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「東北地方太平洋沖地震について」その1

2011-03-12 23:15:20 | 路上の声~政治・経済~

東北地方太平洋沖地震について、各報道機関から発表されている所見をまとめます。

最初にポイントをまとめておきます。

宮城県沖」「三陸沖南部」「福島県沖」「茨城県沖」地震は海溝型(太平洋プレート)、「長野」「新潟」「秋田」は断層型とも海溝型(ユーラシア+北米)とも言われている。

※地震は「プレート境界型(海溝型)」と「内陸型(断層型・直下型)」の2種類ある
●海溝型:地震の規模はM7~8と大きい。およそ数十~数百年ほどの周期で繰り返し発生するので予測しやすい
●断層型:地震の規模は活断層の大きさによるが多くの断層はM6~7。地震の発生は、数百年から数十万年に1回の頻度。予測は難しい。(参考:リンクリンク

○連鎖的に起きているのが今回の特徴。宮城県沖から4領域連続での海溝型地震は観測史上初
4領域連続地震に誘発され、(半日遅れて)内陸部で地震が起きたと考えられている
○東海・東南海地震の想定震源域はフィリピン海プレート付近なので直接関係ないと思われる

///////////////// 以下、各社記事を抜粋引用 /////////////////

■msn産経ニュース 2011.3.11 22:41
『想定の90倍規模「日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた」』より

 今回の地震は、太平洋プレート(岩板)が、東北地方を乗せた北米プレートの下に潜り込むことによって起こる「海溝型地震」だ。
 政府の地震調査委員会では、宮城県沖、三陸沖南部、福島県沖で起こる海溝型地震については、マグニチュード(M)7・5規模を想定していた。しかし、今回の地震の規模はM8・8と想定を大きく上回った
 東京大学地震研究所の古村孝志教授は「M8・8は、想定されていたM7・5のエネルギーの約90倍に当たる。1707年の宝永地震(M8・6)の2倍で、国内では最大級だ」と指摘。「プレート境界面が南北200~300キロメートル、東西100~150キロメートルにわたり、十数メートルずれたと想定される」と説明する。
 気象庁でも、地震によって、岩手県から茨城県に至る南北400キロ、東西200キロの断層帯が破壊された可能性が高いとみている。
 想定を上回る規模となったことについては、複数の震源域が連動して想定を超える巨大地震になった可能性がある。

 宮城県沖地震は陸に近い海域と、沖合の日本海溝に近い2つの震源域がある。過去の地震の規模は、陸寄り単独の震源域だとM7・4程度だが、日本海溝に近い震源域も連動すると大規模になり、過去200年で唯一の連動型だった1793年はM8・2で、大津波が発生した。
 海溝型地震に詳しい京都大防災研究所・地震予知研究センターの橋本学教授(測地学)は、今後の詳しい解析が必要とした上で、「約200年ぶりに連動型の宮城県沖地震が起きた可能性がある」と指摘する。
 ただ、地震調査委は連動型をM8・0前後と想定しており、今回の規模はさらに大きい。プレート境界が想定を超える広範囲で破壊され、国内最大規模につながった可能性がある。
 橋本教授は「過去にない事態だ。日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた印象で、とんでもないことが起きた」と話す。気象庁は「現時点で関係は分からない」としている。

※引用者注
「宮城県沖」と「三陸沖南部」が連動した地震としては約200年ぶりだが、「宮城県沖」「三陸沖南部」「福島県沖」「茨城県沖」と4領域連動した地震は例がない


■日経新聞  2011/3/12 0:24
『「プレート型」の典型 数百キロにわたる断層が動いた可能性』より

 余震について気象庁は、「今後1カ月にわたってM7クラスの余震が発生する恐れがある」という。東海・東南海地震への影響については「東海・東南海地震の想定震源域はフィリピン海プレート付近なので直接関係ないと思う」と説明した。
 宮城県沖の地震は約40年おきに発生、1978年にM7.4の地震が起きてから30年以上経っていた。国の地震調査委員会はこの地域で30年以内に99%の確率で地震が起きると予測していたが、規模はM7.5~8.0前後と見積もっていた。
 今回の地震では400~500キロメートル以上にわたって断層が壊れた可能性があるとの見方もある。京都大学防災研究所の橋本学教授は「昨年のM8.8のチリ地震でも約800キロメートルほどの断層が動いたといわれ、今回に似ている」という。
 地震のタイプは大きく分けると、今回のようなプレート境界型と、プレート内の断層が動いて起きる直下型地震の2つがある。1995年に起きた阪神大震災は直下型地震で、今回の地震とは異なるタイプだ。
 プレート境界型の代表的な例では、2004年に津波で大勢の被害者を出したインドネシア・スマトラ沖地震がある。この際もプレートが跳ね上がり、一部の地域では10メートルを超すような大津波が発生した。


