この3連休は、二条城で「市民煎茶の会」という催しがあった。
ひょんなことからクリーニング屋の奥さんがお茶券をくれて、
わたしとダーリンは、見たこともない煎茶の会とやらに行くことになった。
二条城内の清流園を貸しきって、玉露の新茶をいただくのだ。
たくさんの人が来てるようで、近づくにつれ
いかにもお茶会らしい訪問着姿の人が増えてきた。
わたしは、部外者なので単衣の着物でいいや。
ダーリンにいたってはポロシャツとコッパン姿。
これでも、ジーンズを履き替えてきたのだ。
待合には、もう大勢の人がいて、
けっこうラフなかっこうなので安心した。
背中にザックの人も何人かいる。
しかし、お世話をする流派の人は、みんな
ひとつ紋の訪問着にピカピカの二重太鼓。
炎天下に傘もささず(あたりまえだが)案内に行ったり来たりだ。
今日は白足袋にレースのカバーを付けてきたので、
待合で脱いで準備したのだが、もう既に砂利道で埃だらけになっていた。
茶室に入る段になって、先頭の人が正客の座を嫌って
押し問答している。
どんどん、末席に逃げていくので、前のほうに10人ぐらいいたのに、
私が先頭になった。
え?何で?
案内の人が「どうか座ってください」と拝むように言ったけど、
何ではじめて来て、正客しなきゃなんないの?
「無理です」といってよけたら、
次々みんなが身をかわしていくので、とうとうまた前へ。
何も知らないザック背負ったおばあさんが、だまされて
正客となり、同じく押し切られたわたしが次客になった。
その次がダーリン。
やれやれ、どうなってるんだ。
ネットの情報によると、
煎茶道はいわゆる茶道の堅苦しさを無くしてできたお作法だという。
でも、お手前を見るところではけっこう難しそうだ。
お茶碗はかなり小さくてぐい飲みくらいで、いっぺんに4人分入れる。
まず、お菓子がくばられた。
主菓子を期待していたが、干菓子だった。
それを置いておいて、一煎めを待つ。
お茶がみんなにいきわたったら、お正客の合図でいっせいに飲むのだ。
しかしながら、懐紙も持たないできたこのおばあさんには無理な話だ。
知ってる人が、ヒソヒソ「いただきましょう」と言いながら
三々五々かってに飲んだ。
わたしは、この席に座る前「抹茶の作法しか知りません」と高らかに宣言していたので、
堂々とお茶をズズっと音をたてて飲んだ。
そして、指で飲み口をぬぐって胸の懐紙に手を・・・
あれ?無い。
そうか、お菓子を先にいただく抹茶と違って
煎茶は一煎めはまだ食べてないから懐紙は下に置いてあるんだった。
むむむ、どうすればよかったんだろう、
と思いながらお菓子を載せた懐紙に手を伸ばし指を拭く。
そしてまわりを見ると、みんなお菓子をいただいているのでマネした。
二煎め。
今度はちょっと苦く入れてあって、甘いお口に入れるとビタースウィート
美味しい・・・・!
「お終いください」の言葉もなく、お手前さんは片付けはじめる。
はんとうさんはちょっと困ってるけど、しょうがないよ。
何も知らない軍団をこんな上席に置いたんだから・・・
聞く人もないので掛け軸やお道具の説明もなく、20分ほどで終了した。
ホントは何やかやと問答があって、あと20分は続くはずだろけど。
でも、わたしは足がしびれて限界だったので助かった。
お手前さんが出てきたときを狙って、写真を撮らせてもらいました。
きれいな青の訪問着。
炉の火できっと暑かったと思うけど、美味しいお茶を入れていただいて
ありがとうございました。
ただ、せっかくだから、お正客をそれなりの人にやってもらって
正しいお茶会を経験したかったな~と思う。