イタリアワインをこよなく愛する名古屋の歯科医ブログ

イタリアワイン好きの名古屋の歯科医が、診療室でおこる日々の出来事や、その日出逢ったワインのことを綴ります

Tarnow先生三日間セミナー

2010年08月02日 | 歯医者のはなし
先週末は、木曜の夜から横浜入りして、
金、土、日と三日間、デニス・ターナー先生の講義&実習セミナーに参加してきました

ターナー先生は、昨年までニューヨーク大学歯学部の教授でしたが、
訳あって同じN.Y.のコロンビア大学に移られた現在も、
相変わらず勢力的に活躍されている、アメリカのインプラント会きってのスーパースターです

そんなターナー先生のアメリカ国内以外では初の三日間コースが、
ICOI
の主催で行われるということで、張り切って参加してきました

ターナー先生の講義を聴くのは、
ニューヨーク大のコースの一環で台北で聴いて以来、二年ぶりになります



生体の持つバイオロジーというものは不変のものなので、
インプラント周囲の骨、歯肉のバイオロジーをしっかり理解する事が、全ての基本となる
という考え方は二年前から変わらない、最も大切なターナ先生のフィロソフィーなのですが、

新しい知見、考え方、テクニックもふんだんに散りばめられ、とても充実したセミナーでした
三日間、一言も聴き逃せない、聴き逃したらもったいないっていう感じでした



特に、上顎前歯部の審美的な要求が高い部分のインプラント治療に対して、
治療の考え方、進め方の引き出しを、いくつか増やす事ができたと思います
とても有意義なセミナーでした

そして、こういったセミナーに参加されている、志の高い先生がたとの交流も楽しみの一つです



皆さんパワフルで、仕事に前向きで、美味しい中華をいただきながら、多くの刺激をもらってきました

8月に入って、さらに暑い毎日ですが、だらだらしてたらダメですね
気合い入れ直して、頑張って行きましょう



「歯ぎしり」この悩ましきものを理解する

2010年05月31日 | 歯医者のはなし
歯ぎしりで悩んでいる方及び歯医者さん必読です(笑)

今週の日曜日は、
東京に出向いて、東京医科歯科大学のポスグラ講演会を聴きに行ってきました

ここの講演会は、講師陣のグレードや講演内容の割に受講料が値打ちで、若い頃はよく通ったものです

今回久々の参戦で聴いてきたのは、歯ぎしりに関する講演会「ブラキシズム最前線!!」 
ブラキシズムと睡眠医学の第一人者である阪大の加藤先生と、
臨床の場でブラキシズムと戦っている昭和大学の馬場教授が本日の講師です

当初100人程度の参加者を見込んで準備していたそうですが、なんと400人を超える参加者で、
我々歯科医がいかに歯ぎしりに悩まされているか、よくわかります

どんなに高度な治療を、高価な材料を使って行っても、
「ブラキシズム=歯ぎしり」を診断し、コントロールしていかなければ
その口腔内は、あっと言う間に摩耗し、破壊され、長期に安定した予後を得ることが出来ません

では「ブラキシズム=歯ぎしり」とは何か?

ブラキシズム=歯ぎしりには二種類あります、
寝てる間に無意識に行っている睡眠時ブラキシズム( 以下SB )と、
覚醒時に歯を噛みしめる日中歯牙接触癖( 以下TCH )とに分けられます

この中で特に問題となるのが、一般に言われる歯ぎしりのSBです
これまで、歯ぎしりが疑われる患者さんに、
ストレスが原因だから、南の島にでも行かなきゃ治んないよなんて言っていましたが
そんな話では無いことがよくわかりました

寝ている人を見ていると、時々口をむにゃむにゃと動かしますよね、
これをリズム性咀嚼筋活動(RMMA)と言います
90~120分で一回りする睡眠周期の中で、ノンレムからレム睡眠へ移り変わる直前の、
睡眠が少し浅くなる頃に、健常者でも60%以上の人がRMMAを行います
SBを行う人は、このRMMAの活動が過大となって上下の歯が接触するようになり、
しかも健常者の1.4倍の強さで筋肉が活動し、それが2~3倍の時間長く続き、
3倍の頻度で現れるということです

