フライトシミュレーターの世界

経済アナリスト藤原直哉の、趣味のフライトシミュレーターのページです。主にX-Plane、PSXを飛ばしています。

Boeing 707-420で羽田からウラジオストックまで(1)

2017-05-08 21:21:00 | 日記

フライトシミュレーターではレトロな飛行機も楽しめます。今日はWilson Aircraftから出ているX-Plane11用のBoeing707-420で羽田からロシア極東のウラジオストックまで飛んでみます。

Boeing707は1958年に初就航したボーイング社の最初のジェット旅客機で、-420はロールスロイスエンジンを搭載して1960年に就航しました。ちょうど私と生まれた年が同じです(笑)。

エンジンの後ろ側には小さいノズルがいくつもついていて、本当に真っ黒な煙を出しながら飛んでいました

Wilson Aircraft社はさまざまなレトロな旅客機を発売しています。機能はシンプルで、飛ばすのにマニュアルと首っ引きというわけではありません。

ただ、この707-420にはいくつか大きなバグがあります。

1、慣性航法装置(INS)、ソフト名CIVAとX-Plane11のFMCのどちらも使えるようになっているのですが、それだとCIVAが正常に機能しません。いずれパッチが出るでしょうが、CIVAを機能させるには、このページにあるYoyoz氏の4月30日のコメントに従ってPlaneMakerとEditorを使って直す必要があります。FMCは使えなくします。

2、与圧が機能しません。セイフティーバルブが開きっぱなしになっていますし、ダクトプレッシャーが上がりません。そのため上空で酸素不足になります。酸素不足で目の前が真っ暗になる機能をX-Plane11のほうで止めておかないと飛行できなくなります。

3、操縦席にTAS計とMACH計がありません。X-Plane11の機能を使わないと外気温とマッハ数がわかりません。

というわけで、こういう飛行機はたくましくないと飛びませんね(笑)。

ではさっそくコースを見ていきます。羽田を離陸して関宿から新潟に。新潟から日本海を横断してロシアのウラジオストックに行きます。

途中のIGRODが日本とロシアの飛行情報区の境界点になります。PFPXで作成したコースを出してあります。

今日はCIVAを使って飛びます。CIVAを使ったフライトはかつて紹介したことがあります。CIVAは機械式の慣性航法装置(INS)で、VHF無線が受信できない所でも自律航法でかなり正確に飛ぶことができます。実際には2台あるいは3台を同時に使いますがここでは1台だけです。その昔は天測やLORANで飛んでいました。INSはウエイポイントを緯度、経度の座標で入力します。しかも現在位置以外に9ポイントしか一度に入力できず、9番の次は1番に戻るので、コースが長い時は通過したポイントに次々と先のポイントを入れていきます。

しかしとても優れたプラグインがあります。CIVA Helperです。これはウエイポイントを入力すると自動的に緯度、経度の座標に変換してくれて、自動的にCIVAに読み込ませてくれます!ですから何番にどこのポイントが入っているかは一目瞭然。これがない時はフライトプランに1から9まで、さらに1から9までと次々に数字を振っていかなければなりませんでした。

ただし、コースが直線のところは途中のウエイポイントはカットして、変針するところだけをピックアップして入力していきます。本当はSIDやSTARはVORやNDBを受信して飛びますが、今や各空港ともそういうルートは非常に少なくなっていて、RNAVのコースをINSを使って飛びます。

では機体を読み込みます。デフォルトがパンナムの塗り分けです。707-420はBOACやVARIGで飛んでいたそうです。

フライトプランの距離は658マイル。2時間弱。燃料は4時間半分積んで、あとはペイロードを積み、最大離陸重量にしてみます。しかし結果として全然重くないフライトでした。まるでロケットのように上昇していきます(笑)。当時の操縦士の書いたものを読むと重くて重くて上昇率が毎分1000フィートに達しないことも珍しくなかったとか。そんな機体を飛ばしてみたいものです。

羽田空港の東駐機場に機体を呼び出します。

きれいな機体です。昔の飛行機は胴体が細いのでスマートで美しいですね。

 

