちません。

でも、
ときどき、
ねっこり小川の土手を散歩していると、
もぐもぐと、
土が動いて、
もぐねっこが、
顔を出すのに会えます。

もぐねっこは、
また、もぐもぐと、
土に帰っていきますが、
会えると、
なかなか嬉しいものです。　

哲学と機知を。

最近、ワタクシと、
アオイさんの関係が何なのか、
取り沙汰されることが多いようです。

これは、
少し難しいお話になりそうですね。


単純に言えば、
プロフィールにあるとおり、
共犯者の関係です。


ワタクシとアオイさんは、
ねっこり達の存在を知らしめるために、
東京の街で共に活動していますし、

アオイさんはワタクシを意識しているからこそ、
ねっこりについて、
ご学友に語ったり、
ワタクシもアオイさんを意識しているからこそ、
人間にねっこり達のことを教えてあげているわけです。


アオイさんと、
ワタクシは、
やはり、
確実に、
別猫格です。


ただ、
ワタクシを含む、
ねっこり達に気が付いてくれた希少な人間が、
アオイさんだったというだけです。


アオイさんは、
このように語る私を横目に、
「私自身意味が分からない」
と、
つぶやいていました。

アオイさんは、
あまり賢くないですね。

そういえば。

ねっこり達の飲み会って、
何のお酒が出るの、
とアオイさんが聞いてきました。

多くは、
果実酒です。
あとは、
お芋を使って作ったお酒ですね。

飲み会になると、
ねっこりたちは、
みんな、ネクタイを携帯していきます。

飲み会が佳境に入ったら、
頭に巻きつけるのに必要だからです。

ねっこり達は、
ネクタイをそのときにしか使いません。

ちゆんのパンツ。

最近、
街中では、
ちゆんのぱんつをはいている、
人間の女の人が多いですね。


ちゆんのぱんつ・・・？
と、
アオイさんは、
眉根にしわを寄せて考えていましたが、
ピンときていないようでした。
アオイさんは、
流行に鈍感なんですね。


ちゆんはぱんつをはいていますでしょう、
と、
言ったら、
アオイさんは、
相当考えたあと、
あ・・・確かに、
鳥の足の付け根部分って、
ビミョウに羽があって、
ハーフパンツはいているみたいになっているよね・・・。
と、
ぶつぶつ言っていました。


その後、
アオイさんは、
レギンスのこと？
と、
ワタクシに聞いてきましたが、
ワタクシは、
レギンスなんて、
知りません。

あれは、
ちゆんのパンツです。

ねっこり山脈。

赤い魚の背景が、
なんとなくしっくりこなかったので、
アオイさんに、
また、
背景を変えてもらいました。


この山の写真を見たとき、
すごく、
ねっこり山脈に似ていたので、
「これがいいです」
と、
主張というものをしてみました。


アオイさんは、
似ているんだ・・・
とつぶやきながら、
背景をかえてくれました。