つまり、寝てる時のむにゃむにゃ運動がやたら強くなったものが睡眠時の歯ぎしりだったのです
これは新しい見解です
ブラキシズムとは、かみ合わせがどうだとかストレスがどうだとかでは無く、
睡眠周期に関連した極めて中枢性の活動であることがわかりました

もちろん、ストレスや不適切なかみ合わせが、ブラキシズムの発現を強化する可能性はありますが、
直接の原因ではないのです
睡眠が浅いとRMMAは増加すると考えられるので、不眠症や睡眠時無呼吸症候群など、
睡眠が破壊されている場合はブラキシズムの発現が増す可能性があります
他にも、喫煙、カフェイン摂取、飲酒(寝酒)も睡眠を浅くする傾向があり、
ブラキシズムのリスク要因となります

寝酒って、かえって睡眠を浅くするんですね、気をつけなきゃ(笑)

では、ブラキシズムは止めることができるのか?
答えは「NO」です、現段階では睡眠時ブラキシズムを抑制することは出来ません

なので、睡眠時にスプリントと言われるマウスピースのようなものを装着し、
ブラキシズムから歯や歯周組織、補綴物(被せ物)、インプラントを守ることが
唯一の治療法となります

一緒に寝ているパートナーに歯ぎしりを指摘される方はもちろん、
朝、起床時に顎がだるかったり、強ばっていたり、痛みがある人は、睡眠時ブラキシズムが疑われます
歯医者さんに相談し、スプリントを作ってもらいましょう
そしてSBは、遺伝する可能性もあるみたいですよ


一方、日中歯牙接触癖( TCH )は、ストレスが大きく関わっているようですが、
先ず自分がTCHを行っていることを自覚してもらい、
安静時(何もしていない時)は上下の歯は接触しないのが正しい状態だということを認識してもらい、
それを実践してもらうことで、ずいぶんと改善していく可能性があるようです


SBとTCH、どちらも我々歯医者にとって、とても難しい問題です
現段階ではSBを抑制する事はできないのは残念な事ですが、
その発生メカニズムがよく理解できた事は収穫です

このような基礎研究が進んでいくと、いずれは特効薬がでてくるかもしれませんね
期待しましょう


JARD west 初めての定例会

2009年10月18日 | 歯医者のはなし

昨日、

JARD west として、初の定例会を行いました

7月に発足会を行いましたが、
8月は台湾の学会参加、9月は東西合同例会でしたので、
今回が本当の意味でのスタートとなります

入会していただいた先生と、オブザーバー参加の先生合わせて20数名集まりました
嬉しい限りです

定例会は会員発表を中心に行って行きますが、
記念すべきファーストバッターをかって出てくれたのは
当院の平出先生



変色歯への対応をまとめて、発表してくれました


僕は座長としてコメントさせていただきました

もうひと方は、半田市の小林先生、


インプランとを応用したオーバーデンチャーに関して発表していただきました

どちらも、しかっりと準備された内容で、
ディスカッションも盛り上がり、上々の滑り出しができたと思います

懇親会でも、若い先生方と熱く歯科談義ができ、楽しく過ごせました

来月は11月12日(木)です、参加希望の先生がいらしたら、是非ご連絡ください


そして3月に、我々 JARD の最高顧問の南カルフォルニア大教授、
Hassam Nowzari先生の講演が正式に決定しました

東京講演  H.22.3.20(土)14:00~17:00
       ノーベルバイオケアージャパン研修室(品川)
       (午前中は会員のみ参加の特別講演行います)

名古屋講演  H.22.3.21(日)10:00~16:00
        愛知県産業労働センター(名駅の新しいビルです)