では、プラグインのGround ServicesからGPUとタラップを呼びます。

操縦室に入ります。アナログ計器とスイッチが並びます。ダミーのスイッチも結構あります。ただ、オートパイロットは機能限定版で新しいものがついています。

 酸素マスクが上から釣ってあります。グレアシールド正面にある大きなエンジン消火装置やエアーブレーキはB727でも見られます。

航空機関士席です。このパネルの多くはダミーです。実際にはこのパネルを細かく操作すると楽しいのです。FSXにはコンコルドがありますが、あれがアナログ機としては最高傑作ではないでしょうか。コンコルドの機関士席はすごいです。B747クラシックの機関士席もいいですね。いずれも燃料タンクの切り替え操作がいろいろあるのです。降下から進入に入る時にリザーブタンクを開けるとか、いろいろ興味深い操作がありますが、このソフトでは全く動かすことなく飛ばすことができます。コンコルドなんか音速を超えるときに機体の重心位置を変えるので、燃料を主翼と尾翼のタンク間で移動させます。同じことは現代の飛行機でもやっていますが、コンコルドは燃料タンクが10以上あって、機関士がマニュアルで操作するのです。あと、コンコルドは高高度を飛ぶので、放射線量のメーターがついていました。あまりにも放射線量が高くなった時は高度を下げるように決められていました。X-PlaneでもB727は機関士席がしっかりついています。

 では出発準備を始めます。パーキングブレーキをオン。

バッテリー、アビオニクス、外部電源、インバーターをオン。外部電源はAPUにします。

機関士パネルの電源のところです。オレンジのランプがついているところ、バスタイとエンジン発電機のところをカバーを上げてスイッチをオンにします。

オレンジのランプが消えます。

その下が燃料パネルです。かなり簡略化されています。青いランプがついているところは燃料ポンプが操作できるところで、オフになっていますからオンにします。燃料コックの操作は基本的にありません。リザーブタンクも最初からオープンになっています。しかし燃料はセンタータンクから消費されていきます。各タンクに等量燃料が入っています。

このようになります。

機関士席右下はエンジンパネルです。まだエンジンは始動していません。

機関士席右上が与圧のパネルです。当機では与圧が動きません。ダクトが3本あってメーターも3つついていますが動きません。下のほう右側の細長いランプ、セイフティーバルブは開いたままです。気圧計は機内が与圧されていないことを上空でも正しく示してくれます(笑)。巡航高度を入れます。客室高度は自動的に出てきます。

オーバーヘッドパネルです。ナビゲーションライトをオン。

 客室サインをオン。昔は機内でもタバコが吸えました。確か禁煙サインは離陸後ただちに消えて、着陸間際にオンになったように記憶しています。

これがINSです。1台搭載しています。ペデスタルの反対側にX-Plane11のFMCがありますが、それは動かないようにしてあります。そうしないとこのINSが正しく作動しないのです。

ではINSの調整を始めます。必ずパーキングブレーキをオンにしておきます。そして上のつまみをスタンバイに、下のつまみをDSRTK/STSにすると0 95と出てきます。0が出ていれば異常なし。本来上のつまみはオーバーヘッドパネルについています。

では現在位置と先々のポイントを入力していきます。これがCIVA Helperです。プラグインを呼び出したところです。

ポイント0が必ず現在位置です。RJTTを入れて、以降1から9までポイントを入れ、>>を押して緯度経度を出し、さらに>>を押してINSに入力します。実に優れものです。

10番目のポイントは1番のポイントの通過後に入れます。それはCIVA Heperの2ページ目に入れることができます。10番目から17番目まで入れていきます。17番目がウラジオストック空港UHWWです。

こうやってポイントが入力されます。WAYPTにすると緯度経度が出てきます。これはポイント0、羽田空港RJTTの緯度経度です。

ではつまみをALIGNにします。このまま置いておくと9が次第に数が減っていき、5になると上のReadyのランプがついてつまみをNAVにすることができるようになります。しかしそのまま置いておくと1になってより正確に現在位置を把握できます。調整に必要な時間は気温によって差があったそうです。

