創造的深化

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枕詞について

2015-09-12 13:29:34 | 言語
枕詞について
 枕詞について、こんな表現がある。「ある共同的な自律性がある客観的な景物へと変化していき、そして、その客観的な景物がある心的なものの象徴へと変化していく。」
 解説がてら紐解いてみる。それには枕詞の起源を調べて見る必要がある。枕詞がなぜ定着したか。折口信夫が分析しているが、そもそも一般的に枕詞の起源は「場所」との関われが強いということだ。
 たとえば「はるひの春日(かすが)」だが、「はるひ」とはうららかな春の日を意味している。また「春日(かすが)」とは地名だ。「はるひの春日」は春の日がうららかな春日という意味になる。古代表現では、古い表現ほど反復する。つまり、ここでも春の日と春日が反復されて表現されている。当時の春日(かすが)という共同体が了解している地名と、春の日の春日という風景が表現として重なっているものだ。やがて、この繰り返し表現が、人々の心に表現として残り、定着したて行くと、春日(かすが)のむ地名にははるひという定着し流布している語呂の良い言い方が、セットになって語られるようになる。やがて、この表現が固定化して春日(かすが)には「はるひ」は付くものだという自律性が、決まり文句として誕生する。これが枕詞の起源である。


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