となっております

おって、商業雑誌などで案内を告知していきますが、
とりあえず、カレンダーにチェックを入れておいてくださいねっ

インプラントがらみの、かなりためになる、面白い話しが聞けると思います


白鵬35周年記念シンポジウム&レセプションパーティー

2009年07月26日 | 歯医者のはなし

昨日、今日と

白鵬35周年記念シンポジウム&レセプションパーティーにご招待していただき
東京にやって来てます

昨夜はコンラッド東京の中華料理「チャイナブルー」で、
35周年を祝うレセプションパーティーが盛大に開催されました



窓からはレインボーブリッジをはじめ
東京ベイエリアが一望できる絶好のロケーションの中
ハワイアン・フラなんかも披露され、楽しいパーティでした

白鳳さんはインプラントを中心に扱う会社なのですが、
ここんとこ、ものすごく元気のよさを感じます

案の定、社長のスピーチを聴いてびっくり。
30周年の時には年商12億だったのが、
35周年の今は年商37億までアップしているそうです

日本国内でインプラントの需要が増えている事の現れである事はもちろんですが、
この伸び率にはびっくりです

他の主要海外インプラントメーカーのほとんどが最近日本法人を設立して、
直営直販の様相に移行していっている中、
白鵬さんは、依然としてオーナー社長のディストリビューター会社である事が、
フットワークの軽さをうみ、売上げアップにつながっているような気がします

それにしても、この4年間の年商の増加は目を見張る物があります

今後はディストリビュターとしてだけでなく、商品開発にも力を注いで
より良い商品ラインナップにしていって欲しいですね


そして今日は、35周年のシンポジウムが東京ミッドタウンホールで開催されました
東京ミッドタウンで開催というところが、またこの会社の勢いを感じます


ほぼ、満員の会場です

参加者一人一人に携帯端末が渡され、座長からの質問に参加者が答えていき、
それを即座に集計してスクリーンに表示するという
会場参加型のシンポジウムで、退屈しない面白い内容でした

日本人はシャイなのか、演者の質問に対して挙手を求めても、
手を挙げてくれない場合が多く、インタラクティヴな講演がやりずらいのですが、
これは、とても良いアイデアですね

そして、このシンポジウムでは、今年1月に一緒に講演させてもらった、
岡山大学の同級生、鈴川先生が、
パネリストや歯科衛生士セッションの座長として頑張ってました

友人の活躍はとても刺激になります

11月15日に福岡で、白鵬さんの主催でまた二人で講演する事が決まっています
楽しみです

それにしても、
このシンポジウムの宣伝の段階からそうでしたが、
白鵬さんの勢いを感じる2日間でした

アストラさん、もうちょっと頑張りましょう(笑)
ていうか、新商品でたら巻き返しですね



JARD west 動き出しました

2009年07月10日 | 歯医者のはなし

昨夜、
シロナ名古屋支店のセミナールームをお借りして

我々の新しいスタディーグループ「JARD west」 (ジャードと読んでください) の
発足会を行いました

JARDとは、「Japanese Association of Restorative Dentistry」 の略で、
東京の支部はEast、我々の名古屋の支部はWest ということで、
二カ所を拠点に始める事になりました

僕もWestの発起人に名を連ねさせていただき、
今後、名古屋地区の歯科医療業界を盛り上げるべく、
頑張っていきたいと思います

代表発起人の疋田久登先生とは、クリニックも自宅も近く、
数年来、公私ともに仲良くさせていただいており、
心の中で「アニキ」と慕っております(笑)


発会の説明をする疋田先生です

以前から、何かしていきたいと話していたのですが、
満を持しての立ち上げです

疋田先生の数年来の南カルフォルニア大学(USC)との交流のご縁で、
同大学の、Adovanced Periodontics のHessam Nowzari教授をメンターとして迎え、
東京、名古屋だけでなく、台湾の歯科医グループとも交流しながら、
日本だけでなく、アジア、そして世界へと活動を広げていければと考えています

