鉄道車両アラカルト

今まで全国鉄道の旅をして、いろんな車輌を見ました。そんな車輌たちをまとめてみました。

鉄道総研 ハイブリッド路面電車を開発

2007年11月07日 | 鉄道技術

架線とバッテリーのハイブリッド車
鉄道総研が独自に開発

路面電車などの活用に期待
来月下旬、営業線で走行試験

 鉄道線研は25日、東京都国分寺市の国立研究所で、独自に開発したハイブリッド車両を報道陣に公開した。架線、車両に搭載したバッテリーのいずれか、または双方から電力を供給するもので、実用化の際には新たな路面電車などとしての活用が期待される。今年9月に車両が完成して以降、研究所の構内で走行試験を実施し、各種性能を確認してきた。11月下旬には営業線での走行試験を予定している。

 開発は新エネルギー・産業技術総合開発機溝(NEDO)からの委託を受け、2005年度(平成17年度)から3ヵ年の計画で、4億円の年の計画で、4億円の補助金を活用して進めてきた。車両に搭載した大容量で高効率のリチウムイオン二次電池で走行するため架線が必要なく、都市景観に配慮した新しい路面電車としての実用化を見込んでる。
 パンタグラフからバッテリーに急速充電することで、継続的に走行が可能となる。国内の路面電車は営業路線が長い場合で10㌔弱、駅間隔は380㍍程度といい、2、3㌔間隔の駅で乗降時などに1分弱で充電すれば、営業運転できると想定している。

 加減速性能が高いのも特徴。一般の路面電車の加速度が毎秒時速2.0~2.5㌔、最新のものでも3.5㌔なのに対し、ハイブリッド車両は架線とバッテリーの双方からの電力供給で4.0㌔、バッテリーのみなら2.5㌔。スムーズに加速できるということは、自動車の走行に影響を与えない運行につながる。

 また電車の場合、ブレーキ時に発生する運動エネルギーは、架線に戻して周囲を走る電車が回生エネルギーとして利用するが、利用する電車がいないと失効してしまう。これに対し、搭載したバッテリーに戻して自ら再利用することができるため、エネルギー効率が高い。通常50~60%という路面電車の回生効率を70%に引き上げられると試算している。

 架線レスの路面電車としてだけでなく、電化区間と非電化区間を相互直通する地方鉄道での実用化も考えられ、研究所では開発した車両を架線とバッテリーのハイブリッド「Hybrid」、架線区間と無架線区間や軌道線と鉄道線を相直するという意味の「Interoperable」の頭文字を取り、高い加減速性能で元気に走ることからも「Hi-tram(ハイトラム)」と愛称を付けた。現時点の仕様で最高速度は軌道線で時速40㌔、鉄道線では70㌔。

 この1カ月間、研究所内にある600~700㍍の試験線で250㍍ごとにフル加速での発車・停車を繰り返して延べ30㌔走行、各種性能を確認した。充電時などにバッテリーの温度が上昇するのを抑えるのも重要な課題の1つで、複数のバッテリーをどう配置するか、冷却風をどう当てるかなどをチェックした。

 11月末には札幌で営業線を使った走行試験に入り、来年3月ごろまで主に、バッテリーや各種機器の寒さに対する耐久性を検証するとともに、従来車両との消費電力量を比較して省エネ効果を見極めていく。

最近はJR北海道が新しいハイブリッド車を開発中だったり、何かと話題の多いハイブリッドなんだけど、とうとう路面電車までって感じですね。元々都市でのクリーンな交通機関と言うのがウリだっただけに、ハイブリッドの導入も抵抗無く入れれるような気がします。それに路面電車が鉄道線に乗り入れるのも、乗換えなどの必要が無く、便利になりますよね。