ねっこりのブログ

ねっこりの、アオイさんとの日々。

祭というもの。

2010年08月29日 15時56分16秒 | Weblog
今晩から明日にかけて、
ねっこり村では、
大々的に ねっこり祭が行われます。


ねっこり祭は、
ちゆんや、カエル、ぶずらを従えた、
ねっこりサンバで幕を上げます。

ねっこりサンバは、
ねっこりごとに趣向を凝らしますが、
りんご飴を、
おでこの真ん中に飾るという習わしは外してはいけません。

りんご飴は赤くてツヤツヤで素敵ですからね。



さらに、
村中の木には、
水風船を吊るしておきます。



ねっこりサンバが佳境に入る頃には、
みな、
水風船もぎとり、
すべての指にひっかけ、
周りのねっこりに向かって、
勢いよく繰り出します。


破裂する水風船も出てきて、
訳がわからなくなるころに、
ねっこり祭は終焉を迎えます。




「なんで、今晩からなの?」




アオイさんが、
苛々しながら聞いてきました。


ねっこり祭の開催日は、
何となくです。
ワタクシの知ったことではありませんね。



実というもの。

2010年08月28日 15時01分28秒 | Weblog
でかでかねっこが、
ころり、
とハート形の紺色をした実を、
アオイさんの、
真っ赤なハート型の机に置きました。


「ラリラルラレラロ」


ぽつりと、
でかねっこが呟いたので、
アオイさんは、
忌々しそうに、


「何の呪い?」


と、
でかでかねっこを睨みつけました。



アオイさんは、
相変わらず知性の足りない人です。


ラリラルラレラロは、
ねっこり山脈の山腹にある、
ねっこり風穴付近に生える、
珍しい植物です。



そして、
ラリラルラレラロは、
夏に、
紺色のハート型の実を付けます。

先日、
でかでかねっこ数匹と、
ちびちびねっこ数十匹が、
ねっこり山脈に探検にいったそうですから、
その、
お土産に違いありません。


でかでかねっこが、
あからさまに落ち込み始めました。


「ああ、ごめん!ごめん!
 呪いじゃない、呪いじゃない!
 おまじないよね!!