僕も発起人の一人として40分ほどプレゼンさせてもらいました


名古屋ではなかなか勉強する場がなく、
東京や大阪の歯科業界と比べて元気がないと言われて久しいのですが、
意欲あふれる若手歯科医師や、女性歯科医師に参加していただき、
ともに学んで、成長していければと考えています

そして、学んだ後は美味しいお酒と食事で交流を深めましょう


昨日の懇親会は、セミナー会場のすぐ近くの
元中日ドラゴンズの炎のストッパー、郭源治さんの台湾料理店「台南担仔麺」です
写真の左端でぼやけてるのが郭源治さんです

産声をあげたばかりですが、なにかワクワクする期待感があります
そして、立ち上げたからには、なんとしても良い形の組織にしていきたいと思います

このブログを見ていただいている歯科医師の方で興味のある方がいらしたら、
是非一度のぞきに来てください
きっと何か得る物があると思います

JARD 頑張っていきます、宜しくお願いします


入会希望、見学希望等あればndc@nadyadent.comまでご連絡ください


最後になりますが、
シロナ名古屋支店の皆様、快く会場を提供していただき、ありがとうございます
今後ともよろしくお願いいたします



新兵器投入!

2009年06月19日 | 歯医者のはなし

今週、ナディアパークデンタルに、
インプラント手術に有用な新兵器がまた一つ投入されました

先日のDr. Yumのセミナーで教えてもらい、すぐさま導入です

その名は ”メディフュージ”



採取した血液を遠心分離にかけ、
血小板とフィブリンを多く含んだ、
Platelet Rich Fibrin (PRF) とか、Concentrated Growth Factors (CGF)と呼ばれる
ゲル状の層を作り出す装置です


再生医療の三要素というと、
細胞-cell, 足場-scafford, 増殖因子-growth factor ですが、

このCGFは、増殖因子をたくさん含んだ血小板と、
再生の足場となるフィブリンからできたゲルなので、
インプラント治療の際に骨を増やす手術をする時等、大きな力を発揮してくれます


同じようなもので、約10年前からPlatelet-Rich Plasma(PRP)という物がありましたが、
採血量が多かったのと、ゲル化させるのに血液凝固剤を添加する必要があったりで、
少しブームが去っていた感じでしたが、

このCGFは採血量も10ccと少なく、
遠心分離の回転数と時間の調整で、血液中の凝固因子を刺激し
添加物無しで、ゲル化した血小板とフィブリンを取り出す事ができ、
ものすごく使いやすくなっています

薄く延ばして膜状にする事で、
これまで骨再生のバリアー膜として使っていた
コラーゲン膜の代わりに使う事もできます
当然CGFは自己血由来ですので、
コラーゲンのような動物由来の材料の使用を少なくでき、手術の安全性も高まります


まず、血液を10ccとります


そしてメディフュージで13分間遠心分離にかけると


こんな感じの黄色いゲルが取り出せます

この中には、再生に必要な物がぎっしり詰まっています

昨日のオペで早速使用しましたが、今日消毒でいらした時に視てみると
傷の治りが早くてきれいなのに驚かされました
創傷治癒に必要な増殖因子がたくさん入っているからでしょうね


このCGF、様々な使い方の可能性があるかと思いますので
また、Yum先生に教えてもらわないといけませんね

自分の血液を使うという事で、
安全性やコストの面で、患者様にも大きなメリットがあると思います

歯科用コーンビームCT、ピエゾサージェリーと並んで、このCGF
ナディアパークデンタルでのインプラント治療になくてはならないものに
なっていきそうです


アジアの先進医療の中心は韓国へ?