 現在位置の調整にはVOR/DMEも使えます。後程調整をしますので、羽田VOR(HME)の周波数を調べておきます。112.20MHz

オーバーヘッドパネルにNAV周波数を入れるところがあります。NAV1にHME、羽田の周波数を入れます。トランスポンダはスタンバイ。

オーバーヘッドパネルも動かせるスイッチは限られています。ピトーヒート、ヨーダンパー、インバーターをオン。

 NAV2にはSYE、関宿の周波数を入れます。

巡航高度は33000フィート。一気に上がっていきます。

INSが35になって緑色のReadyのランプがついています。これでもう使えます。

上のスイッチをNAVにします。これで移動OKです。

オートパイロットのソースをFMSにしておきます。こうしておくとINSからの出力がオートパイロットに入力されます。

オートブレーキをRTOに。

クルーの姿を出すことも消すこともできます。

 こんなスイッチがついています。

では出発準備完了です。タラップと電源車を外します。

ビーコン灯をオン。

X-Plane11のトーイングトラクターを呼びますが、この空港にはありませんと言って出てきません。

そこでGround Servicesのトーイングトラクターを呼びます。操向はマニュアルでやるようにしてリクエスト。

やってきました。プッシュバック開始です。

なぜか左右に曲がりません。仕方ないのでバックだけして終わりにします。

パーキングブレーキをオン。続いてエンジンの始動です。これが現代のオートスタートと同じで、まず燃料カットオフスイッチをSTARTにします。

外部電源はAPU。

飛行中は機関士が後ろから手を伸ばしてスロットルを調整します。

先ほどイグナイターのスイッチはすべてオンにしておいたので、スターターを順にSTARTにしていきます。

1番エンジンSTART。

1番エンジンが起動しました。

順に4番エンジンまで起動します。

エンジンが4つとも正常に起動しました。

このソフトには極めて簡単なマニュアルがついています。性能表もあって、今日の気温は19度。最大離陸重量ですから離陸速度は153-158-171を使います。

外部電源をオフ。

舵の動きをチェック。

タクシー灯をオン。

離陸フラップ30度。

パーキングブレーキを解除して出発します。

今日はRWY16Lからの離陸です。

クラシックできれいなフォルムです。

離陸滑走路に向かいます。

滑走路の手前で一旦停止。

着陸灯、ストロボ灯をオン。

ここでDMEを使って現在位置の修正を行います。DMEはHME。距離1マイル。正しく調整されています。

1マイルと出ています。OKです。

トランスポンダをオン。

滑走路に正対しました。横風が吹いています。

60度から7ノット。

では離陸です。

離陸推力の設定についてはマニュアルに記述がありますが、最大推力です。メーターの数字から1を引いたものがよく見るEPRの数字です。2.0でエンジンの前と後ろで圧力が同じ。2.0より低くなるのは逆噴射でしょう。

離陸滑走が始まりました。V1です。

軽々とロケットのように離陸していきます。最大離陸重量なのですが。ただし、恐ろしいほど真っ黒い煙を出します。

離陸時の姿勢を維持します。

ではオートパイロットをオン。そうするとまず姿勢を維持します。

グレアシールドのパネルがこうなります。

続いてLOCを押すとINSの誘導で飛びます。上昇は速度一定で上がりたいところですがこのソフトではその機能がありません。そのためVSを選んでマニュアルで上昇率を調整しながら速度を合わせます。ここでは1500フィートで上昇となっています。

同じものが左右についています。

INSの表示が早速動いています。ポイントゼロから1へ。あと6マイル、1.9分。

ポイント1を過ぎました。自動的に1から2になります。あと5マイル1.2分。

離陸推力ですが、排気ガス温度が黄色の領域になる直前にセットします。オイル圧力は高い方に振り切れていますが、これは調整できないようです。エンジンオイルの温度も変な数値です。

袖ヶ浦の手前を左旋回で、東京湾を北上していきます。

INSは2から3へ。6マイル1.6分。

速度は約250ノット、毎分3000フィートで順調に上昇を続けています。

上昇率を上げたり下げたりしながら速度を合わせます。

ポイント5が関宿VOR、SYEになります。ここから新潟へ直行です。

X-Plane11の地図で見たところです。

眼下に千葉が見えます。

ポイント3から4へ。7マイル、1.8分。

レーダーがついています。あまり見やすくないですが。

このように北上していきます。

関宿VORまで16マイル。DMEの数字とINSの数字が一致しています。方位も合っています。

10000フィートを過ぎました。加速するために上昇率を大きく落とします。

加速しているところです。

着陸灯をオフ。

シートベルトサインをオフ。

300ノットで上昇していきます。

上昇率1200フィート。

時速約300ノット。

関宿から新潟へ飛んでいます。122マイル、22.1分。

既に4番までは飛びましたので、そこに2巡目のポイントを入れておきます。CIVA Helperの2ページ目の1から4を入力します。

4番まで新しいポイントに入れ替わりました。

NAV1に新潟、GTEの周波数を入れます。115.5MHz。

DMEに13.6と出ていますが、これは113.6マイルのことです。VOR表示器も新潟と関宿がほぼ重なっています。ちょうどこの2点の直線上にいます。

(つづく) 


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