碧田直の いいじゃないか。

演劇ユニット、ミルクディッパー主宰の碧田直が、日々を過ごして、あれこれ思ったことを、自由気ままに綴ります。

無題そのごひゃくよんじゅうに

2017-10-12 21:20:46 | 日々
今日は日差しが強く、夏日となった。が、季節外れの気候もここまで。明日からはずっと雨降りで、気温もぐっと下がるらしい。一気にまた秋だ。

信号待ちが苦手である。まあ、得意な人もそういないのではないかと思うが、歩きスマホをまるでやらないので、青信号に変わるのを待つ間は、手持ちぶさたといおうか、なんとなく、何をしたらいいかわからなくなって、赤信号を意味もなくじっと見つめたりしている。
が、最近、バイト先近くの交差点で、妙に気持ちが高揚するスポットを見つけた。そこは坂をくだったところに、三角錐のように広がるスクランブル交差点のようになっているところで、赤信号が終わると、歩行者用の青信号になるまでの間、坂から降りてくる車が行き交う。もともと坂なので、場所によっては、信号待ちしている自分たちに車が向かってくるような感じになるのだが、路線バスが停車していて、それが坂から降りてくる瞬間ときたら最高だ。すぐ近くにバスターミナルがあり、そこへ向かってバスは坂を下って、まず、かなりのところまで信号待ちの歩行者に接近してから、ドリフトのように後輪を振る。バスの大きさと、坂が生み出す遠心力、そしてまさに目の前だという迫力。ほんの少し運転を誤りでもすれば、こちらもひとたまりもないのではと思わせる緊張感がないまぜになって、単なる信号待ちが、ちょっとしたスペクタクル・ショーなのである。疑いなく、あそこはワクワクできるスポットのひとつだ。
残念なことに、そのことに気付いているのは、たぶん俺ひとりだろう。たいていの人は無感動にバスが通過するのを眺め、青信号とともに無感動に横断歩道を渡る。しかし、もったいない。ちょっぴり視点を変えるだけで、退屈な信号待ちをも楽しめるのに。まあいい、自分ひとりだけの密かな楽しみとして、この数秒間のスペクタクルを今後も味わっていくとしよう。
コメント
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