2009年06月13日 | 歯医者のはなし

今日は、副院長のトミシン先生と一緒に、
日本ピエゾ臨床研究会主催の
ピエゾサージェリーのハンズオンコースに参加してきました

講師は、韓国のピエゾサージェリーの第一人者、Dr. Yum Moon-Seopです



韓国ははこの分野で世界をリードしており、
オリジナルのテクニックをたくさん開発しています

ナディアパークデンタルでもこの機器を導入後ほぼ1年経過し、
インプラント手術において、なくてはならないものになっていますが、
まだ、その能力を完全に使いこなしきれていない感じがあったので、
ガッツリ一日勉強してきました

いや~今日も勉強になりました、
1年使って疑問に感じていた部分がほぼ全てクリアーになりました

特に上顎のインプラント手術には、今後さらに威力を発揮しそうです


ところで、最近よく話題に上がる事ですが、

こういった先進医療の現場において、
日本は韓国に先を越されていきつつある感じが、
ひしひしと感じられるようになってきました

実際、こうして韓国のドクターから学ぶ機会も増えてきました

皆さん「ドラッグ・ラグ」という言葉をご存知ですか?
海外で認可された最新の薬が、日本の厚生労働省の認可がなかなかおりず、
日本国内で使用できるようになるまで、数年かかってしまうという話です

その間、海外ではさらに新しい薬が開発され、
日本での認可がおりた時には、既に次の世代の薬が発売され、
日本はあたかも在庫処理のような状態になってしまうことがあります
(実際は在庫ではありませんが)

一方、韓国ではアメリカのFDAの認可がおりた医療品は、
そのままタイム・ラグなく韓国国内で使用可能となってます

医療品メーカーにとっても、
FDAの認可をとるのに莫大なコストをかけ、
その後、厳しい日本の認可をとるために、再び莫大なコストをかけて、
何年か後に認可を得て発売できたとしても、
市場的には既に時遅しという感じになってしまい、
かけた費用が回収できないなんて事になってしまう可能性があります

となると、アジアのマーケット全体を見渡した時に、
日本より、韓国を中心に考えるのは企業としては必然ですよね

実際、
医薬品・医療機器メーカーのアジア戦略は韓国中心に動き始めていると聞きます
日本の勉強熱心なドクターたちは海外で新しい治療法を学んできても、
その材料や機器が日本では手に入らないという困った状況が
現実に山ほど出てきています
(医師の責任による個人輸入という世界に類を見ないグレーな方法が存在しますが)

これって、国民の利益に反する、かなり憂慮すべき状況になっいると思いませんか?

アジアや中東のお金持ちは、最新医療を求めに、
自費専門の豪華な最新設備をそろえた韓国の病院に、治療に来ているそうです

韓国に対するライバル心が皆無ではないので、
このような状況はちょっとつらいですよね

厚生労働省はこのような事態をどう考えているのですかね?
安全という事は重要ですが、ここまで世界においていかれると。。。

まあ、与えられた環境の中で精一杯頑張るしかありません


さて、今日の講師のYum先生のオフィスはソウルにあるのですが、
そのネーミングにちょっとびっくり(笑)

「Seoul Top Dental Clinic」です「トップ」がついてます



昨日はアストラテックインプラントセミナー

2009年06月01日 | 歯医者のはなし

昨日は、

名古屋栄で、アストラテックインプラントのセミナー講師をさせていただきました



最近は定例化してきた感があって、ほぼ同じ内容で3回目ですが、
内容はすこしづつマイナーチェンジをしていますので、熟成感が出てきました(笑)

今回はアドバンスコースという事もあって、経験者の方が多く、
質問もたくさん出て、楽しく有意義な感じでできたかと思います。



皆さん熱心に実習されています



今回も豚の顎を使っての実習がメインでしたが、
私、豚のオペはほんとにうまくなってしまいいました(笑)

いつもセットししてくださる、アストラテックの山本氏


お世話になりま~す
また、良いセミナー開いていきましょう



夜の歯型彫刻大会

2009年05月26日 | 歯医者のはなし

今日診療後

ナディアパークデンタルの若手Dr.と、新人技工士藤ちゃんの参加で
「夜の大歯型彫刻大会」が盛大に執り行われました(笑)



