中田真秀(なかたまほ)のブログ

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論文が出版された

2012-07-26 12:01:40 | 日記
On the size-consistency of the reduced-density-matrix method and the unitary invariant diagonal N-representability conditions

以前予告した通りにはならなかった。
単著にはできなかった。

なんと、二年もかかってるのもどうかと思う。

英語の書き方が勉強に成った。文を書くスピードが上がった。
レフェリーを選ぶ重要性についても身にしみてわかった。

今まであまり書き方などを気にしたことが無かったしレフェリーとの格闘とか
イロイロブログ、日記などに書いてあるのを見てて「フーン」みたいに思っていたが
単にそれは問題を先送りしてただけで、自分自身の表現としては弱かった。要するに
後ろの名前の人たちに支えられていたということなんだと身にしみた。

さて、まず始めにはPRAに出したが、英語が悪く、レフェリーたちからは「typo等が多く読みたくない」
と言われてまず一度蹴られた。そこで英文校正に出してとりあえず英語をburshupしてから、
二度目を出したが、問題意識をわかってもらえず、勘違いしたままのコメントが来て終わった。

その後しばらく寝かしたが、昨年、コロラドのACSで招待講演の前にarXivに投稿した。
そうしないと、パクられる可能性があったからだ。座長はMだったし。
案の定、arXivに書いた論文の一部を膨らませてパクられたというのを最近知ったが
そこは予想であまり考えてないしそもそも誤っているので、まぁどうでも良い(でもPRLに
通るってどうかなと思う)。

その講演では意外と評価は高く、面白いと言ってもらえたので今度は通るだろうと
思ったが....

そしてJamesを共著者に入れ論文を読みやすく強化し、
JCPに出した。レフェリーは一人は同じ一人はまた違う人だったと思う。同じ人は同じ
コメントを寄せて終わった。もう一人は勘違いしてた。要するに今回も誰も理解してくれなかったのだ。
で、仕方ないからリプライを頑張ってみた。あなたのコメントのここは違う、勘違いだ、
あれは違う、それは違う....と丁寧に
一つ一つリプライをしてみると、
....
やっぱりダメだった。だが、一歩進展があり、レフェリーの一人は、問題を理解してくれたのだ。
で、以下の「最大の弱点」を指摘されて、それが解けないならダメといわれた。
ここは解決が結構難しいので問題の切り分けをしたつもりのところで、ここを指摘されると確かに弱い。
だからアブストにもちゃんとここは残ってるみたいな記述を入れたのであるが...
いずれにせよ理解してもらったのは嬉しかったのだが、リジェクトされた。仕方ない。

で、AIP advanceに出さないかと、JCPのeditorにいわれたのでそうした。今度はレフェリーを
一人、この問題を知ってそうな人に指名した。
今回は比較的スムースにいった。
コメントはとても懇切丁寧で、むしろ論文を若干強化できた。
これはありがたかった。また編集方針でも、とりあえずロジカルに正しければ
オッケーみたいなところもあった。
で、すぐパブリッシュしてくれた。ありがたい。

この論文の最大の弱点は、相互作用が無いところで電子が整数個ずつ
各系に分配されることを仮定している点。どうにかしたいところ。

まだまだネタはあるのでどんどん論文書いてゆきます。