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文学少女シリーズ4巻 「文学少女と穢名の天使」 感想文?

2012年06月04日 | 小説感想



ぬわああにいいいいい、遠子先輩が休部だとおおおおおお!?

しかも琴吹さんメイン? はっはっは
ああ、ガッツでねぇ…」 と
ほぼ読む気0からスタートしたワケでしたが…ごめんなさい
魂が焦がれるほど良い作品でした。
なのでネタバレしない程度で文章に刻み付けとこうと思います。
(*長文読むの苦手な人は最後のおまけ絵だけ見てくれれば満足です)

さて、今回は、あの有名作「オペラ座の怪人」をベースにしただけあって
音楽の道を志した人達の心情に触れ合う事ができました。
日常の中にあふれている「音楽」というジャンルですが
作られる過程の世界となると目にする機会がほとんどない不思議な世界
どうやら普通の学校より学費が高いだけでなく
チケットのノルマや個人レッスン代など
とにかくお金のかかる業界らしいです。

そんな中で、自分自身の人生そのものを賭けて
狭き道を潜ろうと身を削りあう音楽の世界。
そこで振り分けされる成功者と敗北者
この作品は、その両方が抱える独自の悩みや絶望がとてもよく表現されていて
音楽道を突き進むキャラクター全員に感情移入できてしまう作品でした。
中でも

「芸術家を目指す人は臆病で自信なく揺れやすい。才能あると褒められながら
壁にぶち当たって苦しんで、どうしようもなくなるけど
それでも諦めきれなくて、心が病んでいく」
的な文章を読んで

ああ、みんなも壁にガンガン頭叩きつけたり 心臓付近をぶん殴り続けたり
デザインナイフ持って、頭に突き刺したらこのモヤモヤ感が
ヘドロみたいに全部流れ出てくれるかな…とか考えたりしてんのかなと想像し
妙な親近感持ったりしてしまった。

まあ、自分で好き好んで進んでる道だから皆文句はないのでしょう。
大体、こっちの道に来る人は
もう後戻りできないから続けてるというよりも
やらないと息できなくて苦しいみたいな中毒者みたいな人が多いんじゃないかな。
己の作品を完全否定されてショック受けてメシも喉を通らない状態でも
なぜか作業に向かっちゃう、もちろん息は苦しいし
頭はぐちゃぐちゃだし、全身がストップサイン出してるんだけど
それでもやらなきゃ気がすまない
そんなある種の自虐行為みたいな事を繰り返しながらみんな悩んで進んでいく
いわば、精神的な戦国時代みたいなものではないでしょうか。

作中でも「ファントムとラウルのどちらが幸せ?」という問いがありました。
言い換えれば、「特別」と「平凡」のどちらが幸福であるかの問いなワケですが
まあ言わずとも「どっちもキツイ!!」のが確かなわけで
特別には特別なりの悩みがあるし、平凡もまた然りなのが自然なのだと思います。

ただ、世間一般とは違う道を目指すというのは
言葉じゃ言い表すのも嫌なくらい覚悟が必要なのは確かでしょう。
某ジ○リ映画作品でも「他人と違う道はそれなりに辛いぞ」と言ってし…うん。
社会が「守ってあげるよ」という生き方を提示してくれているのに
それ蹴っ飛ばして「オレのやり方が正しい」と言い張って進んでいく
いわば社会や常識にケンカ売る生き方になるわけだから
社会が守ってくれないのは当然でしょう。
守ってほしかったら俺らを楽しませるもん作ってこいよ、はっはっは 
というのが本音なはず。
なので
当たり前の「人」をやめる覚悟
この業界に入るための前提条件なのではないでしょうか?

かといって「じゃあ、嫌なことだけなの?」と聞かれたらYESとは答えにくいのも確か
「いいこと」だって少しはある(はず)。
作中にでてきた音楽の「天使」だって自分の声に喜びがあることに気付けたし
夕歌だって貧乏でつらい思いをしてたけど幸せでもあった。
かくいうオレ自身も
自分が描いたものに反応があった時は満面の笑みを浮かべちゃったり
描けなかったものが描けるようになった時は思わずガッツポーズしたり
遠子先輩が「胸のふくらむ体操」してるとこ想像してニヤニヤしたり
遠子先輩が受験勉強そっちのけで、コップを壁に当てて盗み聞きしてる姿に
心がズッキュン、バッキュン、ドッキュン、バッキュン☆したりとか

いや~本当、遠子先輩はかわいいなぁ

と台風のような激しい幸せを感じたりして、なんとか生きてたりします。
うまくいかないことや理不尽なことはたくさんあるけど
その中で自分自身の感情が表現できる道
ここでは「音楽」の道を進めること事態が
苦しみでもあり「幸せ」でもあるんじゃないかなと感じる作品でした。

最後に余談ではありますが、ソプラニスタの歌は一度生で聴いてみたい。
オレ自身はカウンターテナーもどきな歌い方だから
どう違うのか物凄い気になる!

以上、まったくメインの「琴吹さん」に触れないどころか
本編にすらほとんど触れてない、困った感想文でした。


<おまけ>


<作者のつぶやき>



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