石膏ブロックから、指定された歯の立体模型を彫り込んで作るのですが、
歯科技工士の国家試験の課題には今でもこの歯型彫刻が入っていますし、
歯学生はみんな学部に上がった直後くらいに、解剖の授業の中で、
課題としてやらされます

歯の形を知るという事は、歯科技工士はもちろん、
歯科医師にとっても大変重要な事で、
歯に詰め物をしたり、プラスティックの仮歯を作ったりする時には、
その知識と、それを立体化する技術が問われます


そんな訳で、今日のお題は「右上第一大臼歯」

基本中の基本なので、ヤマをはってきていた人もいたかも知れませんが、
まず、やはりこの歯が重要です

制限時間30分で、よーいドン

とても、30分では仕上がらず、追加で30分

みんなの作品です

どれが誰のかは内緒です(笑)

予想どうり技工士藤ちゃんの圧勝でした

しかし、こういうのって性格が出て面白いですね

次回は、この歯にちゃんと噛むように右下の第一大臼歯を彫ってもらいましょう
きちんと噛ませるのはかなり大変ですよ!

今度は、アート的な形の部分にプラスして、噛み合わせという機能が問われます
実際、僕らの日々の仕事も、Art & Function (& science)ですからね

いや~、結構楽しかったです、見てて冷やかしてただけですけど





5月院内勉強会

2009年05月21日 | 歯医者のはなし

今日は
5月の院内勉強会の日です



今月の演者は、副院長のトミシン先生で、

スタンダードプレコーション(標準予防策)の考えに基ずいた洗浄・消毒・滅菌や
感染症対策について皆で勉強し、
ナディアパークデンタルでの改善点に関して、ディスカッションし
早速改善すべき点は、午後の診療から変えていきました

日赤の麻酔科など大病院での勤務の経験のあるトミシン先生から
医療現場で大切な、”清潔・不潔”の概念をみっちり叩き込まれました

医療現場で使う”清潔・不潔”という言葉は、
一般の社会で使う”清潔・不潔”という言葉とはちょっと違いまして
簡単に言うと、滅菌できている状態かどうかという概念になります

皆、午後の診療からやたら”清潔・不潔”が気になっていたみたいです
意識するという事が一番大切なので、良い事です

ちょうど、世間では新型インフルエンザでパニックになりかかっている時ですので
今日の勉強会はタイムリーな内容でした


まだまだ足りない部分がありますが、
ナディアデンタルの滅菌・消毒のレベルをさらに高いものになるよう
皆で頑張っていきましょう





名駅ナディア

2009年05月15日 | 歯医者のはなし
今日、
わたくし43歳の誕生日を迎えました

さらに今日、
「名駅ナディア歯科」が誕生しました



今年の2月から、名古屋スパイラルクリニックを
ナディアパークデンタルのスタッフとドクターによって運営してきましたが、

今日5月15日、保健所への開設届けが受理され、
医療法人ナディアパークデンタルクリニックの二つめのクリニックとして
「名駅ナディア歯科」と名称も新たにスタートする事となりました

かなりベタなネーミングとなりましたが、
「栄ナディア」、「名駅ナディア」
みたいな感じで呼んでいただけるといいかなっと思い、この名前に変更しました

2月から行って来た診療体制はそのままで、名称だけの変更ですので、
患者様におかれましては、これまで通り通院していただければと思います

僕は、火、金曜日と、第1、3土曜日に名駅ナディアで診療です

どちらのクリニックでも、インプラント、審美歯科、矯正歯科、ホワイトニング、
全て同じクオリティーの治療、メンテナンスを受けていただけます

「名駅ナディア」宜しくお願い致します
http://www.nadyadent.com/


2月から準備を進めて来て、今日の開設になったのですが、
僕の誕生日を狙った訳ではなく、保健所からの指定で今日になりました

偶然ですが、うれしいものがありますね



中日新聞の記事から

2009年03月06日 | 歯医者のはなし

昨日、今日と、
中日新聞に珍しく歯科関係の記事が続けて掲載されていました

一つは、X線に変わる近赤外光の撮影装置!

