社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「Grief Counseling&Grief Therapy 」 その②

2010-05-26 10:49:54 | 洋書
ビリーブメントケアをグループで行うためのガイダンスについても書かれている。
何を目的とするか、どのように構成し、運営していくかなど、グループワーク全般に適応できる内容であった。

グループカウンセリングのガイダンス
1.グループの形態を選ぶ
 ①目的…感情のサポートか、教育を主目的にするかなど
 ②構成…オープンかクローズドか(誰でもいつでも参加OKとするか否か)、期間をどのように設定するか
 ③計画…ミーティングの回数、時間、グループの規模、場所の設定や掛かる費用のについての検討など
2.参加者をあらかじめ選別しておく…どのような状態で愛する人を亡くしたかについて、類似した経験を持つ者同士のほうが効果が得やすい。
3.グループに参加することで、期待できる効果を明らかにする
4.ルールを設定する…守秘義務など
5.どのようなリーダーシップを取るのかをきめる…参加者が主体となるか、専門家がある程度誘導するのか…など
6.人間の内面のダイナミクスを理解する(Understand Interpersonal Dynamics)
 …多くの人は、自分はこのグループに適しているのか、必要とされているのかと不安になる。人間はそういった要素を持っているということを理解する。
7.崩壊的な参加者を有効に扱う(Handle Disruptive Behaviors Effectivety)
 …「私の喪失は他の誰のものよりも大きい」と発言する参加者に対して(もしくはそういう発言をする参加者がいるグループに対して)は、「どの人の喪失も、このグループには大切」「比較する喪失は存在しない(どれも一番大切で大きい)」と対応する。


人間の内面についての理解が必要…これはもっともであるが、一番難しいと感じた。
「理解すること=スムーズに運営すること」の並走には、専門家としての高いスキルが求められるだろう。
ビリーブメントケアを定期的に運営し、そこにソーシャルワーカーが関わっている組織もある。
いわゆる「兼務」が多いが、それは「看取り」から継続しての「ビリーブメントケア」が望ましいからかもしれない。
人数の問題以上に、ソーシャルワーカーに求められるスキルの高さを感じる。



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