2024年が始まってすでに1週間が過ぎました。
地震、JAL機と海保機の事故で被災された方々やお怪我をされた方々に心からお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方々や海保の職員の皆様にも深くお悔やみ申し上げます。
今日は全国的に寒い日となっており被災地の寒さは特に厳しいと思われます。救助活動に従事されている方々や避難されている皆様が体調を崩されることなく、安全に過ごされることを心から願います。
寒さ対策や健康管理には十分な注意が必要なのに、道路事情や物資の不足などでなかなか不十分だと聞いています。コロナの感染者も出た避難所があるとも。
早く必要な物資が被災された皆様に届き、一日も早く心穏やかに過ごせる日が来ることを願います。
書こうか迷ったのですが、書くことにしたことがあります。
1月2日の起こったJAL機と海保機の事故。あの時何が起こっていたのかこの1週間で定点カメラや乗客の皆さんが撮られた動画で知ることができました。
その中で様々な方の投稿で話題になっていたのがペットの話です。
SNSで発信した芸能人の方のコメント欄が閉じられたりするほど多くの様々な考えがあります。
どのコメント、ご意見も間違っていることなんてないと思います。人それぞれに思うことや考えがありますし、ペット飼っている人、飼っていない人で考えが違うのも当たり前の話です。
そして当事者しかわからない事情や思いがあるのもそう。
今日は実際に猫をJALの国際線に乗せた経験者としての思いを書きたいと思います。
少し長くなりますが、もしよければお付き合いお願いします。
飛行機に犬や猫を乗せる、それにはいろいろな事情があります。
飼い主の転勤、旅行、里親になるために遠く離れたところで保護されている犬猫を連れてくるなど。
我が家は2019年に猫のななを連れてマニラに渡りました。夫の転勤について行くためです。
もしかしたら異動かもと言われたのは2018年の終わりころだったと思います。異動になるかどうかははっきりしませんでしたが、決まった場合ななをどうするのか考えました。
海外駐在が決まれば飛行機に乗せるのは1度きりではありません。永住ではなく転勤なので必ず数年後には帰国します。行きは無事に到着しても帰りもあるということも含めて考えました。
・連れて行く
・実家に預ける
・私とななは残る
実家に預けるのは、駐在期間が何年になるかわからなかったので70歳を過ぎた母の負担になると考え断念。私とななは残る、これは私もマニラに行きたかったので却下。そうなると連れて行く方向で様々調べました。
その当時残念ながら客室に同伴できる航空会社はありませんでした。もしかしたら経由便を探せばあったかもしれないけど、経由便だと到着まで何時間かかるかわかりません。トランジットの時間も1時間なのか3時間なのかわからないので、あっても使わなかったと思います。
マニラまでの渡航時間はおよそ4時間。国際線なので少なくとも3時間前には空港に着かなければなりません。なぜなら検疫や書類のチェックなどあるから。私たちは成田空港からの出国で4時間前には着いていました。
実家から空港へ行くまでの時間も含めると最低でも8時間以上キャリーにいてもらわなければなりませんので、ななの負担は大きいです。そして貨物室預かりなので手荷物を預けたらマニラに着くまでななに会えません。ななはカウンターでキャリーをネットをかけられて連れていかれます。きっと怖かったはず。これから何が起こるのか、いったいどこへ連れて行かれるのか。
貨物室の温度や湿度は快適でも初めての1人、聞いたこともないエンジン音、気流の乱れによる揺れ、1人で本当に怖かったと思います。
このような怖い思いを2度もななにさせてしまって申し訳なかったです。
この渡航は飼い主のエゴです。
海外で仕事がしたい旦那さんと私も一緒に行きたいというわがまま。ななは大丈夫、無事に元気でマニラに着く、そして数年後一緒に帰国できるという何の根拠もない自信というか希望を持っていました。
それは奇跡だったとずっと思っていましたがより強く思います。
私より先に本帰国した猫友さん、2匹の猫と一度マニラから離陸したのですがトラブルでマニラに引き返し運よく別便に乗り換えての帰国となりました。まさかの事態に猫友さんも心配でならなかったそうです。猫たちはマニラ生まれの猫なので初めての飛行機でこのようなことになり怖かったと思います。
なので本当に無事に何事もなく帰国できたことは奇跡。
今回の事故で乗員乗客全てが無事だったことはすごいことです。乗務員の方々や乗客の方の機内での様子が様々な動画で見ることができて、NHKでリアルタイムで見たJAL機の中で起こっていたことを知ることができました。
そしてJALの広報から貨物室預かりだったペットが2匹いたこと、その2匹を助けられなかったと心からのお悔やみのコメントを読みました。
2匹のうち1匹の猫ちゃんの飼い主さんのコメントも読みました。亡くなった2匹とその飼い主さんの気持ちを思うと胸が締め付けられます。2匹はとても怖かったと思いますし、もしうちの子が・・・想像しただけで気が狂いそうです。
全ての乗客を無事に避難させたJALの乗務員さんや地上のスタッフさんたちは2匹のペットが貨物室にいたことを知っています。あの映像を見たら乗客全員が助かったことがすごいことなのですが、きっと助けられなかった2匹のことを思い出さないことはないと思うので、乗務員さんたちも気がかりです。
2匹が飛行機に乗った理由はわかりませんが、このような事故はめったにないので誰もこのような形で亡くなってしまうとは想像しなかったはずです。
犬猫を飛行機に乗せる危険性で話題になっていたのは、犬や猫が貨物室に預けられることで亡くなってしまうという事案があったこと。そのことを受けて、鼻の短い犬は預けられなかったと記憶しています。鼻が長くてもなくなるリスクはありますからそれを避けるために貨物室ではなく機内に同伴したい、心配だから同伴したいというのが多くの飼い主さんの思いではないでしょうか?