歯や骨など硬組織を観察するには、
X線撮影がべストで、尚かつ唯一の方法なのですが

大府市の国立長寿医療センターと小牧市の光源メーカーが開発したのは、
光干渉断層診断法と呼ばれる方法を活用し、
歯や歯槽骨の3D画像を短時間で撮影、画像構築できるシステムだそうです

現在、3D画像を得ようと思うと、CT撮影を行う訳ですが、
かなりのX線被曝を伴います

が、この装置は人体に影響のない近赤外光を用いるので、
何枚とっても安心
これは、患者様にも、撮影するスタッフにとってもありがたいですよね
X線を遮蔽する撮影室もいらないと思うので、導入もし易いでしょう

数百万で販売可能とのことなので、現在の歯科用CTの1/3以下かも
早く実用化して欲しいものです


そして、もう一つは再生医療の話題!
1週間に一つぐらい、なにがしか再生医療の話題が新聞に掲載されています
それぐらい、研究や、特許取得など開発競争が激しいのでしょうが

今日の記事は親知らずから新型万能細胞「iPS細胞」を作製する話です

これまで、iPS細胞の作製には4つの遺伝子を導入する必要があり、
それが、安全性の面で大きなハードルで、
いろんな研究機関が、導入する遺伝子を減らす研究ににしのぎを削っています

今回、岐阜大学が開発した手法は、
ヒトの親知らずの中にある歯髄幹細胞、
つまり歯の神経と言われる組織に含まれる細胞に
IPS細胞の作製に必要な4遺伝子のうち2遺伝子がもともと働いている事に着目し
残りの2遺伝子を組み込むことでiPS細胞の作製に成功したということです

親知らずは多くの方が抜いてしまう歯で、
さらに、我々も抜いたら捨ててしまうだけなので

このような活用法があるならば、iPS細胞作製の材料として
親知らずは入手しやすく、有効な方法になることでしょう

すでに、乳歯バンクというものが立ち上がり、
同じような目的で、将来の再生の為に自分の乳歯を保存しておこうという
ビジネスが動き出していますが、
親知らずバンクというものも立ち上がるかもしれませんね(笑)

自分の幹細胞を保存でき、将来もしも何かのときに再生医療の材料として
自分の細胞が使えるというのはありがたいですよね

ただし、研究は予想をはるかに超えるスピードで進んでいますので、
じきに、皮膚や粘膜のちょっとした普通の細胞から、
遺伝子を入れる事なく、iPS細胞が作れる日もそのうちくるんんでしょうね


たまたま歯科関係の話題が2日続きで掲載されましたが、
夢の膨らむ話題は良い事です





歯髄の再生

2009年02月09日 | 歯医者のはなし

数日前の中日新聞の1面にこんな記事が出てました


「歯神経抜かず痛みを除去 愛院大などが再生治療法」


つまり、虫歯が深くなって、痛くてしょうがない時に、
歯の神経を抜かなければならないということで、
歯の根の中の治療を受けた経験がある方は多くいらっしゃると思います