■日経新聞  2011/3/12 11:12
『巨大地震、他の地震誘発か 専門家「内陸の活断層刺激」』より
 マグニチュード(M)8.8と国内観測史上最大の規模となった東日本巨大地震の直後から、各地で地震が相次いでいる。12日午前4時ころには新潟県中越地方(M6.6)、同4時ころは長野県北部(M6.7)の地震が発生。専門家は巨大地震で誘発された可能性もあるとの見方を示す。
 これまでは数百キロメートル離れた地震は互いに関係はないと考えるのが通説だった。だが前例のない大地震だけに、従来の知識では説明しきれない。

 東京大学地震研究所の平田直教授は「東日本巨大地震の影響が内陸にも及んでいるのではないか」と指摘する。
 気象庁の横山博文地震津波監視課長は関連性について「詳細は分からない」と最終結論ではないとしながらも「一般論としては太平洋の地震で大きな地殻変動が起こっている。地震を起こしやすい方向に働いたとすれば、地震が起きそうになっていた地域で地震を誘発してしまうことはありうる」と解説した。
 いずれも巨大地震の余震ではなく、新たな地震が引き起こされたとの立場だ。
 それぞれの地域には、もともとひずみがたまった断層があった。そこに巨大地震によって、日本列島にかかる力が変化した。それをきっかけに断層が次々とずれ、各地で地震が発生したと考えられる。

 日本列島は北米プレート(岩板)とユーラシアプレートにのり、東から太平洋プレートとフィリピン海プレートが押し寄せる。
 東日本巨大地震に続いた新潟県中越地方と長野県北部の震源域は北米プレートとユーラシアプレートの境界に当たる。この一帯は「新潟神戸ひずみ集中帯」と呼ばれ、地震が起きやすい場所だ。
 東京大学の古村孝志教授は「(新潟県と長野県の地震の震源域は)もともとひずみがたまっている。巨大地震で内陸の活断層が刺激を受けたのでは」という。

 余震も含まれるが、04年の大地震が周辺のプレート境界のひずみの状態を変えて地震活動を活発にしたとの見方もできる。
 一方、東日本巨大地震についても隣接する震源域が連動して過去に例のない規模になったとの分析がある。
 国の地震調査委員会は宮城県沖や宮城県沖東部、福島県沖、茨城県沖の4つの想定震源域が連動して巨大地震につながったとの見解を明らかにしている。
 同委員会によると、宮城県から茨城県沖にかけては最大M8.2を想定していた。宮城県沖地震が単独で起きればM7.5で、宮城県沖の東側と連動してもM8.0としていた。一方、福島県沖はM7.4、茨城県沖はM6.7~M7.2と予測。東日本巨大地震はそれよりもはるかに規模が大きく、いくつかの震源域が連動したと考える方が説明が付く


■読売新聞
『列島各地で誘発地震、M6以上が広がる可能性も』より

 気象庁によると、長野県北部の地震は、「十日町断層帯」と呼ばれる断層帯の南西の端で発生。地盤内でたまったひずみが原因の逆断層型の地震で、プレート(岩板)の境界がずれた東日本巨大地震とはメカニズムは異なる。だが、M8・8の観測史上最大の地震が列島の地盤のひずみの状態を変えた可能性があるという。


■東京新聞
『遠隔地の揺れ誘発か 関東でも可能性』より

 東日本大震災の余震活動が続いた十二日午前、長野県や秋田県沖など、遠く離れた地域でも強い地震が相次いだ。気象庁は「三陸沖の地震に誘発された可能性がある」との見方を示した。今後も、関東など他の地域で同様の地震が誘発される可能性も否定はできないとしている。

 地震発生のメカニズムは、東日本大震災の本震が「海溝型」、長野県栄村で震度6強となった同県北部の地震(マグニチュード6・7)は内陸での「直下型」で、タイプは異なる。

■msn産経ニュース 2011.3.12 19:55
『4震源域、同時崩壊 「新潟・長野」誘発か』より

 地層の堆積物調査などから、宮城県の仙台平野は過去3千年間に4回ほど、大津波に見舞われたと考えられている。中でも規模が大きかったのが、869(貞観11)年の貞観地震で、津波が海岸から数キロの内陸まで達したとされる。今回はそれを上回ったとみられ、日本の災害史上最大規模の津波となった可能性がある。

 震源から比較的遠い関東地方でも揺れが激しかった。阿部名誉教授は、「震源域が広かったことに加え、南北に延びたプレートに沿って地震波が伝わったため、減衰しにくかった」と説明。このような現象は「異常震域」と呼ばれる。

 東大地震研究所の古村孝志教授によると、東京都文京区では周期が0・5秒前後から20秒以上までの幅広い地震波が観測された。「幅広い地震波は大規模な地震の特徴の一つ」という。超高層ビルや石油タンクを揺らす周期が7秒前後の「長周期地震動」については、「新潟県中越地震(平成16年)のときのように、長周期地震動が卓越したわけではない。今回は比較的低層の建物が大きく揺れたのではないか」と話した。

///////////////// 以上 /////////////////

次回は、政府から報告されている情報についてまとめます。


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