しかし、同伴したとしてももしもの時はペットは機内に置いて避難しなければなりません。これは現在ペット同伴可能なスターフライヤーの同意書に書かれていますし、同意しなければ搭乗できません。
サインするときには「何もない、大丈夫」と思ってサインする方がほとんどでしょう。このような事故はめったにないことで、事故が起こらないよう航空会社も安全に乗客を目的地まで届けるための努力や訓練をされていますから。
なぜペットと避難できないのか?
その理由はいくつかあると思いますが、キャリーが脱出シューターを破損してしまう可能性があるからでしょう。避難時は人間の荷物を持っていくことができません。絶対にダメです。キャリーは荷物なのでダメなんです。
貨物室預けの場合はプラスチック製のキャリーでなければなりませんが、スターフライヤーで同伴するときは入り口や窓がメッシュ地の必要があるみたいです。
①長さ50cm×横幅40cm×高さ40cm以内であること
②シートベルトで座席に固定する為の取手がついていること
③シールロックを装着することができること
④窓・入口部分がメッシュ素材であること(窓・入口部分が格子状のケージは不可)
布製なら大丈夫じゃない?と思うかもしれませんがファスナー部分が必ずあるでしょうし、スターフライヤーのHPに掲載されている写真を見ると転がせるタイプの物、どうやらバギー?のようなのでこれを抱えての避難は無理です。
もしもの時に一緒に避難できないなんてひどいじゃないの!と思う気持ちは理解できます。
「なぜできないの?」その場にいたら私も思うし冷静ではいられないはずです。
でもやっぱり人の命優先なんです。キャリーから出したら?と思うかもしれませんが人間でさえ冷静でいられないときに、いくら普段大人しくて「いい子」だとしても動物ですからわからないです。火事場の馬鹿力じゃないけどリードをちぎって機内を走り回るかもしれない。そうなると人間の避難の妨げになってしまう。それは避けなければなりません。
普段大人しかったり、飼い主に従順な子の飼い主さんや動物たちのかわいい姿しか見たことがない方ははわからなかったり、想像できなかったりするかもしれませんが、動物ってすごい力を見せるときがあります。
うちで飼っていたシーズーのナル、子犬の時にお留守番させるためケージに入れました。サークルではなく、上で開け閉めできるタイプのケージで、はめ込むタイプのロックが付いていました。
ある日帰宅するとナルが玄関に来ていたんです。もうビックリしましたよ。私たちがロックを忘れたのかと思ったら翌日も外に出ていて。どうやらナルは頭突きで開けたらしいのです。
また、うちの子ではありませんが網戸に突進して破ってしまった猫がいると聞いたことがあります。危うく転落するところだった猫、実際に転落してしまった猫がいるそうで、その話を聞いてから我が家の網戸は全てペットディフェンスに張り替えました。
今のところ、ななの火事場の馬鹿力のようなものを見たことはありませんが、病院へ連れて行こうとすると必死で逃げ回り、抱っこしようとするとものすごい力で噛むことがありましたから、自分の身に起こる怖いことに対して馬鹿力を発揮するのは間違いないと思います。
だから私はペットを貨物室に預けること、仕方がないことだと思います。機内同伴を認めてるスターフライヤーはすごいです、よく同伴を認めてくれた。でもそれ以外の貨物室預けの航空会社にペットの同伴を認めてとは言えません。
ペット同伴となると一般のお客様に迷惑をかけることもあります。吠えたり鳴いたりということだけでなく、アレルギーを持つ方がいるかもしれない。一度乗ってしまったら到着するまで外の空気を吸うことができない飛行機です。もし機内でアレルギーを発症してしまったら大変なことです。
うちではななを自家用車だけでなく新幹線などの公共の交通機関に乗せます。電車や地下鉄に乗車しているお客様の中にも動物アレルギーの方はいるでしょう。でも、今まで猫を連れていることで何か言われたり、嫌な顔をされたことはありません。
それはきっとお客様の方が避けてくれるからだと思います。「猫がいる、なんで?」と思ったとしても車両を変えるとかできるから何も言わず離れてくれているのでしょう。猫がいたことで本当は乗りたかった車両を諦めてるのかもしれません。
動物と乗り物に乗るときは、見知らぬ方の協力と理解があって移動できているのだとこれを書きながら再確認しました。
事故後に動物を飛行機に乗せる際のルールについて関心が高まっています。現在のルールはこの先変わるかもしれないし変わらないかもしれません。その中で今後気候が良くなり外出する機会が増えると思います。ペットを飼われている方は旅行計画を立てるときに本当に飛行機に乗せなければならないのか?目的地に行くためには飛行機しか手段がないのか、車や電車で行ける場所に変更できないのか?ペットホテルやシッターさんの利用を考える必要があると思います。
我が家は、母がまだななのお世話ができるというのでお願いしていますが、自宅のあるエリアのシッターさんと猫専用ホテルがあることは調べてあります。いつかお願いすることもあるので、近いうちに連絡してホテルの見学とシッターさんとの面談をする予定です。
とても長くなってしまいました。
良い言葉を見つけられず、AIに文章作りを頼んでみようかと思ったりしましたが、つたない文章でも自分の言葉で書くことが大事だと思って書きました。
猫を国際線に乗せた飼い主の思いを読んでいただきありがとうございました。