そんな時、このグループが見つけた「 MMP3 」と言う酵素を
患部に塗り込むと、痛んだ歯髄(歯の神経)の血管が再生し
歯髄がよみがえってくるそうです


歯髄には神経だけでなく血管も入って来ていますので、
歯髄をとってしまった歯は、いわば枯れ枝のようになってしまい
もろく、割れやすくなったりします


ひび割れが大きいと抜歯に至る事もあり、
歯髄を保存する事はとても大きな意味があります


まだ動物実験の段階のようですが、
実用化されれば、歯の寿命をのばす画期的な治療法となる事でしょう


早く我々のもとにやってきて欲しいものです



全然話し変わりますが、
昨日グラミー賞の発表がありましたよね

なんと、その当日クリス・ブラウンがリアーナを殴って逮捕されたそう
二人ともグラミーにノミネートされてたのに欠席だったみたいですね

何をもめたんでしょうかね?
セレブカップルにも色々あるようです。。。








1時間で白い歯に

2008年10月23日 | 歯医者のはなし

今日は、月1回の院内勉強会の日です

今月は、明後日ナディアパークデンタルにやってくる
セレック3と言う最先端マシーンに関して、スタッフ全員で勉強しました



セレック3というのは、ドイツのシロナ社が開発した
CAD/CAMと光学印象を駆使した治療器具です

といっても良くわからないと思いますので、かいつまんでご説明します

従来は、歯に虫歯ができると、歯を削って、型をとって、
1週間後くらいにもう一度歯医者さんに行くと、
銀色の歯ができていて、それを歯医者さんが調整して、
セメントを使って歯にくっつけて治療が終わりますよね

多くの方がこの方法を経験していると思います

このセレック3のシステムは、
削った後に、型どりする替わりに、専用の機械を使って歯の写真を撮ります
それを、コンピューターに読み込むと、削った歯の3D画像が現れます

そして、コンピューター上で、歯の形や、噛み合わせの状態をデザインし
そのデーターを、専用の切削機器に送り、セラミックのブロックをセットします

待つ事約10分、セラミックのブロックから削り出された、
セラミックの詰め物や、被せが出来上がります

これを磨き上げて、専用の接着剤を使って歯にくっつけていきます

歯を削るとこから始めてセラミックの歯を装着するまで、およそ1時間で完了です

今までだったら、削って型をとったら、石膏模型をおこし
歯科技工士さんが、手作業で作っていましてので、
出来上がるまでに約1週間の時間が必要でした

このセレック3システムだと削ったその日に歯が入ります
と言う事は、仮歯を入れる必要がなく、歯が出来てくるまでに
歯が汚染されて、痛みが出てくるといったトラブルも皆無です

そして、なんと言ってもセラミックの歯は奇麗で、舌触りもつるつるで気持ち良く
金属アレルギーの心配もありません

均質なセラミックのブロックから削り出しますので、強度にも優れます

これはほんと、いい事づくめです
テクノロジーの進歩に驚くばかりです

術前 
術後


来月から本格的に稼働しますが、
導入にあたってトライアルキャンペーンを行うつもりです
ナディアのHPに詳細載せますので、興味のある方あチェックしてください


僕の口の中の詰め物も、セレック3で作り替えようと思います



ブロックがどんどん削られていくのを見て驚くナディアスタッフ達




トケイソウが歯周病に有効?ハルミン?

2008年10月05日 | 歯医者のはなし

今朝の中日新聞の朝刊の一面に

トケイソウ(パッションフラワー)の歯や花に含まれる「ハルミン」と言う成分が
歯周病に効果ありという記事が出ていました



ハルミンに、骨を作る働きのある骨牙細胞を増やす効果がある事を
中部大と東京医科歯科大学のグループが発見し、
歯周病に応用できないかと研究したところ、
マウスの実験で、
歯槽骨だけでなく歯周組織の形成を促進する作用があることがわかったそうです

歯周病というのは、歯の周りの骨や、靭帯が失われてしまう病気ですが、
それらを再生させる事が、このハルミンで可能になるかも知れません

同じような働きをするもので、「エムドゲイン」と言う商品が
すでに国内でも数年前から使われていますが
これは豚の歯胚から抽出したタンパク質で、大量生産に向かず、高価で、
尚かつ、プリオンのような未知の物質に対する不安もありました

このハルミンは人工的に生産可能との事で、
実用化されれば、安全、安心で安価に供給される事でしょう

以前のブログで書いた、
rhBMP2なんかの成長因子はなかなか日本で認可が下りませんので、
このハルミンは、早い実用化が期待されます。

大学の研究者の皆さん、頑張ってください