ブログ de なんで屋 @東京

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2/18なんでや劇場レポート 番外編 「現代の市場」

2007-02-25 20:22:08 | なんでや劇場
さて、これまで市場の歴史とその原理を見てきました。

劇場レポートシリーズの最後に、現代の市場はどうなっているの??っていう話をしたいと思います。

          

さて、2/18なんでや劇場レポート1では、市場が成立する原理は、

1.富の集中

2.幻想価値⇒価格格差の捏造

が必要とありました。現代の株式市場にも見事に当てはまりますね。しかし、昔と今とでは幻想価値を与えるものに違う部分があります。

現代、市場というと、「株式市場」のイメージが強いのではないでしょうか?奥様層やサラリーマンがパソコン相手に株を取引すると言う話は良く聞きますね。また、外資系ファンドによる株式売買の話題は後を絶えません。最近もサッポロホールディングスに対するTOBが巷を騒がせています。今回のサッポロHDの話もスティール・パートナーズ・ジャパンというアメリカ系ファンドがTOBを仕掛けているんです。

ところで、覚えている人もいるかもしれませんが、このスティールというファンドは、つい先日もカップ麺メーカーの明星に対してTOBを仕掛け、なんと約36億もの利益を上げました。明星の時は、TOBを表明することで、「スティールが明星の株を買い占めるから株価が上がるな」と投資家に思わせて株価をつり上げ、買収から救おうと手をさしのべた同業者の日清食品に株を売り抜けることで、莫大な利益を得だのです。サッポロHDでも、そしてその後も、このような事が繰り返されるのではないでしょうか。

        

市場では、売り手の目的は利益ですが、買い手はその商品を購入するのには何らかの目的があります。例えば、宝石や絹織物等では、自分を美しく見せたいだとか、工業製品だと、便利な生活をしたいというようなことです。例えその価値が幻想だとしても、実体のあるものを取引し、買ったものは買い手の役に立っていました。ですから、売り手(作り手)も、より良いものを仕入れよう、より良いものを作ろうという意識は常にありました。

しかし、現代の株式市場では、実体のない株式が取引の対象となっています。そして、売り手の目的も買い手の目的も利益のみです。と言うのも、先進国では豊かさを手に入れたため、ものがあまり売れなくなり、このような実体のない株式市場に利益を求めてしまっているのです。しかし、こんな実体のない市場はもはやゲームか博打のようなものであり、破綻を迎えてしまうでしょう。

市場=幻想であり、既に限界を迎えています。市場に代わるシステム、みんなが充足できる場が、今必要とされているのではないでしょうか?

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Hiroshi)
2007-02-26 21:36:13
こんばんは、
すみません、TOBって何ですか?よく聞くのですがいまいち仕組みが分かりません。
株式公開買付(Take Over Bid)を敵対的に行なうということらしい(敵対的TOB)ですが、良かったら今回の事例ででも仕組みを教えてもらえれば・・・・
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Unknown (さち)
2007-02-27 21:17:08
私もTOBの内容がわかりません…

>売り手(作り手)も、より良いものを仕入れよう、より良いものを作ろうという意識は常にありました。

こういう意識の時って、やる気が出ているとき☆
本当はみんなこれを求めているのに、実際はなかなか上手くいかないようです
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TOBとは・・・ (Unknown)
2007-02-28 00:42:52
>Hiroshiさん、さちさん
株式会社って、自分の会社の資金を株主に出してもらいます。その代わりに株主は、会社の経営に口を出すことができ、その力は持っている株が多いほど強くなります。だから、株式会社の株を大量に持っていると言うことはその会社の経営権を握っているのと同じ事で、だから会社の株を買い占めればその会社を買収できます。

で、TOBですが、HiroshiさんがおっしゃるようにTake Over Bidの略です。分解すると、
 take over:乗っ取る
 bid:入札する
なので、要は会社を買収するときにはこそこそやらず、おおっぴらに公開された場でやってくださいね、っていうことです。これは法律で規定されています。

さらに、Hiroshiさんがおっしゃるように友好的TOBと敵対的TOBがありますが、買収される会社の経営陣の同意をもらった上で買収するのが友好的TOB、有無を言わさず、株を買いまくって、無理矢理買収するのが敵対的TOBになります。

うーん、むずかしかったかな~
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日本を食い散らかされないようにするために (オオモリ。)
2007-02-28 01:32:29
考えてゆかないとダメですね。
もうすぐ三角合併もできるようになるし。。。
これまでのように、自分の企業のことだけを考える(それすら考えてないのは論外ですが)のではなく、企業同士の連携を強化し、“take over”に備える必要があるのでは?と感じています。
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TOB→株価UPで大儲け! (Hiroshi)
2007-02-28 19:12:35
どなたか存じませんが、Unkounさん解説をありがとうございました。よくわかりました。

補足すると
TOBって、株を買い占めるだけではなくて、

敵対的TOBで株を買い占めると

買い占められた側は、経営権を握られたくないから
対抗的TOBで株を買い増す

株価がどんと上がる

敵対的TOBで株を買ったほうは今がチャンスと
株を売って大儲け!

株価ダウン

要は最初からそれが狙いだったわけ、だから公開するのですね。ちなみにこれを開発したのは、ユダヤ人らしい。
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Unknown (Unknown)
2007-03-02 00:54:01
>Hiroshiさん
ほーー。ユダヤ人が開発したんですか。よくご存じで。

ちなみに、その方法は「グリーンメーラー」という名前があるらしいです。
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市場は成長続けどこへ向かっているのか (中年のおじさん)
2007-03-02 22:41:38
先進国では、欲しい物がなくなったので「市場が縮小過程に入った」と云われながら、市場は成長(取引額がどんどん増え)し続けているように思います。
物品の取引は、限界を迎えようとしていますが、新たな投資対象が次々と登場しています。CO2の権利・会社を巡るマネーゲイム等 人が認識できる物はすべて投資の対象となっているような気がしますが・・・

市場はどこへ向かっているのでしょうか?
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