鉄道・運輸機構
J R貨物
吹田貨物ターミナルの起工式
梅田駅の機能、半分移転
JR貨物梅田駅の機能の約半分を旧国鉄吹田操車場跡地へ移転する計画に伴い、鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部とJR貨物は1月30日、同跡地で吹田貨物ターミナル駅(仮称)建設事業の起工式を開催した。同駅の建設事業については、昨年2月10日に両者と大阪府、吹田市、摂津市の関係5者で着手合意協定書を締結していた。完成予定は2010年度(平成22年度)末で、かつて東洋一といわれたヤード跡地が近代的な貨物ターミナルに生まれ変わる。
東洋一のヤード跡地
近代的ターミナルに
梅田駅(北)の土地約20㌶は、1987年(昭和62年)4月の国鉄改革で当時の国鉄清算事業団(現・同本部)に承継され、当初は同駅の機能をすべて吹田操車場跡地に移転する計画だったが、環境問題などから地元の吹田、摂津両市の理解が得られなかったため、同事業団は97年8月に約半分の機能を移転する計画を提示した。
これを受けて99年1月に、大阪府と両市、日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部(当時)、JR貨物の5者は移転計画に関する基本協定書を締結。鉄道・運輸機構は2005年1月に両市に環境影響評価書を提出し、関係5者は2006年2月に吹田貨タ駅建設事業の着手合意協定書を締結した。
建設事業は、同機構国鉄清算事業本部が事業主体で、梅田駅の機能のうち約半分を移転する。残る約半分については、関西線百済駅を全面的に改修して移転し、両駅の完成後に梅田駅を更地化して処分する。吹田操車場跡地50・2㌶のうち、貨物駅は27・2㌶を使用し、23㌶はまちづくり用地に充てられる。
吹田貨タ駅は、入れ換え作業なしにコンテナ列車をそのまま荷役できる着発線荷役方式(E&S方式)となる。施設は、コンテナホーム2面(北側1万3300平方㍍、南側2万2300平方㍍)と中継コンテナホーム1面(2万4400平方㍍)、駅本屋(鉄筋コンクリート造り4階建て、延べ床面積1600平方㍍)、倉庫(同3階建て、8000平方㍍)、着発線2線、留置線4線などを設ける。
年間貨物取扱量は100万トン以内(中継貨物を除く)、始発・終着列車は12本以内、車両編成はコンテナ貨車26両以内とし、出入りする貨物関連自動車は1日往復1000台以内に限定する。貨物専用道路(3・1㌔)も設置する。
起工式には、谷口克己鉄道・運輸機構代表理事・国鉄清算事業本部長、伊藤直彦JR貨物社長、来賓の梶本徳彦大阪府副知事、阪口善雄吹田市長、森山一正摂津市長、島崎有平近畿運輸局長ら関係者約100人が出席。
谷口本部長は、「この事業は国鉄清算事業団が発足した昭和62年から取り組んでおり、関係者の大変な努力に心からお礼を言いたい。地元とのさまざまな協議を踏まえて、組織を挙げて全力で建設事業に取り組みたい」とあいさつ。
伊藤社長も「早いもので20年という歳月が流れたが、直接、間接を含めてかかわってきたので、感無量というのが正直な気持ちだ。ヤードは貨車を組成するだけだったが、駅は全国から地域の生産物を運び、ここで取り卸しが行われる。物流は生活と密接な関係があり、地域経済の発展にもつながると思う」と述べ、かつてのヤードと貨物ターミナル駅の違いを強調した。続いてくわ入れを行い、工事の安全を祈願した。
最近見直されてきたJR貨物。あの手この手で速達化を考えてるようね。今回のターミナルの建設も荷役作業を省力化して、それを速達化につなげようと言う試みよね。大規模工事なようだし、工事の安全と早い開業が望まれますね。