 えーっと・・・
 ラリラルレ・・・」



ラ行の発音が下手なアオイさんは、
でかでかねっこに、
謝ることすらできないようです。


ロラロリロルロレの実も、
あるのですが、
カツゼツの悪いアオイさんには、
内緒にしておこうと思います。

天下というもの。

2010年08月19日 00時09分37秒 | Weblog
「強くならなきゃいけない。
  
 戦わなきゃ。

 大丈夫、大丈夫。」




アオイさんは、
お部屋に帰ってくるなり、
引きつった表情で、
何かを始めました。


チラシを重ねて、
テープで止めて、
片方の端をホチキスで止めて、
なにやら、
チリトリのようなものを作りあげました。


「どうなさったんですか」


心配になった、
でかでかねっこが、
張り詰めた空間にメスを入れました。



「ベランダで、
 セミが死んでる。

 セミ、本当に苦手なの。

 でも、
 置きっぱなしにしても、
 なかなか風化しないでしょ・・・。

 捨てるしかないじゃない・・・!」


悲痛な叫び声でした。
 



目に涙をためて、
びっしりと鳥肌を立てて、
それでも、
何度も何度もチラシの端に、
セミを乗せようと、
頑張るアオイさんの姿に、
ねっこり達は言葉を失いました。



ようやく、
セミを外に掘り投げた時、
アオイさんには、
激戦を生き延びた、
猛者のような表情をしていました。



「今なら、
 天下を取れる気がする」



アオイさんは呟きました。




今は夏真っ盛りです。
セミもたくさんで、
今後も、
ベランダで息絶えるセミが出ないとは言い切れません。


アオイさんの天下は何日続くのでしょうか。

愛の反対語というもの。

2010年08月18日 07時08分58秒 | Weblog
「自分が正しい、と思うことは罪です」



ワタクシはアオイさんに言ってやりました。


アオイさんは、
さも不服そうに、
被害者のような顔をしています。


「自分は正しい、と信じてしまえば、
 ひとつ思考過程が減ることにお気づきではないのですか」


アオイさんは、
不機嫌そうに、
何やら六法全書をめくり始めました。


「執行法やらないと」


アオイさんは、
明らかに我々の忠告を無視する方針のようです。




「間違っているかもしれないと、
 立ち止まることで、
 思考過程が増え、より多角的な視点を得られるのです」



「変なキノコでも食べたの?」



アオイさんは、
執行を止めないつもりのようです。



愛の反対語は、
憎しみではなく、
無関心なのです。





ワタクシは、
これから、
全身全霊をかけて、
昨日のアオイさんの言葉が、
いかに無知で思いやりのないものであったか、
理解させようと、
思います。


まずは、
あの分厚い本を封鎖することから、
始めなくてはなりません。


でかでかねっこを6匹ほど、
呼んでこなくてはなりませんね。



ニューカマーというもの。

2010年08月17日 21時50分46秒 | Weblog
「最近ねっこりの質が悪くない!?」

アオイさんは、
大変に失礼なことを言い出しました。

ワタクシは大きく息を吸い込んで、
落ち着いて、
ゆっくりと話しを聞く準備をしました。


「何があったんですか」


アオイさんは、
こちらの思いやりも分からぬままに、
さも、
正当なことを主張するかのように、
語りだしました。


「まず、
 私の通勤用の靴の中に1匹詰まってた。
 冷凍庫を開けたら、凍死寸前のが3匹。
 加えて、アイスが減ってた。
 それから・・・」


アオイさんは、
延々と話し続けます。


「前はこんなこと、あまりなかったのに」


アオイさんは、
そう言って締めました。



今は、
夏です。

春に植えた、
ヒナねっこり達の収穫真っ最中です。

ねっこり村にも、
そこら中に、
ねっこりになりたてのねっこりがいる時期です。

アオイさんは、
ねっこり歴数日目のねっこりがいることに、
気づいていないのですね。

ねっこりになって数日目で、
大目玉をくらった、
ねっこり達に、
同情を禁じえません。
 

赤というもの。

2010年08月08日 13時57分42秒 | Weblog
昨晩、
アオイさんは、
くすんだ赤に柳のような花火が散った柄の、
浴衣で、
ぺたぺたとお部屋を歩き回っていました。



髪はだらりとひとつにまとめてあり、
帯もだらりと外していて、
だらしがないその姿は、
何かを彷彿させます。




「女郎ー」
「女郎ー」




ちびちびねっこ達の、
インスピレーションには驚くばかりです。




「八百屋お七ー」
「八百屋お七ー」




アオイさんと、
ちびちびねっこ達の間に、
火花が散ったことは、
もはや語る必要はありませんね。

中身というもの。

2010年08月03日 23時09分47秒 | Weblog
さきほど、
アオイさんは帰ってくるなり、
ものすごい勢いでまくしたててきました。


「今日、白いブラウス着て、
 うきうきしていたんだけど、
 さっき、
 パルコの化粧室で、
 姿見を見たら・・・!!!
 中が透けてた!!!
 今日一日こんなのだったんなんて!!!」


アオイさんの、
やたら血相を変えた様子に、
ねっこり達は、
何となく鼻白んでしまいました。


ねっこり達は、
アオイさんが思うほど、
周囲がアオイさんを観察してはいないことを、
よくわかっています。



ただし、
中が透けているとは、
さすが夏ですね。

透けていたのは、
肺でしょうか、胃でしょうか、肝臓でしょうか・・・、
何をとっても、
ゾッとするほど恐ろしいことに違いはありません。

塩水というもの。

2010年08月01日 01時28分03秒 | Weblog
すぅっと線を引くように、
したり、したり、と、
塩水が降っています。


今日は、
アオイさんのお部屋にねっこりが4匹、でかでかねっこが1匹いましたので、
みんなで、
塩水の観察をしていました。


途中で、
でかでかねっこが、
アオイさんの背中にしがみつくと、
塩水は、
たくさんたくさん降ってきました。



空からではなく、
雨が降る日も、
あるようです。