都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

山鉾とお囃子のない祇園祭は、提灯だけ

2020-07-23 02:47:59 | 京都

 コロナ禍で祇園祭の神事はあるが、町衆の山鉾が無く祇園囃子も聴こえない。宵山もなく、梅雨明けを待つ時期という季節感だ。

 街の中で高張や軒下の提灯を見ると、ああ祇園祭だなぁと思う。

 長刀鉾の粽も今年は取り替えず、来年を待とう。大文字の送り火の護摩木寄進も恐らくない。地味な夏だ。

 7月の連休からGoToトラベル・キャンペーンが始まるが、京都に来ても暑いだけだと思う。しかも、東京・大阪の感染者増加を見ていると、「来てほしくない」のが本音だ。今でも、三条通や寺町など洛中は相応の賑わいを取り戻している。観光地の祇園や嵐山は空いているようだが、落ち着いていて良い。

 ついこの前まで「観光公害」といっていたのが、「観光不況」になった。旅行や食事など趣味のものは需要の変動が大きい。かといって割高にすると評判を落とす。

 蹴上の近鉄都ホテルは、佳水園( https://www.miyakohotels.ne.jp/westinkyoto/facilities/garden/garden.html )をリニューアルして一泊20万円~37万円とするという。安定している富裕層狙いもこれからの戦略と思う。しかし、近鉄は奈良ホテル( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%88%E8%89%AF%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB )をJRに売ってしまったのは残念だ。

 京都では、ハイエンド狙いのホテルが続々、竣工する予定もある。これからの、京都観光は収入確保なら、量(人数)の拡大より質(客単価)の向上と思う。混まなくても儲かる、ゆったり京都を楽しめるという観光客の観点にも合致する。但し、観光客には相応の負担を頂きたい。そのための宿泊や楽しみ方を提案するのが行政と観光産業の協業での役割だ。ディズニー・リゾートなど混雑と集客のバランスについて年間を通しプログラム化している。そのため、チケットの売り止めや価格差をつけている。

 しかも、京都には居住者もある。生活と観光の調和として観光客向けの観光要点(ここを見るべき、今は空いているなどの情報提供)と京都生活体験(ちょっと地元民になってみる)をプログラム化する必要がある。

 観光公害では有名なアムステルダムとバルセロナ、どちらも3晩も泊まると、コンセジュと仲良くなり色々教えてもらった。それは、芸術への興味や食の質問が発端となっている。都市を観光するにも事前の「予習」は必要だ。特に、都市の形成史は役に立つ。

 京都が、再び「生きている歴史ディスニー・ランド」にならないことを思う


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