長野周辺の山歩きと山野草

長野県北部を中心に山歩きと野草の開花状況を報告しています。植物の不思議な生態についてもレポートしています。

浅間隠山(1756.7m)

2012年09月21日 | 山歩き
2012年9月7日 群馬県長野原町・東吾妻町の浅間隠山(あさまかくしやま)(1756.7m)に登って来ました。

浅間隠山(1756.7m)山頂
 残念なことに浅間山の山頂は雲で隠れています。正に浅間隠。浅間山に雪が積もった初冬に来るといいでしょうね。


マツムシソウ(マツムシソウ科マツムシソウ属)
 山頂にはこの他、ワレモコウ、ツリガネニンジン、トモエシオガマ、アマニュウ、タムラソウ、ノハラアザミなどが咲いていました。


北東方向
 浅間山とは反対方向の展望です。笹原に咲いている黄色い花はハンゴンソウのようです。湿り気のある林床で見られることが多い植物です。


鼻曲山
 ここから見る山容は鼻曲山という名にふさわしい感じがします。


タムラソウ(キク科タムラソウ属)
 雌性期の雌しべが大きく「くるりん」としているのが特徴。そして羽状に深裂から全裂した葉は、他のアザミには見られない特徴を示します。


ノハラアザミ(キク科アザミ属)
 羽状に深裂する葉で縁に鋭い刺があります。葉の基部は茎を抱き、枝先に頭花が2~3個集まって咲くのが特徴。


シラネアザミ(キク科トウヒレン属)
 下部の葉には長めの葉柄があり、幅が広く切り込みがないのが特徴。長楕円形の葉ですが、先が尖り基部は心形または切形となっています。後ろにトネアザミ?の葉が見えます。


トネアザミ(キク科アザミ属)
 頭花が横~下向きに咲きます。中裂~深裂した葉の基部が茎を抱かないのが特徴。葉と総苞の刺も目立っています。
 
アザミ属、トウヒレン属、タムラソウ属の花は、紅紫色でよく似た雰囲気を持っています。ポリネーターが同じだと進化の過程で他の部位よりも花の形状が変化しにくいと言えそうです。さらにこれらの属が共通の祖先から進化する過程で一度生息地が分離される必要があります。互いに受精できない不稔の関係になって初めて近くにいても別々の進化の道を歩めるようになるからです。今日このエリアにはアザミ属、トウヒレン属、タムラソウ属の植物がひしめいています。そういった長い分離の歴史の後に再び出会った関係なのですね。


アザミ属の葉
 トネアザミの葉のようです。分裂していない葉から羽状に中裂したものまで形が様々です。同じ植物の葉とも思えないのですが確かに一つの茎から出ています。不思議な植物です。


シロヨメナ(キク科シオン属)
 登山道に沿って咲いていました。この他、ソバナ、フシグロセンノウ、アキノキリンソウなども咲いているのが見られました。


レンゲショウマ(キンポウゲ科レンゲショウマ属)
 淡紅紫色の花は、その色彩といい透明感といい魅力的なのですが、それを十分引き出して撮るのは大変に難しいです。長い茎にまばらな総状花序で咲くので、葉を一緒に撮ろうとするとかなり引かなければならないし、複数の花にピントを合わせるのは超難しいし・・・。
 花弁状のものはがく片で、しべを囲むように壺状になっているのが花弁です。雄しべが多数でキンポウゲ科の特徴を示しています。

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