都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

貧乏人の経済学(アジット・V・バナジー、エステル・デュフロ):いまさらながらためになる、希望と励ましが貧困からの脱出

2024-06-02 02:21:47 | マクロ経済

 2012年の出版、山形の訳。読み返す、知見の整理は:

・ジェフリー・サックスの貧困国援助主義 対 ウィリアム・イースタリー 援助反対

・アマルティア・セン:貧困による才能の無駄遣い→支援の質が問題か

・貧困でも金があると贅沢をする、健康に配慮した若年の栄養や予防が本当は重要だが

・祭が盛んな金をつぎ込むところはメディアがない、メディアがあるとそれに金を使う「退屈」から救ってくれる

・公衆衛生はお節介でも過干渉でも貧困国に行う、説明も

・教育は「優秀な子」優先になり格差を生む、すべての子という方式に変える必要がある

・大家族の子供は金融資産、将来の面倒をみてくれる

・助け合いはある程度まで

・貧乏な人の保険、ファイナンス(融資)、貯金はうまくいかない、モラルハザード、信用調査と不良債権の負担、自制心(無駄を切り詰める方が効果的)

希望と励ましが生活向上と節約、貯金へのみち、生き延びる不安が無駄遣いの原因→ドヤ街などの研究でも同じような知見があった(「ルポ西成」「ルポ路上生活」(國友公司))

・貧乏な人に起業は難しすぎる、資金を集め、起業して、さらに成長させるのは至難

・結論は「3I問題」無知 ignorance、イデオロギー ideology、惰性 inertia 現場を知らない人が、こういうものだと思い込み、それを続ける

・貧乏は①うまくやれる手法など情報を持たない・入ってこない、②面倒な生活運営(水汲み、買出しなど)責任を負う、③不利な価格(高い金利など)、④3Iによる失敗、⑤期待の有効な活用(後ろ向きな評価を受けるのではなく、前向きな事例を見るとかの経験を重視)、やればできる子に。

 

 さらに、制度についても考察がある、面白い


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